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2016年9月29日
製品・サービス / プレスリリース
8K映像が伝送可能な最大速度1ギガbpsの高速モデム
ワンチップで用途に応じてモード切り替えが可能
パナソニック株式会社は、これまでIPライセンスを提供してきた高速電力線通信「HD-PLC」(注1)に関し、通信速度を現行の最大4倍まで拡張できるスケーラブルな「HD-PLC」IPコア(「HD-PLC」Quatro Core)のライセンスを新たに追加して、その提供を10月1日より開始します。
「HD-PLC」は、電力線や同軸線を通信線として用いるもので、新たに通信ケーブルを張ることなく、有線による安定した最大速度240Mbps(物理速度)のネットワーク通信を可能にします。当社は広帯域電力線通信の国際規格であるIEEE 1901(注2)対応の「HD-PLC」Completeのライセンス提供を2010年より行ってきました。その活用用途は幅広く、家庭用LANとしての活用から、最近ではIoT需要の高まりから、産業用途や社会システムの通信インフラとしての活用へと広がっています。このような中、お客様からは、更なる高速性や長距離化など、技術的な進化に対する要望を頂き、LSI企業様からは、お客様のニーズに合わせ、カスタマイズしやすいIP コアの提供への要望を頂いていました。
今回発表の「HD-PLC」Quatro Coreは、これらの期待に応えるために開発したものです。新しい機能としては、IEEE 1901完全準拠の「HD-PLC」Completeと互換の標準モードを持ち、利用通信帯域を標準モードの2倍、4倍と2段階で広げることが可能となっています。これにより、2倍モードでは、500メガbpsの通信速度を実現し、同軸線利用を前提とする4倍モードでは、最大1ギガbpsの通信速度を実現します(500メガbps、1ギガbpsは物理速度の理論値)。また、新たにチャンネルの概念を導入することが可能です。特に、監視カメラシステムのように、複数の通信ケーブルがまとめて配線されているような環境においては、ケーブル間で干渉が生じ、通信速度の低下を招く場合がありました。チャンネル機能により、干渉が少ないチャンネルを選択することで、安定した通信が可能となります。通信速度の向上により、今後普及が期待される4K/8K映像伝送の関連アプリケーションへの対応が容易となります。
さらに、この「HD-PLC」Quatro Coreは、利用通信帯域を標準モードの1/2倍、1/4倍の、2段階で縮小することもできます。通信帯域を縮小させると、通信速度は低下しますが、狭い帯域にエネルギーを集中させることで、標準モードの最大約2倍の通信距離を実現するという利点が得られます(最大通信距離は通信環境の条件で変化)。モードを切り換えることにより、お客様の特殊なニーズにも柔軟に対応することが可能となり、「HD-PLC」の活用範囲が広がります。
当社は今後、「HD-PLC」をIoTの基盤技術と位置付け、「HD-PLC」技術の更なる進化に向け、開発を行ってまいります。また、従来の通信手段では対応が困難であった分野におけるソリューションとして、お客様に「HD-PLC」の活用メリットや利用ノウハウなどを提案し、「HD-PLC」の更なる普及拡大を図ってまいります。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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