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2025年10月7日
企業・経営 / プレスリリース
「ノモの国」の来館者が目標の45万人を達成
パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)が2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)に出展中のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」は、2025年10月5日にα世代の子どもたち10万人以上を含む来館者数が目標の45万人を達成しました。子どもたちやパートナー企業との共創を通じて得られた技術・知見は、今後の社会実装に向けたレガシーとしていかしていきます。また、YouTube上で公開している「オリジナルアニメ(※1)」は130万回以上再生され、「ノモの国」の世界観を多くの方々に伝えることができました。
パナソニックグループは、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を掲げ、100年以上にわたり社会課題の解決と人々のくらしの向上を目指して事業活動を展開しています。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博において、「ノモの国」は、創業者である松下幸之助の「人には一人ひとり異なった天分があり、成功とはその天分を完全にいかしきること」という考えのもと、出展コンセプト「解き放て。こころと からだと じぶんと せかい。」を策定。α世代の子どもたちに、人と自然が循環する世界の中で自分自身の可能性に気づき、未来に希望を抱いてもらいたいという思いを込め、「Unlock your nature」をタグラインとして出展しています。
パナソニックグループは万博という機会を共創の場と位置付け、主に「次世代共創」と「事業共創」の2軸で、α世代の子どもたちや多様なパートナー企業との新たな接点を創出するとともに、社会実装に向けた技術開発やアイデア、ノウハウ、知見の蓄積を進めてきました。
パナソニックグループは、今回の大阪・関西万博をきっかけに生まれた次代を担う子どもたちとの共創やパートナー企業との新たなつながり、パビリオンの体験に限らず多面的なアプローチによって子どもたちはもとより、グループ社員も含め一人ひとりを「Unlock」するノウハウ、さまざまな事業共創によって研究開発が加速した技術やアイデア、知見などの共創の成果をレガシーとして社会に実装し、人と自然が循環し一人ひとりの天分がいかされる社会の実現を目指していきます。
「ノモの国」のUnlock体験エリアでは、パナソニックグループが長年培ってきた「ひとの理解」研究や、音・光・風・振動など五感を刺激する「空間演出」技術を活用し、子どもたちの個性や可能性を解き放つ体験を提供しています。その体験を、子どもたちにとって楽しく、分かりやすく、思い出に残るものにするため、万博開幕前からα世代の子どもたちを対象にしたプレ体験などを行い、さまざまな気づきを得ながら、子どもたちと一緒に「ノモの国」の体験をつくってきました。
また、万博本番に向けて、行動特性から個人の感性を分析して32パターンに分類するアルゴリズムを開発。無線タグ(RFID)やカメラによって一人ひとりの行動を独自開発した感性モデルで分析し、表情データから感情を分析した結果と掛け合わせることで、子どもたち一人ひとりに秘められた力や可能性をストーリーとして「蝶」のモチーフとともに描き出しています。会期中、45万人以上に体験いただく中で得られた知見は、「ひとの理解」研究で発展させ、個人の特性に合わせた情動誘導(※2)のためのモデルとして活用していきます。
※2 外部感覚刺激を通じて、リラックス、集中、創造的といった望ましい心理状態に導くこと
2022年から、さまざまな共創活動を通じて子どもたちと「ノモの国」をつくる「ノモのコプロジェクト(※3)」を推進し、「Unlock」する機会を創出してきました。このプロジェクトには延べ1万人を超える子どもたちや学生が参加。体験コンテンツやファサードの照明演出の制作、バーチャルワールドの作品展示、お客様に配布する端材を活用したノベルティ制作、移動困難な障がいのある方に向けた「ノモの国」UDツアーなどにおいて、大人とは異なる子どもたちならではの視点や想像力、アイデアが実装されました。
2025年9月末に実施した来場者出口アンケートでは、とくに結晶をかざす、葉っぱ型デバイスであおぐなどの能動的な体験が好評で、98%の子どもたちやそのご家族が満足と回答し、「楽しかった」「面白かった」「新しいことに挑戦したくなった」「今取り組んでいる部活や勉強をもっと頑張りたい」といった前向きな声が多数寄せられました。
この取り組みは参加した子どもたち自身の心に残る体験になると同時に、パビリオンを体験する同世代の来場者などの満足度向上にもつながっています。
子どもたちとパナソニックグループの新たな接点を創出し、それぞれのUnlockを実現することを目的に2025年4月に立ち上げた「Unlock FRプログラム(※4)」は、さまざまな分野で夢中になっている大人と子どもたちをつなぎ、子どもたちには「好き」や「興味」を探求する機会を、大人には子どもたちとのコミュニケーションを通じて新たな気づきや発見につながるきっかけを提供しています。具体的には、子どもたちが夢中を見つけるきっかけとなるコンテンツを提供するオンライン型探求プログラム「ミート・ザ・ムッチュー人」では、2025年4月~9月の間に40回のオンラインセッションを実施。パナソニックグループの事業会社から選出した13名の社員を含む合計64名の社内外のムッチュー人が登壇し、参加者は1,200名を超えました(※5)。また、子どもたちのUnlockにつながる「好き」や「興味」を探求する対面での「スクール型ワークショップ」では、パナソニックグループの事業会社5社10部門と連携し、会場内外でのUnlockをテーマとしたワンデイイベントを19回開催。子どもたちによる17個のプロジェクトが立ち上がり、子どもたちや保護者861名をUnlockしました。
このようなプログラムをきっかけに生まれた新たな接点や多面的なアプローチによって、子どもたちだけでなく、グループ社員も「Unlock」するノウハウは、閉幕後もパナソニックグループ内で横展開を図っていきます。
※4 https://news.panasonic.com/jp/press/jn250414-1
※5 https://news.panasonic.com/jp/stories/17833
人と自然がつながり巡り合う「720°の循環」をテーマにした展示エリア「大地」では、パナソニックグループが研究開発中のガラス型ペロブスカイト太陽電池、ノビテク(植物成長刺激剤)、kinari(植物由来成形材料)、バイオライト(発光バクテリア)など、さまざまな共創によるアイデアや自然エネルギーを活用した技術を展示しています。閉幕後は社会実装に向けた取り組みを加速していきます。
ガラス型ペロブスカイト太陽電池は、独自の材料技術やインクジェット塗布製法、レーザー加工技術を組み合わせることによって実現した、サイズや透過性、描画の自由度の高さが特長です。今回の展示では株式会社ヘラルボニーとのコラボレーションにより初めてアート模様を施したペロブスカイト太陽電池のプロトタイプを制作(※6)し、複雑な描画を表現しました。国内外のデベロッパーからの引き合いが多数あるなど、高い注目を集めました。2026年度からテストマーケティングを行い、市場性を見極めながら事業化を目指していきます。
植物の光合成代謝を活性化する成長刺激剤「Novitek(ノビテク)(※7)」は、農業への社会実装を目指し、2022年度より全国の協力農家とトマト、とうもろこし、ほうれん草などの野菜に対する効果検証を実施し、収穫量の増加とともに、秀品率の向上が図れるという検証結果を得ました。今回の万博では野菜や観葉植物など新たな品目を追加し、23種類の効果検証を実施することで、新たなデータの獲得につながりました。また、来館者からのフィードバックにより、家庭菜園への活用など、一般消費者の新たなニーズの把握にもつながりました。2025年4月から共創パートナーの住友化学株式会社が農業生産者への大規模なサンプルワークを実施しており、2026年度中の販売開始を目指しています。
リサイクル性・生分解性を兼ね備えた植物由来の素材であるkinariは、家電筐体や車載機構部材への展開を目指すほか、社会実装に向けた取り組みとしてアサヒビール株式会社と共同開発した「森のタンブラー(※8)」のテスト販売や福知山市と共同で学校給食食器の製品化(※9)を行ってきました。今回の万博ではジーンズやカカオハスクなど新たに7種類の廃材の材料化を図るとともに、今回初めて大型3Dプリンターによる大型造作を実現し、オブジェを制作。共創パートナーである株式会社積彩と共同で空間デザインにつながる大型インテリア・什器などの新規用途の開拓を進めており、2025年度に完成予定のパナソニックHD技術部門「西門真新棟」にも採用します。
※8 https://news.panasonic.com/jp/press/jn210308-1
※9 https://news.panasonic.com/jp/press/jn230825-2
発光バクテリアの細胞内にある酵素が生み出す優しいあかり「バイオライト」は、次世代照明システムとしての中長期的な展開を目指し、半年という万博期間をいかして、最適な発光条件や長期培養条件、システム構築につながるデータを取得。今回の展示による実証実験を通じて、発光バクテリアの培養条件を確立するとともに、共創パートナーである東京工科大学と共同で「The Journal of General and Applied Microbiology」に技術論文を投稿し、発光バクテリアの培養に関する技術特許を2件出願しました。今後は非熱・非CO2排出型バイオ照明技術として更なる技術革新や新たな用途開拓を進めていきます。
NTTアノードエナジー株式会社とパナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、万博会場において、未来社会での水素サプライチェーンモデルを実装(※10)しました。NTTパビリオン内で太陽光発電の電力をはじめとするゼロカーボン電力由来の水素を生成し、約200メートル離れたパナソニックグループパビリオンに地中パイプラインを通して供給。パナソニック製純水素型燃料電池を用いて発電した電力はパビリオン内や夜間ライトアップ等で使用しています。半年間、システムが協調して安定した電力を安全に供給することを検証できたことで、水素がくらしのインフラとしてパイプラインで供給される未来社会の実現に向けて推進するモデルとなりました。
また、大阪・関西万博の「地球の未来と生物多様性ウィーク」中に開催されたプログラム「水素パーク!!」(期間:2025年9月22日~25日)と連携し、関西の水素関連3施設(水素発電所・液化水素受入基地・クリーンエネルギー活用工場)を水素バスや水素燃料電池船で巡り未来の水素社会を体感するツアーを川崎重工業株式会社・岩谷産業株式会社・パナソニック エナジー株式会社の3社で共同開催(※11)。このツアーには、国内外ビジネスパートナー、政府関係者、高校生など約300人が参加し、多くの反響がありました。さらに「ノモの国」としては「水素パーク!!」が実施したエネルギー関連パビリオン3館(NTT、電力館、ノモの国)を巡る親子向けツアーやスタンプラリーにも協力し、実現しつつある水素社会を多くの方に身近に感じてもらいました。
パナソニックは万博で得られた知見やパートナーシップを活かし、水素社会の実現に向けた取り組みを国内外で加速しカーボンニュートラルの早期達成に貢献していきます。
※10 https://news.panasonic.com/jp/press/jn250407-4
※11 https://news.panasonic.com/jp/topics/206422
パナソニックグループは、東京製鐵株式会社や三菱マテリアル株式会社と連携し、パビリオン建築に利用した家電リサイクル鉄や銅を再びパナソニックグループ製品の材料として活用する取り組みなど、さまざまなパートナー企業との連携によって建築部材の再利用・再資源化を徹底し、廃棄物の最小化を図ることで、建築物における99%以上のリユース・リサイクル率および廃棄率1%未満を実現します(※12)。今回新たに応接室で使用している工場から出た端材・廃材を活用したアップサイクル製品(円盤照明、PALM LOOP®ボードを用いた家具、プリズムシート照明)やパビリオン内で使用した設備機器などについてもパナソニックグループ内や新たな場所でリユースすることが決まりました。今回の取り組みを通じて得た新たな知見やノウハウをいかすことでパナソニックグループが掲げる長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」の実現に向けた取り組みを加速していきます。
【パナソニックグループ大阪・関西万博公式サイト】
https://holdings.panasonic/jp/corporate/expo2025.html
【ノモの国ウェブサイト】
https://the-land-of-nomo.panasonic/
記事の内容は発表時のものです。
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