続けて神保氏は「H2 KIBOU FIELDにおける純水素型燃料電池、太陽電池、蓄電池の3電池連携は相当難しいのでは?」と質問。これに対しては次のように述べた。
「安定的に利用するために開発したのがコア技術となるEMSで、エネルギーを使う分だけ創る制御がポイント。実証でのデータが豊富になればなるほど、需給マッチングの精度が高まってきます。現状でも98%まで必要な分だけ創れるようになってきました。このように、エネルギーのムダがないのも魅力です。これを実現できれば、事業化に向けて大きな一歩になります」(真鍋氏)
パナソニックが提供するRE100ソリューションは、「顧客条件に合わせた価値提供」ができることも特徴だという。
「太陽電池と蓄電池だけで良いのではないかと一般的には思われていますが、水素の長所はエネルギー密度が非常に高い点にあります。太陽電池だけでそれなりの電力需要を賄おうとすると広大な敷地が必要になりますし、何より出力の不安定さがネックです。そこに純水素型燃料電池を組み合わせることで設置面積が7分の1、イニシャルコストが3分の1ほどになります。
純水素燃料電池は家庭用燃料電池コージェネレーションシステム『エネファーム』を応用しているので非常にコンパクト。1台当たりの出力は5キロワットで、草津拠点では99台を連結しています。お客様によっては5キロワット単位でカスタマイズできますし、設置場所に形状で制約がある場合でも柔軟にレイアウトも変えられます。メンテナンス時にも一部の燃料電池を止めつつ連続稼働しながら細かな調整ができますから、結果的に電池寿命も長くできるのではないかと検証しているところです」(真鍋氏)