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2017年1月17日
製品・サービス / プレスリリース
モバイル機器の大容量データの高速通信と薄型化に対応
低温成型と常温保存可能で基板製造が容易に
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、スマートフォン、タブレットなどのモバイル機器の大容量データの高速通信と薄型化に対応する「低伝送損失[1] フレキシブル多層基板材料」を製品化、2017年1月から量産を開始します。LCP(液晶ポリマー)のコア材[2] と、低温成型及び常温保存が可能な接着シート材料の組合せで、高周波用フレキシブル多層基板の製造が容易になります。
現在主流の大容量伝送用の同軸ケーブル[3] は厚みがあり、モバイル機器の薄型化が困難です。大容量伝送と薄型化を両立するために高周波用フレキシブル多層基板が注目されていますが、材料の性質上取り扱いに制約が多く、製造に特殊設備が必要となるなどの課題があります。当社では独自の樹脂設計技術により、200度以下の低温成型と常温保存ができる接着シートを開発しました。これにより、接着シートの高温成型や冷蔵保存のための専用設備が不要となります。また、LCPコア材においても独自の積層技術によりLCPと低粗度銅箔の高い接着性を実現しました。さらに、これまでコア材に用いられているポリイミドフィルムなどの素材では伝送損失が大きく、高速伝送用途では使用できませんでしたが、本材料では低伝送損失を実現。大容量、高速伝送に対応可能です。
高周波アンテナモジュール用基板、高速ケーブルなど
本材料は、2017年1月18日~1月20日まで東京ビッグサイトで開催される「第18回 プリント配線板EXPO」に出展します
モバイル機器のカメラやディスプレイの高解像度化等によるデータの大容量化が進む一方で、データ通信の高速化が求められています。このため、現在主流の同軸ケーブルの代替として大容量で高速な通信が可能となる高周波用フレキシブル多層基板が注目されており、基板材料には伝送時の信号のロスが少ない低損失であることが求められます。当社では独自の樹脂設計技術の採用により、低伝送損失のコア材と接着シートを製品化しました。これにより、USB 3.1 Gen 2(10Gbps)などの規格に対応、モバイル機器の大容量データ伝送の高速化に貢献します。
同軸ケーブルは、1本のケーブル内に1本の信号線で構成され大容量データ伝送が可能ですが、厚みが課題となっています。高周波用フレキシブル多層基板は、複数の信号線を配置し積層するため、大容量データ伝送と薄型化が実現できます。本材料を採用することで、厚み0.2mmで複数の信号線を配置した3層構成のフレキシブル多層基板を実現でき、同軸ケーブルの代替が可能です。
高周波用フレキシブル多層基板のコア材を積層する接着シートは、その材料の性質から高温成型や冷蔵保管が必須で取扱い性が悪く、また専用設備が必要で基板メーカーの製造時の負担となっていました。当社では、独自の樹脂設計技術により、200度以下の低温成型と常温保存ができる接着シートを開発、加工時の取扱い性を向上できます。低伝送損失のコア材とともに提供することで、フレキシブル多層基板の製造が容易になります。
<品番> コア材(FELIOS LCP): R-F705T、接着シート(ボンディングシート): R-BM17
項目 Item | 試験方法 Test method | 条件 Test condition | 単位 Unit | R-F705T+ R-BM17 | |
---|---|---|---|---|---|
はんだ耐熱性 Solder heat resistance | LCPとボンディングシート間 Between LCP and BS | 60秒フロート限界温度 60sec. float limited temperature | A | ℃ | 270 Pass |
C96/40/90 | 260 Pass | ||||
銅箔とボンディングシート間 Between copper and BS | A | 270 Pass | |||
C96/40/90 | 260 Pass | ||||
比誘電率 Dielectric constant(Dk) | 10GHz | 空洞共振法 cavity resonator | A | - | 2.85 |
C96/40/90 | 2.84 | ||||
誘電正接 Dissipation factor (Df) | A | 0.0021 | |||
C96/40/90 | 0.0021 | ||||
銅箔引きはがし強さ Peel strength | LCPとボンディングシート間 Between LCP and BS | IPCTM650 | 90° | N/mm | 1.08 |
銅箔とボンディングシート間 Between copper and BS | IPCTM650 | 0.73 | |||
耐折性MIT試験 MIT folding endurance test | JIS C6471 | R 0.38/135°/ 175cpm/500gf | Number | 55 | |
はぜ折り性 Weight load flexibility | 外側回路 Circuit outside | 社内法 Internal method | A | Number | 19 |
内側回路 Circuit inside | 社内法 Internal method | 11 | |||
耐燃性 Flammability | LCPとの組合せ Combination with LCP | 社内法(ULと同等) Internal method (Equivalent to UL) | A | - | 94VTM-0 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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