2024年12月19日
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【訂正】2023年7月6日
動画2本を掲載致しました。
2023年6月27日
技術・研究開発 / プレスリリース
AIとロボティクス技術によるリサイクル工場の自動化
循環型社会へ向けた製品分解技術
パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)マニュファクチャリングイノベーション本部は、パナソニック エコテクノロジー関東株式会社(以下、PETEC関東)および三菱マテリアル株式会社(以下、三菱マテリアル)と協力し、サーキュラーエコノミーの取り組みとして、エアコンの分解工程において、室外機をロボットで分解する「エアコン外装自動分解設備」と分解に必要な情報を蓄積する「分解データベース」による「エアコン室外機外装自動分解システム」を開発しました。
パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、CO2排出量の削減を目指し、事業活動に取り組んでいます。また取り組みの一環として、本件のようなサーキュラーエコノミーの領域の活動も積極的に推進しています。昨今の地球環境に関わる資源問題の観点から、つくる責任つかう責任(SDGsゴール12)が国連の開発目標として定められ、廃棄物の発生を大幅削減すること、限りある資源を有効に利用すること、が世界的に求められています。
一般家庭や事務所から排出された使用済みの家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)から、有用な部品や材料を回収し、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための家電リサイクル法が2001年4月より施行されて以降、リサイクル工場には数多くの使用済み家電が持ち込まれています。エアコンは年間369万台(※1)が持ち込まれ、室外機については熱交換器、コンプレッサー、制御基板などの部品を手作業により分解・回収した後にシュレッダーによる破砕、ならびに素材選別を行っています。
リサイクル工場では、使用済み家電の数量増加と将来の労働人口の減少に備えて分解工程の省人化・自動化が求められていますが、エアコン室外機は、屋外に設置されているため汚れやサビなどの付着が多いことに加えて、メーカーによって、サイズやデザインなどが異なっているため、これまで分解工程の自動化が困難でした。
パナソニックHDでは、AIを活用した認識技術と、正確な位置決め制御および人の手技を再現するロボット制御技術を用いてエアコン室外機外装のビス外しとカバー外しを自動で行う「エアコン外装自動分解設備」を開発しました。またPETEC関東および三菱マテリアルと協力して分解ラインに投入されるエアコン室外機の情報を型番ごとに蓄積して、設備の稼働率向上など分解工程自動化における基盤となる「分解データベース」を構築しました。
「エアコン室外機外装自動分解設備」では、エアコン室外機をカメラで撮影し、汚れやサビがあるビスをAIを用いて正確に見つけ出し、ドライバーを備えたロボットアームでビスを外します。その後、人が行う動きを再現する把持ハンドでカバーの嵌め込みを外して分解します。これらにより分解工程の一部の自動化を実現しました。「分解データベース」では三菱マテリアルのAI-OCR技術によりラベルから読み取った型番と、自動分解設備から取得したエアコン室外機のビス本数や位置など分解に必要な情報を紐づけて蓄積します。「分解データベース」に登録済みとなったエアコン室外機では、ビスの誤認識によるロボットの無駄な動きを削減することで分解効率が向上します。これらにより自動分解設備を使い続けることにより、「分解データベース」への登録機種数が増え、分解動作が進化していくシステムを構築しました。
パナソニックHDは2022年度にPETEC関東での実証評価(※2)を完了し、今後は、対象機種の拡大や生産性向上の取組を進めてまいります。将来的には当社グループを含めた全国のリサイクルプラントへの普及を進めることで、持続可能社会の実現に向けた企業活動を推進してまいります。
※1:2022年度の台数(出典:一般財団法人 家電製品協会)
※2:実証評価はメーカーおよびデザインを限定
リサイクル工場の工程の自動化、生産設備の自動化など
マニュファクチャリングイノベーション本部 企画部 E-mail:midpress@ml.jp.panasonic.com
記事の内容は発表時のものです。
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