2024年12月20日
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パナソニック株式会社 空質空調社は、欧州におけるヒートポンプ式給湯暖房機(Air to Water、以下、A2W)や水循環型空調事業の成長戦略を加速させるべく、需要が伸長するA2Wのチェコ工場生産増強に追加で150億円を投じます。昨年発表済みの投資と合わせると、欧州地域への投資額は合計800億円となります。また、2023年4月1日付でHVAC欧州事業部をドイツに発足させ、開製販機能を現地化し、地域最適経営体制を構築します。
欧州では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが先行し、省エネなど環境に配慮した製品の需要が拡大すると同時に、地球温暖化防止を目的として、空調の冷媒に使用されているフロンガス規制(※1)への対応が求められています。
こうした状況下、当社は欧州を重点地域とし、事業拡大を図るため、成長戦略を加速させます。ポイントは次の通りです。
欧州への投資は、22年10月発表のA2W事業強化に向けた500億円、今回のチェコ工場増強150億円、11月発表のシステムエア社空調事業買収150億円を合わせると、合計800億円となります
チェコ工場では、拡大する需要への対応、収益力強化を図るため、新棟の延床面積を当初の計画に対して倍増し、生産設備を増強することを決定しました。さらに中期的に、A2W生産能力を更に拡大し、グローバルで100万台体制を目指します。
また、150億円を投じたスウェーデン・システムエア社空調事業(※2)の買収が2月末に完了し、今後、水循環型暖房空調事業を更に強化します。製造はフランス、イタリア工場で行い、家庭用から業務用までの給湯、暖房、空調を全てラインアップし、多様なニーズに応じたソリューション提案が可能になりました。
A2Wなど急拡大する、環境に配慮した水循環型暖房空調市場に、迅速かつ柔軟に対応するため、HVAC欧州事業部(所在地:ドイツ・ヴィースバーデン市)を発足します。市場の前線にマネジメント組織を設立、開製販一気通貫体制で事業競争力を高めることを目指します。
開発機能については、現地ニーズにフィットした製品・サービスの創出を目指して、R&Dセンターをイタリア・ミラノ市に新設します。家庭用及び業務用水循環型暖房空調機器、低GWP(地球温暖化係数)冷媒採用モデルの開発、クリーンテクノロジー、センシング技術、室内空気質について研究を進めます。また、クラウド開発を強化し、機器納入後のお客様向けにIoTを活用したサービス事業を拡大します。機器の遠隔監視・故障診断により管理業務を軽減、速やかな点検・修理を可能にするほか、エネルギーや空気質の見える化で、省エネと室内環境最適化を実現し、長期間にわたる、安全・安心・快適な製品の使用につなげます。
当社は今後も、これまで培ってきた技術力やモノづくり力を生かして、快適と環境負荷低減を両立した空間を提案し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
※1:モントリオール議定書キガリ改正(オゾン層を破壊するおそれのある物質だけではなく、温室効果が高いガスの生産・消費を段階的に削減することを目的とした環境条約。)や欧州Fガス規制
(フッ化している温室効果が高いガス等の放出削減を目的とした規制。)など。
※2:業務用チラー、ヒートポンプ式空調、ファンコイルユニットなどを製造販売。
記事の内容は発表時のものです。
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