2024年12月4日
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2024年11月7日
企業・経営 / プレスリリース
2024年11月7日 – 本日、パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、以下PAS)とArm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市)は、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)のための自動車アーキテクチャの標準化を目指す戦略的パートナーシップについて発表しました。両社は、現在および将来の自動車のニーズに対応できる柔軟なソフトウェアスタックを構築するという共通のビジョンを持ち、業界全体にわたりソフトウェア開発の標準化を推進する取り組みであるSOAFEE(https://www.soafee.io/)(※)への積極的な参加を通じて共にビジョンの実現に取り組んでいきます。この新しいパートナーシップにより、PASとArmは仮想デバイスフレームワークVirtIOを採用・拡張し、自動車ソフトウェア開発をハードウェアから分離し、自動車業界の開発サイクルを加速させます。
自動車業界では、電子制御ユニット(ECU)の統合が進み、コックピット・ドメインコントローラ(CDC)やハイパフォーマンスコンピューター(HPC)などの強力なECUに集約されています。これにより、最適なハイパーバイザーや最先端のチップセットを柔軟に選択できることの重要性が増しています。しかし、ベンダー特有の独自インターフェースによって、多くの自動車メーカーやTier1サプライヤーは、他のベンダーソリューションに移行する際にコストと納期が増加するという課題に直面しています。
PASとArmは、これらの課題に対処するために、ハードウェア中心の開発モデルからソフトウェアファーストな開発モデルへの変革が必要であると認識しています。自動車メーカーとTier1サプライヤーのソフトウェアスタックと、それらのソフトウェアを動作させるプラットフォーム基盤であるハイパーバイザーおよびチップセットとの間のインターフェースを標準化することで、ソフトウェア開発のニーズやユースケースに合った、最新の技術を採用しやすくなります。
PASとArmは、CDC/HPCのようなセントラルECUに接続されたデバイスの仮想化だけに留まらず、周辺に存在するゾーンECUに接続されたデバイスの仮想化にもVirtIOを活用しています。両社は、PASによりオープンソース化されたディスプレイ仮想化技術であるUnified HMIを使用した、Arm上に構築されたディスプレイゾーンアーキテクチャについての画期的なコンセプト実証を行いました。このアーキテクチャにより、アプリケーション自体を変更することなくセントラルECUから複数のゾーンECUへGPU負荷を分散できるため、セントラルECUに集中する発熱の低減やゾーンECUの最適物理配置によるハーネス重量を削減することができます。更に、ゾーンECUのMali™-G78AE GPUが有する柔軟なパーティショニング機能を活用して異なるワークロード毎に専用のハードウェアリソースを割り当てることで、ワークロード毎に予め保証されたグラフィックス性能を実現します。PASとArmは協力してこれらに関するSOAFEE Blueprint(ユースケースドキュメント)とリファレンス実装の提供を進めることで、自動車業界における新たなゾーンアーキテクチャの標準化を目指します。
PASのvSkipGen™は、Arm® Neoverse™ベースのクラウドサーバー上で動作します。この取り組みにより、Arm CPUアーキテクチャとVirtIOデバイス仮想化フレームワークの同一性を確保していくことで、クラウド上の仮想ハードウェアと自動車に搭載される物理的なハードウェアの間で完全な環境パリティを確保していきます。PASとArmは、VirtIOを仮想ハードウェアに実装し、自動車における仮想システムと物理システムのギャップをさらに埋めるために協力します。
現在、PASとArmはAndroid Automotive™やAutomotive Grade Linux™などのコックピットのユースケースに焦点を当てており、VirtIO標準をより多くの自動車ユースケースに拡大することを目指しています。これには、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)向けのインターフェースの標準化が含まれ、先進運転支援システム(ADAS)ソフトウェアをハードウェア依存から分離することができます。
PASの代表取締役副社長執行役員でチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の水山正重は、「Armとのパートナーシップは、VirtIOの標準化を推進し、この業界リファレンス標準を次のレベルに引き上げることを目指しています。私たちの組織の専門知識と業界のリーダーシップを組み合わせることで、このコラボレーションがソフトウェアの可能性を引き出し、SDVに向けた自動車技術の未来を築くための重要な基盤となると確信しています。」と述べています。
Armのシニア・バイスプレジデント兼オートモーティブ事業部門ジェネラルマネージャーであるディプティ・ヴァチャーニ(Dipti Vachani)は、「SDVは今日の自動車メーカーにとって最もエキサイティングな機会の一つですが、このビジョンを実現するには、物理的なチップが利用可能になる前にソフトウェア開発者が作業を開始できるような革新的なアプローチが必要です。PASとのパートナーシップは、両社のSOAFEEへの積極的な参加がきっかけとなり、標準化を通じて業界内の分断を減らし、パートナーの自動車開発サイクルを加速するという共通の目標に基づいています。」とコメントしています。
※「SOAFEE(Scalable Open Architecture For Embedded Edge)」は、自動車業界とソフトウェア業界を結びつけ、AI対応のソフトウェア・ディファインド・ビークルを実現するための取り組みです:http://www.soafee.io/
AndroidはGoogle LLCの商標です。
Linuxは、アメリカおよびその他の国でリーナス・トーバルズ氏が所有する商標です。
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社は、2022年4月1日、パナソニックグループの事業会社制スタートに伴い、車載事業を担う事業会社としてスタートしました。パナソニック オートモーティブシステムズは、世界22の国と地域、従業員数約3万人、売上高約1兆4,919億円(2023年度実績)の事業を展開するグローバル企業です。Tier1として、国内外の自動車メーカーに、インフォテインメントシステムをはじめとするパナソニックならではの先進技術を提供し、快適で安全・安心な車作りに貢献しています。企業ビジョン世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーを掲げ、人に寄り添う技術で世界のお客様のご期待にお応えします。
企業ホームページはこちら:https://automotive.panasonic.com/
Armは、業界最高の性能と電力効率に優れたコンピューティング・プラットフォームであり、コネクテッドな世界における人口の100%に貢献する比類のないスケールを備えています。Armは、演算に対する飽くなき需要に応えるため、世界をリードするテクノロジー企業に先進的なソリューションを提供し、各社がAIによるかつてない体験や能力を解き放つことができるよう支援しています。世界最大のコンピューティング・エコシステムと2,000万人のソフトウェア開発者とともに、私たちはArm上で築くAIの未来を形作っていきます。
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