2024年11月15日
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パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、大阪公立大学大学院 獣医学研究科 向本雅郁教授との共同研究において、ナノイー(帯電微粒子水)の照射による真菌(カビ、酵母)の不活化は、細胞壁の破壊と、それに伴う内容物の漏出が一因であることを初めて明らかにしました。
私たちの生活空間には多くの真菌が存在しています。真菌の多くは増殖のために大気中に胞子を放出していますが、胞子は非常に小さいため大気中を浮遊していても目で見ることはできません。そして、新たな場所に着床した胞子は生育に適した環境になると発芽して増殖します。真菌は私たちの生活空間では、水回りの湿ったところ、さらに栄養(有機物)が存在する場所で増殖しやすく、環境汚染菌となります。また、一部の真菌は疾病の原因にもなるため、増殖した真菌の除去だけでなく、増殖の予防も重要です。
当社は、ナノイー(帯電微粒子水)技術を用いて、2011年9月、屋内に存在する8大カビに対する抑制効果※2を実証しています。さらに、真菌を「有性器官の形質」と「形状」により分類し、カビ、酵母を中心に分類別に選定した種において検証を実施した結果、全ての種でナノイー(帯電微粒子水)による99%以上の抑制が確認できました。これにより、分類に属する未検証の真菌への抑制効果が示唆されました。しかし、ナノイー(帯電微粒子水)が真菌に対してどのような影響を与え、抑制しているのかは明らかになっていませんでした。
今回、不活化機序の解明を目的に、ナノイー(帯電微粒子水)照射による形態変化を観察しました。その結果、異なる分類の真菌3種いずれにおいても、細胞壁の破壊と、それに伴う内容物の漏出が確認され、これが真菌の不活化機序の一部であると示唆されました。さらに、真菌が不活化されない程度にナノイー(帯電微粒子水)を照射した後に放置すると、生菌数は時間の経過とともに有意に減少する様子が観察されました。ナノイー(帯電微粒子水)により損傷を受けた真菌は、照射し続けなくても損傷が広がって不活化に至るという機序が示唆されたのは今回が初めてであり、ナノイー(帯電微粒子水)技術の応用のさらなる拡大が期待されます。なお、今回の検証は密閉された試験空間での結果であり、実使用空間における効果を検証したものではありません。
パナソニックは、今後もナノイー(帯電微粒子水)技術の可能性を追求するとともに、安心安全な空間の提供を通じて、社会に貢献していきます。
ナノイー(帯電微粒子水)は、形状や細胞壁の構成成分に関わらず、形態変化を伴った不活化効果は細胞壁の破壊による内容物の漏出が原因であることが、2種のカビ、1種の酵母を使用した研究で証明されました。また、ナノイー(帯電微粒子水)を一定時間照射して損傷を受けた真菌は、ナノイー(帯電微粒子水)を照射し続けなくとも、細胞壁の損傷が広がって不活化に至ると考えられます。
霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向き合う対向電極の間に高電圧を印加することで、OHラジカルを含んだ、約5~20 nmの大きさのナノイー(帯電微粒子水)が発生します。(図4)
※1 カビ2種類(クロカビ、コミケカビ)で検証
※2 【プレスリリース】帯電微粒子水「ナノイー」のカビへの効果検証~ハウスダストなどに含まれるカビの成長とカビアレル物質の抑制効果を実証~
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
ビューティ・パーソナルケア事業部 デバイスビジネスユニット
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