現場マルチネットワークサービスのイメージ図
以下は本サービスの構成要素です。
1. 無線ネットワーク
(1)ネットワークラインアップ
- ・プライベートLTE(自営等BWA注4/sXGP注5)
既に実用化済みの自営等BWAに加え、2021年6月にsXGPを発売予定。
- ・ローカル5G(Sub6・SA)
2022年4月発売予定。
なおローカル5Gについては、これまでの無線事業やコンシューマー向け携帯電話事業で培ったノウハウに基づき、ローカル用途に絞ったかたちでの構成としていく予定です。認証・セキュリティ管理、セッション管理、ポリシー制御等の機能について、必要な機能、規模に絞った仕様とすることで、コアネットワーク装置と基地局の組み合わせで従来の5分の1以下の価格での提供を予定しています。
また、キャリア網との連携も可能とする中継用リンク装置5G-GateWayは実用化済み。
- ・Wi-Fi
IEEE802.11ac注6用アクセスポイントは実用化済み。Wi-Fi6は2021年10月発売予定。
これらのネットワークが個々に機能を発揮するだけではなく、それぞれのネットワーク間を繋ぎデータのやり取りを可能とすることで、現場のニーズに合わせた最適なネットワークの提供を可能にします。
(2)ネットワークのマルチアクセス制御を実現
現状のお客様の現場では、既設のWi-Fi等と連携しつつ、LTE、5Gといった新たなネットワークを構築、導入したいという要望があります。当社は、このような複数のネットワークを統合的に管理・運用するマルチアクセス技術の開発に着手しました。
その第一段階として、複数のPLMN-ID(携帯電話の国際的な識別番号)を認証するLTEコアを2021年6月より販売を開始します。共通のLTEコアで自営等BWAとsXGP、それぞれのシステムのSIM注7を認証することができるため、これらのネットワークの統合的な管理が可能となります。これにより、例えば屋外などの広域エリア(自営等BWA)から、屋内エリア(sXGP)においてシームレスな移動が可能になります。
第二段階として、このLTEコアの開発のノウハウを活かし、2022年4月発売予定のローカル5Gにおいては、LTE・5Gに加え、SIMを搭載しないネットワーク機器(Wi-Fi等)も統合的に認証することが可能な5Gコアを導入致します。5Gコアで様々なネットワークの制御を一元管理することで、複数のネットワークを統合的に運用しつつ、通信方式が異なる端末ごとのQoS注8制御も可能となります。またネットワークの管理も一元化できるので、運用・管理コストを低減することも可能となります。
(3)当社独自の画像伝送技術
当社には、ビデオカメラなど映像機器で長年培った画像圧縮など関連要素技術を多数保有しております。この技術に加え、HDコムなどのテレビ会議システムで培った画像伝送技術を活用し、変動が大きい無線回線でも、低遅延、滑らかな画像を伝送する技術を導入致します。
5Gのような超大容量帯域にも追従可能な無線回線の帯域推定技術で、画像の圧縮率を無線回線の変動に合わせて調整することで、違和感のない滑らかな映像を実現します。
(4)電波伝搬シミュレーション技術
防災無線や業界向け無線分野に加えて、通信キャリアの伝搬シミュレーションにも対応してきた経緯から、精度の高い電波伝搬シミュレーションの実施が可能です。加えて、お客様の環境にて電波伝搬測定、周囲との干渉調査など、システムを導入する際に必要な専門知識の伴う作業支援が可能です。
2. ソフトウェア・アプリケーション
現場センシングソリューションのような画像認識やタブレット端末のアプリケーションなど、パナソニックの様々なソフトウェア・アプリケーションを提供し、現場の課題解決をサポートします。例えば、物流現場で荷分け作業の効率を上げたい場合に、カメラを通じて作業者の移動距離をセンシングしたり、仕分けする荷物側にプロジェクターで種別を投影するなど、現場に応じた様々なソリューションを提供しています。今後はローカル5Gを活かした多数のカメラセンシングや機器の遠隔操作など、様々な現場の課題解決に資するソフトウェア・アプリケーションを創出してまいります。
3. エッジデバイス
当社では、数多くのエッジデバイスを自社開発しています。将来5Gとの接続機能を搭載していく予定のエッジデバイス(タブレット端末・ウェアラブルカメラなど)や、ゲートウェイ機器をつないで5Gにつながるエッジデバイス(セキュリティカメラなど)に加え、自社に限らず様々なエッジデバイス(AGV・業務用ロボットなど)も通じてデータを取得するなどのお客様のニーズに対応していきます。
4. サポート体制
当社には、全国約70拠点に総勢1,100人の運用、保守を行うフィールドサポート体制を擁しています。また本サービスを立ち上げにあたり、提案力強化のためのネットワークコンサルタントの増強と、導入・運用におけるサポートメニューも充実させてまいります。
また、リモートサポートとして、ネットワークオペレーションセンターも2020年10月に開設し、24時間365日お客様のネットワークを遠隔で監視する体制を構築しています。そこでは、SIMカード発行/貸与から、システムアップデート、システム拡張/追加、ヘルプデスク等々 万全の体制を整えております。
ネットワークだけでなく、エッジデバイスやソフトウェア・アプリケーションの運用・保守に至るまで、END to ENDでお客様に寄り添うサポートを充実させてまいります。
【現場マルチネットワークサービス料金について】
- ・機器費用:ネットワーク構成・基地局数等の詳細については個別見積にて承ります。
- ・サポート費用:(1)導入・構築サポート...個別見積
(2)運用サポート...月額12万円より
【本サービスの提供開始時期】
2021年4月1日
4月1日サービス開始時点の提供可能機器は、プライベートLTE(自営BWA)とWi-Fiになります。プライベートLTE(sXGP)は21年6月、ローカル5Gは22年4月を発売予定としております。導入時期を見越した、事前の検討からご相談を承ります。
【サービスロードマップ】
- ・2021年度は、プライベートLTE、及びWi-Fiでのご提供を開始致します。
- ・ローカル5Gは、2022年度発売に向けコンサルティングを開始致します。
【今後の展開】
■ローカル5Gラボ(仮称)
2021年1月13日にSAシステムの実験試験局免許を取得済みで、2021年春頃よりローカル5Gを体感していただくフィールドとして公開予定です。
- 注4 LTE技術による2.5 GHz帯の周波数帯の電波を用いた企業が自らの建物や敷地内でスポット的にネットワークを構築し利用可能とした無線通信システム。地域BWAと自営BWAの2種類が存在し、今回紹介内容では主に自営BWAでの利用を示すもの。
- 注5 プライベートLTE sXGPは、自営PHSの後継機として規格されたLTEベースの通信システムで、免許不要の1.9 Ghz帯の周波数を利用するLTE方式に準拠している。2020年7月に音声サービスが終了した公衆PHSの周波数帯を活用して運用帯域の拡張が行われた。
- 注6 11nの10倍以上の高速通信が可能なWi-Fi(無線LAN)規格。2013年にWave1(第一世代)が登場し、2015年にさらに高速なWave2(第二世代)が登場した。
- 注7 加入者を特定するためのID番号が記録されたICカード。特定の通信事業者が発行したSIM以外を受け付けないように端末側にプログラムを仕込む。
- 注8 QoS(Quality of Service)はネットワーク上で提供するサービス品質。ネットワークの機器にQoSを実装することで、特定の通信を優先して伝送させたり、帯域幅を確保することができる。
▼「現場マルチネットワークサービス」のウェブサイト:
https://biz.panasonic.com/jp-ja/gemba-multinetwork-service
【お問い合わせ先】
パナソニックシステムお客様ご相談センター
電話 0120-878-410(受付:9時~17時30分<土・日・祝日は受付のみ>)