福澤:パラ陸上の魅力や面白さはどんなところにありますか。
保田:一つは、選手それぞれにすごいドラマがあるところですね。みんな何かしらの困難を乗り越えてきた人ばかりなので、その経緯を知って競技を見ると、選手の生きざまにも引き込まれると思います。もう一つは、「多様性」。障がいの部位や程度によって細かくクラスが分けられるため、すごく種目数が多くて、100メートルだけでも男女合わせて30種目以上あります。それぞれが持っている能力を最大限生かした競技というのが魅力で、例えば、視覚障がいの選手だと、暗闇の中で音だけを頼りに走り幅跳びを跳ぶ。義足や車いすの競技では、身体の一部となる競技用具をいかに使いこなし、パフォーマンスを最大化できるかが勝敗を分けます。そんな「身体とテクノロジーの融合」も見どころの一つです。どれも実際に生で見ると、すごく迫力があって面白いので、ぜひ多くの方に試合会場で観戦していただきたいですね。
福澤:パラ陸上が保田さんに与えてくれたものは何でしょうか?
保田:パラ陸上を始めてから本当に多くの出会いがあり、貴重な経験ができています。義足にならなかったら知り得なかった世界。そういう意味では、義足が色々な所に連れて行ってくれているなと感じています。
福澤:陸上のみならず、いろいろな活動をされていて、すごくエネルギッシュですよね。ポジティブマインドは保田さんの強みだなと感じます。