2024年10月17日
- サステナビリティ
- プレスリリース
パナソニックグループは、2024年1月9日から12日まで米国ネバダ州ラスベガスで開催された「CES 2024」に出展。「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指し、グループ共通戦略として掲げる「地球環境問題の解決」と「一人ひとりの生涯の健康・安全・快適」の両立に基づく、「パナソニックグループが思い描く将来のくらし」を紹介した。
パナソニックグループは「Create Today. Enrich Tomorrow.」をコンセプトに出展。地球環境問題の解決とより良いくらしの二つの領域にまつわる展示を展開した。
具体的には、「Sustainable Energy(CO2排出削減)」「Circular Economy(循環型モノづくり・サーキュラーエコノミー型事業)」「Resource Optimization(資源利用の最適化)」の三つのカテゴリーで、グループが思い描く将来のくらしとその実現に向けた取り組みを紹介。
その他にも、一人ひとりの「くらしの質」の向上につながる最新の製品やソリューションを展示、原材料削減や自然由来の素材の活用などサステナビリティに配慮した事例も紹介した。
パナソニックグループは毎年、会期の前日にプレスカンファレンスを実施している。2022年にはグループCEOの楠見が、グループの長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」(以下、PGI)をビデオメッセージで発表。自社のCO2排出量削減に加え、社会におけるCO2削減貢献量の拡大を宣言した。今回は環境部門、ブランド・コミュニケーション担当のキーパーソンが登壇、PGIの現在地について発信した。
両者は「企業は各国政府が設定するCO2削減目標の達成に大きな役割を果たすだけでなく、人々の『より良いくらし』の実現にも貢献する責任がある」と言及。パナソニックグループはPGIを掲げてカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに寄与する事業も推進することで、地球環境問題の解決に挑み続けていることを強調した。
壇上では、PGIが掲げるゴールの一つとして、自社バリューチェーンにおいて2050年に向け、現在の世界のCO2総排出量の約1%(≒3億トン)の削減インパクトを目指していることを説明。これまでの成果として、2022年度に「CO2ゼロ工場」が31工場に達し、中でもパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社のグローバル全14拠点でゼロ化を実現している点や、2022年度スコープ3(※1)の排出量が939万トン削減(※2)となったことを挙げた。削減貢献量については、グループ全体で約3,700万トンに達しており、2030年には9,300万トンの達成を目指すことを強調した。
※1 温室効果ガス(Green House Gas)排出量の算定・報告の基準であるGHGプロトコルによる区分の一つで、顧客の製品使用ほかに伴うCO2排出量のこと。
※2 2020年と同一対象範囲。
上原は、2023年5月のG7広島サミット首脳会合の成果文書に削減貢献量の意義が明記されたことにも触れ、パナソニックグループが今後も社会をリードし、削減貢献量の概念の確立やルール策定、さらには世界全体への浸透に貢献する意思を表明した。
プレスカンファレンスでは、PGIが掲げるCO2削減貢献や、サーキュラーエコノミーの推進に寄与するさまざまな商品や技術、ソリューション、さらにはイノベーションが紹介された。パナソニックグループブースでは、それらの多くが「グループが思い描く将来のくらしとその実現に向けた取り組み」として、以下の三つのコーナーで披露された。
家から社会へと電化を広めることで、再生可能エネルギーを最大限活用した自立分散型のエネルギー社会を目指すことを訴求。併せて、くらしの電化や再生可能エネルギーの活用、自立分散型のエネルギーマネジメントの実現などに貢献する製品・ソリューションを紹介。
入り口には「くらしの電化により再エネ発電を増やし、エネルギーマネジメントを家・工場から街へ広げる」という流れをジオラマとプロジェクションマッピングで表現。実際の取り組みや技術・商品も展示した。
投入資源を最小限に抑える工夫や、製品を長く使える仕組み・サービスにより、環境負荷の少ない循環型のくらしを加速する取り組みを紹介。グループのモノづくりの考え方についても、イメージ映像で発信した。
自然生態系のポテンシャルを生かして、これまで無駄になっていた廃棄物やCO2などの資源を価値のあるものに変える技術や取り組みにより、地球環境への負荷を軽減しながら豊かなくらしへの貢献を目指す企業姿勢を訴求。
バイオCO2変換
大気中のCO2を用いて、光合成微生物の一種(シアノバクテリア)から農作物の成長を刺激・補助する成分を生成・抽出するバイオCO2変換の技術を紹介。
kinari(高濃度セルロースファイバー成形材料)
kinariは、間伐材や廃材などの植物資源から抽出したセルロースファイバー(植物繊維)を高濃度(55%)で樹脂に複合した、成形可能なペレット状の素材。従来の樹脂と同様に、成形・着色・加工が可能で、さまざまな製品への応用が期待されている。2024年1月から、バイオマス度90%以上の「kinari」のサンプル販売および「kinari70-PP」の量産販売も開始 。今回、北米では初の展示となった。
パナソニック ヨーロッパ GX推進 ジェネラル・マネージャー、Markus Reichling(マルクス・ライヒリング):
「パナソニックグループブースでは、来場者の皆さまに、いかにグループが脱炭素、そしてサーキュラーエコノミーに取り組んでいるかを、製品やソリューションを通じて分かりやすく説明したいと考えていました。そのためにブースでは、私たちがどのように事業で変革を実践しているか、出展コンセプトである『Create Today. Enrich Tomorrow.』とはどういうことかの具体事例を示したのです。パナソニックが『変わる』プロセスや提供するソリューション、そしてそれらが皆さまのくらしを持続可能にする可能性を秘めていることを、ご理解いただけると感じています」
そのほかパナソニックグループブースでは、調理・美容家電やAV・LUMIX、車載、メタバースなど、「くらしの質」の向上につながる最新の製品やソリューションも展示。これらの中にも、グループの環境配慮への思いが込められている。
例えば、電子レンジでは、ゼロ・プラスチック梱包を採用している点を紹介。「Circular Economy」展示でも登場した欧州・北米市場向け理美容商品の「MULTISHAPEシリーズ」は、一つのボディに5種のヘッドが着脱可能という合理的なシステムのアイデアで環境負荷低減に貢献している。2024年度秋に北米で発売予定の4種の新たなアタッチメントを披露し、さらなる進化をアピールした。従来のシェーバーに比べて70%小型化したラムダッシュ パームインは、海水由来のミネラル成分から生まれた素材NAGORI®を採用することで、樹脂の消費を抑えるだけでなく、陶器のようなユニークな手触りを実現している。
パナソニックグループブースそのものも、リユースした展示什器(じゅうき)や、環境に配慮した素材を使用、展示ブース全体で環境負荷の低減を目指した。展示台の一部には、最大85%の植物繊維(セルロース)を含む植物ベースの高濃度セルロースファイバー成形材料「kinari」を用いたジョイントを使用。同展示台は今回のCES 2024だけでなく、今後開催される他の展示会でも使用する予定にしている。
またブース内の垂れ幕には、米国のNPOと協働し、自然由来で環境に配慮した布地を採用。さらに、約6μm(マイクロメートル)の微細ミストを2流体ノズルから生成する「シルキーファインミスト」は、環境に配慮しながら夏季の冷却や、幻想的な空間演出を行うことが可能。CESではプレスカンファレンスのほか、ブースの演出に採用した。
パナソニック オペレーショナルエクセレンス 北米社 マーケティング広報部門 ブランドマーケティング・クリエイティブサービス ダイレクター、Mike King(マイク・キング):
「今年のブースでは、あらゆる面でサステナビリティを織り込んだ提案を行い、来場者にPGIの意義を感じていただけるストーリー提案を意識しました。消費者のライフスタイルにマッチした製品から資源の最適化、kinariジョイントまで、CO2排出量の削減や、資源の保護、環境保全に貢献するさまざまな方法に焦点を当てました」
会場で上原は次のように述べた。「CESはテクノロジーの祭典でもあり、テクノロジーでくらしがいかに変わるかという点が注目される。しかし私たちパナソニックグループは、その提案だけに留まらない。私たちの次の世代が安心して地球でくらせる未来を創るために、地球環境問題の解決に向けた取り組みは避けることのできない使命です。私たちは人、社会、地球に対し、包括的なウェルビーイングを提供していきます」
「幸せの、チカラに。」をブランドスローガンに掲げるパナソニックグループ。
2024年も、お客様一人ひとりの幸せの、チカラになるために、グローバルでサステナビリティに貢献するための挑戦を続けていく。
期間:2024年1月9日(火)~12日(金)
場所:Las Vegas Convention Center(LVCC)Central Hall ブース#17609
出展規模:1,412㎡
記事の内容は発表時のものです。
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