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2019年7月8日
技術・研究開発 / プレスリリース
天然由来の繊維を活用した環境配慮型の成形材料
持続可能な社会へ向けた材料ソリューションを提供
パナソニック株式会社マニュファクチャリングイノベーション本部は、植物由来のセルロースファイバーを55%以上の濃度で樹脂に混ぜ込むことが可能となる複合加工技術を開発しました。また、本開発の材料を用いた独自の成形[1]技術により、素材のもつ自然感を活かす意匠を表現することに成功しました。
昨今の海洋プラスチック問題や石油資源の枯渇・地球温暖化といった環境問題から、天然資源の効率的な利用(SDGsゴール12)や、海洋汚染の防止および大幅な削減(SDGsゴール14)が国連の開発目標として定められ、プラスチック量の削減が世界的に求められています。当社としても、2017年に「環境ビジョン2050」を策定し、 「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けた開発活動を進めております。
当社は、2015年から石油由来のプラスチック量を減らす研究開発活動として、天然由来成分であるセルロースファイバーに着目し、複合樹脂の開発を進めています※1。セルロースファイバーは一般的にパルプを水中で解繊[2]することで製造されますが、樹脂と複合化する際に乾燥させる必要があり、多大なエネルギーが必要でした。当社は、製造時のエネルギーを削減するため、水を使用せず、溶融した樹脂中でパルプを解繊する「全乾式プロセス」を開発しました。また、セルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込む複合加工技術、白色の成形材料の生成を可能にする混練[3]技術の開発に成功しました。これらの技術により開発した白色の高濃度セルロースファイバー成形材料は着色自由性が高く、また独自の成形技術により、着色剤なしでも、素材そのものを褐色化させることで色むらを制御する成形が可能となり、木質感などの高いデザイン性を実現できます。
また、全乾式プロセスによって開発したセルロースファイバー樹脂は、2018年8月に発売したコードレススティック掃除機MC-SBU820J/MC-SBU620J※2で採用しています。
今後は、機械的強度などの特性をさらに高める開発を進め、家電筐体、建材、車載部材、日用品などへの展開によりプラスチック使用量を低減することで、持続可能な社会へ向けた企業活動を推進していきます。
家電筐体、建材、車載部材、日用品など
国内17件、海外9件
以上
記事の内容は発表時のものです。
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