2024年12月19日
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パナソニック株式会社(以下、「当社」)は、高出力青色レーザ光源の開発において、ダイレクトダイオードレーザ(以下、「DDL」)の波長合成技術(以下、「WBC」)[1]を用いて高ビーム品質[2]で世界最高出力の実証に成功しました。これによりビーム品質を保ちながらレーザ光源数を増やして高出力化する事が可能になりました。この実証は従来の青色レーザシステムと比較して二桁も高いレーザ強度への扉を開くものです。本技術は、今後自動車産業などで需要拡大が見込まれるファインプロセスの実現に貢献します。
近年自動車産業では「電動化」、「小型化」、「高剛性化」、「デザイン自由度向上」、「生産性向上」などの背景のもと、銅、金、樹脂など種々の材料でファインプロセスを実現できるレーザ加工への期待が高まっております。特に、電気自動車用のモータやバッテリーなどの銅加工においては光吸収効率の高い青色レーザ光源が強く求められています。生産性の高い加工を実現するには、高出力と高ビーム品質を兼ね備えた光源が必要となります。この光源を実現するために、当社は2013年から米・テラダイオード社(米国マサチューセッツ州;以下、「TDI」)と協業を開始して、複数の波長の異なるレーザビームを1本のビームに重ね合わせることのできるWBC技術を開発して参りました。2014年にはこのWBC技術を用いた赤外波長のDDLを搭載した世界初のレーザ溶接ロボットシステム「LAPRISS」を製品化しました*1。さらに、2017年にはTDIを完全子会社化して*2、更なるWBC技術の高出力化や短波長化に取り組んで参りました。
この度の高ビーム品質青色レーザ(波長帯域=400~450 nm)の高出力化は、複数のバーレーザ[3]に形成された100本以上のエミッターからの光をWBC技術によりビーム結合することで実現しました。本WBC技術では、複数のエミッターから放射された異なる波長をもったビームを波長に応じた角度で回折格子上に重ね、全ビームに共通な部分透過ミラーと各エミッター端面との間で共振させて1つのビームに結合します。この結果、部分透過ミラーから放射されたビームはBPP[4]が1.5 mm・mradという高いビーム品質で、135 Wの高出力を実現しました。今後は、本光源を搭載した加工システムの開発およびレーザ加工プロセスの最適化を推進していきます。
なお、本技術成果は2月1日~6日まで米国サンフランシスコにて開催されますPHOTONICS WEST 2020で発表及び出展します*3。
本研究の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」の結果得られたものです。
レーザ加工(溶接・切断等)
国内外571件(出願中も含む)
マニュファクチャリングイノベーション本部 企画部
Email:midpress@ml.jp.panasonic.com
以上
記事の内容は発表時のものです。
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