2018年5月29日

通信基地局や各種端末の高速・大容量データ通信に貢献

半導体パッケージ用/モジュール用 超低伝送損失基板材料を開発

半導体パッケージ用/モジュール用 超低伝送損失基板材料 ラミネートR-G545L/R-G545E、プリプレグ R-G540L/R-G540E

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、半導体パッケージやモジュールに適した超低伝送損失基板材料(品番:ラミネートR-G545L/R-G545E、プリプレグ R-G540L/R-G540E)」を製品化、2018年6月より量産を開始します。高速・大容量データを処理する半導体デバイスの安定駆動に貢献します。

IoT (Internet of Things)の普及や、2020年に予定される第5世代移動通信システム「5G」のサービス開始により、データ通信のさらなる大容量・高速伝送化の加速が予想されます。このような中、通信基地局や各種端末に用いられる半導体パッケージやモジュールの基板材料にも、高速・大容量データ通信への対応が要求されています。今回、独自の樹脂設計技術により、半導体パッケージ用/モジュール用として業界最高※1の低伝送損失を実現した基板材料を製品化しました。

<特長>

  1. 半導体デバイスの安定駆動に貢献する業界最高※1の低伝送損失
    ・伝送損失:-18.7dB/m 当社従来品※2 -20.6dB/m (@20GHz)
  2. 半導体デバイスの長期駆動に貢献する優れた環境耐性
    ・高温・高湿下での安定した電気特性
    130℃、湿度85%、800時間処理による誘電正接[1]の変化量 0.0024 当社従来品※2 0.0033
  3. 基板製造時の歩留まり向上に貢献する低反り性
    ・反り量:310μm※3 当社従来品※4 410μm
  • ※1: 2018年5月29日現在、半導体パッケージ用/モジュール用樹脂基板材料として(当社調べ)
  • ※2:当社従来品:超低伝送損失・高耐熱多層基板材料MEGTRON6(品番:R-5775(N))
  • ※3: 20℃から260℃に温度上昇させた時の材料の反りの変化量(当社の評価方法により測定)
  • ※4:当社従来品:低熱膨張半導体パッケージ基板材料MEGTRON GX(品番:R-1515A)

【用途】

通信基地局や各種端末用の半導体パッケージ基板、モジュール基板など

【備考】

本製品は、2018年5月29日~6月1日まで 米国Sheraton San Diego Hotel & Marinaにて開催されるECTC2018、ならびに、2018年6月6~8日まで東京ビッグサイトで開催されるJPCA Show2018に出展します。

【お問合せ先】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2201&field_contact_lineup=3248?ad=press20180529

【商品の詳細ページ】

https://industrial.panasonic.com/jp/products/electronic-materials/circuit-board-materials/megtron-gx/megtrongxrg545?ad=press20180529

【特長の詳細説明】

1.半導体デバイスの安定駆動に貢献する業界最高の低伝送損失

従来の基板材料は、誘電正接・誘電率[2]熱膨張係数(CTE)[3] がトレードオフの関係にあります。そのため、低CTEで、なおかつ高速・大容量データ通信に適した基板材料の実現は困難でした。本製品は、独自の樹脂設計技術によりCTEを低減すると共に、低誘電正接と低誘電率を実現しました。業界最高の低伝送損失で信号ロスを抑え、高速・大容量データを処理する半導体デバイスの安定駆動に貢献します。

2. 半導体デバイスの長期駆動に貢献する優れた環境耐性

従来の基板材料では、高温・高湿環境下における樹脂構成成分の分解や、吸湿による電気特性の劣化が課題となっています。本製品は独自の樹脂設計技術により、耐熱性と耐湿性に優れた環境耐性を実現しました。高温・高湿な屋外環境、さらには、半導体デバイスが発熱した場合でも安定した電気特性を保持し、半導体デバイスの長期駆動に貢献します。ハイエンドネットワーク機器等で実績のある当社従来品(MEGTRON6)よりも更に誘電正接の変化量を抑えることが可能です。

3. 基板製造時の歩留まり向上に貢献する低反り性

基地局や各種端末の高機能化に伴う半導体デバイスの大型化や搭載数の増加などにより、パッケージ基板やモジュール基板は大型化の傾向にあります。そのため、基板材料の反りによる製造時の歩留まり悪化が課題となっています。本製品は、低誘電正接・低誘電率の材料でありながら、同時に低CTEも両立させることで、反り量の抑制を実現しており、基板製造時の歩留り向上に貢献します。

【一般特性】

項目 試験方法 単位 R-G545L
低誘電率ガラスクロス仕様
R-G545E
一般ガラスクロス仕様
ガラス転移温度(Tg) DMA 230 230
熱膨張係数(タテ・ヨコ方向) α1 IPC-TM-650 2.4.41 ppm/℃ 10 10
熱膨張係数(厚さ方向) IPC-TM-650 2.4.24 22 22
比誘電率(Dk) 12GHz 空洞共振法 3.5 4.0
誘電正接(Df) 0.0026 0.0040
吸水率 IPC-TM-650 2.6.2.1 0.06 0.06
銅箔引き剥がし強さ 1/3oz(12μm) IPC kN/m 0.6 0.6

試験片の厚さは0.1mmです。
※ DMA:引張りモードでの測定

上記データは当社の実測値であり、保証値ではありません。

【用語説明】

[1] 誘電正接
絶縁性の物質が蓄えた電気を放出する際の損失量を示す。誘電正接が小さいほど蓄えられた電気は効率よく放出されるため、電気信号の伝送損失は小さくなる。
[2] 誘電率
誘電率とは、絶縁性の物質に外部から電荷を与えたときの分極のしやすさを表し、物質固有の値をもつ。分極しやすい物質ほど電気を蓄えやすい傾向があるため、電気信号を効率よく流すためには、分極しにくい(誘電率が小さい)物質の方が有利となる。
[3]熱膨張係数(CTE:Coefficient of thermal expansion)
一定の圧力下で温度を変えた時、単位温度あたりの材料の長さが増加する割合のこと。熱膨張係数は基板材料の反りに影響を与える重要な特性の1つである。

以上