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画像:パナソニック家電×デマンドレスポンス

2024年12月10日

技術・研究開発 / プレスリリース

冷蔵庫自動デマンドレスポンス制御の有用性と受容性を確認

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は、中部電力ミライズ株式会社(以下、中部電力ミライズ)と共に、家電機器をデマンドレスポンス(以下、DR)制御する実証実験を行いました。

近年、カーボンニュートラル実現に向けて太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入が拡大していますが、その電力供給量は天候などによって変動するため、需要が多い時期には電力需給がひっ迫する一方、需要が少ない時期には供給過多になって電力が余るケースが発生しています。そのため電力供給に合わせて需要側が賢く電力使用量を変化させて電力需給バランスを調整するDRの重要性が高まっており、特に、家庭向けのDR推進が加速しています。

電力使用量を変化させるDRには、電力使用量を減らす「下げDR」と、増やす「上げDR」の二つのパターンがあります。家庭においては、電気事業者から前日に通知されるDR要請に対してユーザー自身が考えてアクションすることが一般的ですが、「何をしたら良いのか分からない」「アクションを忘れる」などの理由で十分な貢献となりづらい課題がありました。

そこで、常時稼働しており、年間を通じてDRに対応可能であるもののユーザーによるアクションが困難であった冷蔵庫に注目し、DR機能を試験搭載。中部電力ミライズからのDR要請をユーザーのスマートフォンアプリへ通知し、ユーザーがアプリを使って予約すると冷蔵庫が自動で下げDR運転、または上げDR運転を行います。その結果、要請に対する自動DR制御の有用性を確認できたほか、DR運転の開始および終了時刻をアプリや冷蔵庫のアラームでお知らせすることで他機器に対しても省エネ行動を起こすなどユーザーの行動変容にもつながり、要請に対する家全体での貢献量も向上しました。また、アンケートから、DR運転による保存食品への影響はなかったことを確認しています。

パナソニックは、100年育んできたくらしに寄りそう力で、人と地球の未来に続く、感動の商品とサービスを創造することを目指しています。今後もDR機能を搭載した冷蔵庫開発を進め、中部電力ミライズをはじめ各電気事業者と家電DRサービスを検討していきます。

【実証内容】

  • DR要請に対する冷蔵庫の自動DR制御の有用性と家全体での貢献量
  • 冷蔵庫の自動DR制御に対する受容性

【実証実験の概要】

画像:実証実験の概要

(1)DR要請をユーザーへスマートフォンアプリで通知
(2)ユーザーがスマートフォンアプリから冷蔵庫DR運転を予約
(3)対象時間になると、冷蔵庫が自動で下げDR運転、または上げDR運転を実施
(4)同時に、スマートフォンアプリと冷蔵庫からのアラームで、DR運転の開始と終了をお知らせ

【実証期間/DR要請回数】

  • 冬季下げDR:2023年12月~2024年3月(計32回)
  • 春季上げDR:2024年4月~2024年6月(計41回)
  • 夏季下げDR:2024年7月~2024年9月(計41回)

【各社の役割】

■パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社

実証実験全体の企画を担当。実証実験環境(冷蔵庫の自動DR制御、スマートフォンアプリ)を構築し、対象世帯の冷蔵庫の使用電力を電力計で計測してDR要請に対する冷蔵庫の自動DR制御の有用性を評価。また、アンケート調査によるユーザーの行動変容および自動DR制御の受容性を評価。

■中部電力ミライズ株式会社

電力の需給バランスに応じたDR要請の発動。対象世帯の使用電力をスマートメーターで計量し、DR要請日と非要請日との比較を通じて、家全体のDR貢献量を評価。また、アンケート調査によるユーザーの行動変容および自動DR制御の受容性を評価。

【実証結果】

■冷蔵庫の自動DR制御の有用性と家全体での貢献量の検証

画像:冷蔵庫の自動DR制御の有用性と家全体での貢献量の検証

実証世帯において、下げDR、上げDRとも冷蔵庫で一定の貢献量が得られ、自動DR制御の有用性が確認された。また、スマートフォンアプリや冷蔵庫のアラーム音による定期的な通知を通じてDR要請を思い出すことで、他の家電機器に対してアクションするなどユーザーの行動変容につながり、前日の通知に対してユーザー自身が考えてアクションする世帯(一般世帯)と比べて、DR要請に対する貢献量が向上する結果が得られた。

■自動DR制御に対する受容性

画像:自動DR制御に対する受容性

冷蔵庫が自動制御されることに対する不安の声はなく、また、DR運転においても庫内の温度は適切に保たれて保存食品への影響はないことが分かり、冷蔵庫の自動DR制御に対する受容性を確認できた。

<パナソニックグループの環境取り組み>

パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定しました。2030年までに全事業会社のCO2排出を実質ゼロに、また2050年に向けて現時点の全世界の排出総量約317億トン(※1)の「約1%」にあたる3億トン(※2)以上の削減貢献インパクトの創出と、循環経済の実現に向けた事業活動に取り組んでいます。

※1 2020年エネルギー起源 CO2排出量 317億トン(出典:IEA)

※2 CO2排出係数は2020年基準
https://holdings.panasonic/jp/corporate/panasonic-green-impact.html

記事の内容は発表時のものです。
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配信元:
パナソニック株式会社
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