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画像:病原カビをナノイー(帯電微粒子水)技術で99%殺菌

2024年6月25日

技術・研究開発 / プレスリリース

夏に咳?カビが原因?

病原カビ※1をナノイー(帯電微粒子水)技術で99%殺菌

パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、大阪公立大学 名誉教授 向本 雅郁氏の監修の下、過敏性肺炎の主な原因となるカビ、トリコスポロンに対するナノイー(帯電微粒子水)の殺菌効果を確認しました。過敏性肺炎は、カビが空気中に放出する胞子を繰り返し吸い込むことで、発症する病気です。症状は主に咳や発熱などで、風邪やウイルス感染症に似ており、調査した患者の7割は、風邪など別の病気と診断された経験(※2)がありました。また、住宅などカビ胞子を吸入しうる環境にいる時のみ症状が現れ、外出などで症状が改善する特徴を持っています。この過敏性肺炎のうち、7割を占める夏型は、湿度の高い8月頃にかけて発症する患者数が増加傾向(※3)にあります。

当社は、これまでナノイー(帯電微粒子水)による家の8大カビへの殺菌効果(※4)や未検証の有害なカビ3種への殺菌効果(※5)、殺菌メカニズムの一部解明(※5)を行ってきましたが、過敏性肺炎の主な原因となるカビ、トリコスポロンに対する効果検証は行っていませんでした。

図1. トリコスポロンへの殺菌効果

そこで、新たにトリコスポロンに対する効果検証を行い、99%以上の殺菌効果を確認。これまでの検証結果と併せて、過敏性肺炎の原因の7割を占める病原カビ3種全て(※1)に対するナノイー(帯電微粒子水)の殺菌効果を証明することができました。なお、本検証は後述の試験条件での結果であり、実使用空間における効果を検証したものではありません。

パナソニックは、安全で安心な空間の提供を通じた社会への貢献を目指し、今後もナノイー(帯電微粒子水)技術を進化させるとともに、その可能性を追求し続けていきます。

■本検証のポイント

  • 一般家庭の空気中に過敏性肺炎の原因となるカビが含まれる割合を調査した結果、調査対象の62.5%から過敏性肺炎の病原カビを検出(検証データ(1))
  • 過敏性肺炎の主な病原カビであるトリコスポロンに対する、ナノイー(帯電微粒子水)による殺菌効果を検証し、99%以上の殺菌効果があることをが判明(検証データ(2))
  • ナノイー(帯電微粒子水)を照射したトリコスポロンの形態観察を行った結果、細胞壁破壊と内容物の漏出による殺菌メカニズムが作用していることを確認(検証データ(3))

■検証データ(1)

  • 検証機関:テクノスルガラボ
  • 検証対象:エアーサンプラーで回収した一般家庭8軒のリビングの空気サンプル
  • 検証結果:下図2の通り、調査対象の62.5%の一般家庭で、過敏性肺炎の病原カビが確認された。

図2. 一般家庭の空気中のカビ調査

■検証データ(2)

画像:ナノイー(帯電微粒子水)発生装置
  • 検証機関:一般財団法人 北里環境科学センター
  • 検証対象:トリコスポロン(Trichosporon)、クロカビ(Cladosporium)、カンジダ(Candida)
  • 検証装置:ナノイー(帯電微粒子水)発生装置
  • 検証方法:45 Lの試験空間にて、床面から10 cmの位置にナノイー(帯電微粒子水)発生装置を設置
    検証対象が入ったシャーレを設置し、ナノイー(帯電微粒子水)を所定時間照射後、生菌数と走査型電子顕微鏡による形態観察を実施
  • 検証結果:ナノイー(帯電微粒子水)を照射したトリコスポロンの生菌数を確認した結果、99%以上の殺菌効果を確認できた。また、形態観察の結果、細胞壁破壊と内容物の漏出による殺菌メカニズムが作用していることを確認できた。

図3. ナノイー(帯電微粒子水)照射後の病原カビの生菌数

図4. ナノイー(帯電微粒子水)照射後の病原カビの形態変化

図5. ナノイー(帯電微粒子水)照射後の病原カビ(出芽細胞)の形態変化

図6. ナノイー(帯電微粒子水)照射後の病原カビ(分節細胞)の形態変化

■大阪公立大学 名誉教授 向本 雅郁氏のコメント

画像:大阪公立大学 名誉教授 向本 雅郁氏

トリコスポロンをはじめ過敏性肺炎を引き起こすカビは、他のカビと同様に高温多湿な環境を好み、一般家庭にも発生する身近な存在です。そのため、過敏性肺炎もまた、私たち生活者の誰もが発症する可能性を持っています。特にコロナ禍以降に増えた在宅ワーカーや、日常的に家にいる時間の長い主婦は、リスクが高まると言えるでしょう。そんな過敏性肺炎に対して、ナノイー(帯電微粒子水)技術の病原カビに対する抑制効果を実証できたことの意義は大きいと思います。

■ナノイー(帯電微粒子水)の発生原理

霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向き合う対向電極の間に高電圧を印加することで、OHラジカルを含んだ、約5~20 nmの大きさのナノイー(帯電微粒子水)が発生。(図7)

図7. ナノイー(帯電微粒子水)発生装置

※1 過去に検証済のクロカビ、カンジダに、今回検証を行ったトリコスポロンを加えた3種
※2 過敏性肺炎の患者30名を対象としたアンケート調査の結果(パナソニック調べ)
※3 参考:Ando M, et al: Japanese summer-type hypersensitivity pneumonitis: Geographic distribution, home environment, and clinical characteristics of 621 cases. Am Rev Respir Dis 144:765-769, 1991.
※4 [プレスリリース]帯電微粒子水「ナノイー」のカビへの効果検証~ハウスダストなどに含まれるカビの成長とカビアレル物質の抑制効果を実証~(2011年9月14日)https://www.panasonic.com/content/dam/Panasonic/Global/consumer/nanoe/ja/topics/newsrelease_110914.pdf
※5 [プレスリリース]カビを空洞化し、殺菌 ナノイー(帯電微粒子水)技術による不活化作用機序の一部を解明(2023年5月30日)https://news.panasonic.com/jp/press/jn230530-1

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パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
ビューティ・パーソナルケア事業部 デバイスビジネスユニット
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