2024年10月9日
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パナソニック株式会社は、IPカメラを様々な用途のIoTデバイスとして活用する「Vieureka(ビューレカ)プラットフォーム(以下、Vieureka PF)」を開発しました。このVieureka PFは、業界で初めて※1クラウドからIPカメラ内に搭載された画像認識機能を容易に入れ替えることができるとともに、制御や動作状況の監視を可能にします。用途に合わせてIPカメラの機能をカスタマイズでき、店舗でのマーケティングや、工場での従業員の行動管理、病院・介護施設での見守りなどさまざまなシステムを実現するとともに、クラウド上でのシステム運用が容易になります。
近年、IPカメラで画像認識した結果を活用する用途開発が進んでいます。しかし、IPカメラの画像認識機能はハードウェアやファームウェアとして実装されているため、実現できる機能が限られています。また、パソコンによる画像認識機能はコスト高になるという課題があります。
Vieureka PFは、高性能CPUを搭載したVieureka対応のIPカメラを活用することで、カメラ内の画像認識機能をクラウドから容易に入替え、制御、状態監視することができます。公衆回線を通して、外出先のスマホからでもアクセスが可能です。また、このVieureka PFはパソコンを使わず、Vieureka対応カメラとクラウドのみでシステムを構築できます。
通常、IPカメラの映像データは数Mbpsと非常に大きいため、カメラの台数が多くなるほど、大容量の映像データをクラウドに送信し、画像認識を行うことが困難になります。
Vieureka PFは、カメラ内で画像認識を行い、データ量が数十バイトから数百バイトと小さい認識結果のみをクラウドに送ることで、ネットワークのトラフィックやクラウドの処理の負荷を増大させることなく、カメラの設置台数を増やすことができます。クラウド上の認識結果は、目的に応じて集計・分析・可視化(グラフ表示など)が可能です。また、画像認識機能の入れ替えにより、多用途対応を実現します。なお、クラウドだけでなくオンプレミス※3での運用も可能です。
本プラットフォームを活用した「人物検出を用いた店舗向け来客分析サービス」と「従業員入退室管理システム」を、それぞれ株式会社トライアルカンパニー様と東京フード株式会社様に納入し、ご活用いただいています。なお、従業員入退室管理システムを、6月13日~16日に東京ビッグサイトで開催される2017国際食品工業展(FOOMA JAPAN 2017)において、食品施設計画研究所ブース内で連携先のニッコクソフト株式会社より出展します。
本プラットフォームは以下の機能を搭載しています。
本プラットフォームは、ビーコア株式会社(以下、ビーコア)のカラービット技術※6、PUX株式会社(以下、PUX)の顔検出、年齢性別、人物検出機能、およびオープンソースの画像処理ライブラリを用いた各種画像認識機能の搭載実績を有しています。また、Vieureka対応カメラには、株式会社 エルモ社(以下、エルモ社)の画像認識クラウドカメラVRK-C201を使用しています。
当社は、ビーコア、PUX、エルモ社と連携してVieureka PFを活用したサービスを順次展開してまいります。
パナソニックはPUXと連携し、株式会社トライアルカンパニー様へVieureka PFと人物検出エンジンを活用した店舗向け来客分析サービスを提供しました。
・カメラ内で人物検出と年齢性別分析を実施し、その認識結果のみをクラウドに直接送信
・クラウドでは、各カメラから送信された認識結果を収集し、滞留時間、売場到達率、店内回遊率などの分析を実施
・ブラウザからクラウドにアクセスすることで、リアルタイムの来客情報を表示
出入口・各売場に設置したカメラ内で人物検出・年齢性別分析を行い、認識結果のみをクラウドに送信することにより、
・来客のプライバシーを守りながら、来客行動の可視化・定量化が24時間可能
・画像認識用パソコンが不要で、ネットワーク伝送量も少ないため、トータルコストを削減
・売場到達率、店内回遊率など複数カメラにまたがる解析により、販促効果の分析が可能
今まで、来客の各売り場への到達率や商品棚での行動把握は、属人的な経験や勘と人手をかけた調査に頼っていました。本サービスにより、これらのデータを常時、客観的に可視化することができました。これにより商品陳列の精度が向上し、商品メーカー様とタイアップした販促活動の効果も向上しました。今後、POSデータと統合した分析も進めてまいります。
小売店では主にPOS情報を利用し、購買客の行動可視化が行われていますが、昨今では、購買に至らなかった来客の行動可視化へのニーズが高まっています。今回、人物検出、年齢性別分析など高い画像認識技術を持つPUXと連携し、Vieureka PF上に店舗向け来客分析サービスを構築することで、購買に至らなかった来客の行動可視化を実現しました。今後は、人工知能技術も活用して店舗運営に貢献できるサービスの充実を図ってまいります。
パナソニックはニッコクソフト株式会社(以下、ニッコクソフト)と連携し、東京フード株式会社様へVieureka PFとカラービットを活用した従業員入退室管理システムを納入しました。
・従業員がアルコール噴霧器の傍に置かれたカメラに近づくと、名札に付けたカラービットタグのIDをカメラが認識
・従業員の入室権限に応じてエアシャワーの自動ドアを開閉制御
・各従業員の入室状況・映像をリアルタイムでモニタリング可能
名札に印刷されたカラービットタグを離れた距離からカメラで認識する構成により、
・ ICカードや生体認証による入退室管理に比べて接触感染や異物混入のリスクを軽減
・ 映像を有事の際の証跡として活用可能
・ 画像認識用パソコンが不要で、一般的な画像認識システムに比べてトータルコストを削減
食の安心安全を実現する上では、従業員の働きやすさと管理方法のバランスが重要と考えています。製造室に入室するための現状の衛生手順を崩すことなく、ストレスフリーで実現する方法として本システムを採用しました。今後、生産管理システムとの連動も考えています。
食品製造現場に有用なシステムを構築する上では、カメラ技術・画像認識といった高度なデジタル技術と、食品安全システム認証FSSC22000に準拠した管理・運用などのノウハウが必要になります。カメラ、映像技術に強みを持つパナソニックと食品製造現場に精通するニッコクソフトが連携し、ニーズにあったシステムを提供します。今後、従業員(ヒト)だけでなく在庫・機材など(モノ)にもシステムを拡張し、随時展開してまいります。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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