パナソニックグループには素晴らしい価値観があり、その一つに社会貢献(CSR)の取り組みがあります。私自身、社会貢献を重視しているので、パナソニックグループの姿勢には大いに共感しています。共にSTEM教育のプログラムを発展させ続け、米国だけでなく、日本や世界中のたくさんの若い学生が先生や仲間たちと共に科学・技術・工学・数学を学び、熱中できるようにサポートしたいと考えています。また、パナソニックグループの取り組みや活動が、実社会でどのように役立っているかについても、楽しく、ワクワクするような方法で紹介しようとしています。
プログラムを通して、これらの授業をたくさんの生徒たちに届けることで、将来あるいは今すぐにでも偉大なことができるようになるのではと期待しています。
福澤:未来の子どもたちに向けてのSTEM教育を通じて、どんな幸せ、あるいは理想の社会を実現したいですか。
レデッキー選手:STEM教育を通じて、一人でも多くの子どもが、科学や技術に関わるキャリアに進んだり、興味を持ったりするきっかけをつくることができれば、私にとってそれ以上にうれしいことはありません。子どもたちが何かを学んだときに見せる、あのパッと輝く表情や、興奮する姿は本当に素晴らしいものです。
子どもたちが一生懸命に楽しみながら勉強し、先生から、パナソニックグループから、そして私から、できる限り多くのことを学べるようにしたい。そして、学ぶことは日々たくさんあるということを伝えていきたい。
今日のほとんど全ての仕事に技術や科学が関わっており、私たちはそれらの素養を持つ必要があります。それをできるだけ多くの子どもたちに伝えることが、より良い未来を築くことにつながると信じています。
福澤:アスリートと教育者という二つの側面で活躍されていますが、そこにつながるきっかけやターニングポイントとなった出来事、価値観が変わった瞬間はありますか。
レデッキー選手:ターニングポイントがあったかは分かりませんが、私は良い教育を受けることや、学校の勉強やスポーツに一生懸命に取り組むことを常に大切にする家庭で育ちました。日々、学びを大切にする中で、素晴らしい先生との出会いもあり、科学や数学が好きになりました。特に水泳はタイムを競うスポーツですから、時計と数字について考えることが大好きでした。そのおかげで、STEM教育に真剣に取り組み、楽しみ、クリエイティブに考え、教室でもベストを尽くそうと思うようになったのだと思います。
福澤:教育を通じて学んだことのうち、競技にプラスになったことはありますか。
レデッキー選手:教室で学んだことの多くが、水泳選手としての生活に生きていると思います。一番はバランス。勉強と水泳を両立させることで、時間の管理方法や自己管理について学びました。宿題を終わらせ、早寝早起きして水泳の練習に臨むなど、両方で成功するために毎日のスケジュールをきちんと立てていました。人生の二つの側面を責任感を持って両立させることで、多くのことを学んだと思います。