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2023年9月28日

高品質溶接の実現と溶接検査の課題を解決

現場の欲しい機能がプラスできるレーザ溶接システム Laser-Welding plus「LW+」提供開始

パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社（以下、PPE）は、電気自動車搭載のバッテリー、インバータ、モータなどの主要コンポーネント市場におけるソリューションとしてレーザ溶接システムLaser-Welding plus「LW+」の提供を10月から開始いたします。

電気自動車の増加により、バッテリー、インバータ、モータなどの主要コンポーネントの需要が拡大することが見込まれています。それに伴い、製造現場におけるレーザ溶接の生産性向上が求められるとともに、他工法からレーザ溶接への置き換えが期待されています。レーザ溶接は、電動化で増える銅やアルミなどの高品質溶接の実現に加え、近年は全数溶接保証に向けた溶接検査への要求が高くなっています。これらの製造現場のニーズに応えるために、PPEは高度化したレーザ溶接技術と設備インテグレーション技術を統合したレーザ溶接システム「LW+」を開発、お客様の製品進化に貢献するソリューションを提供します。

レーザ溶接システム「LW+」は、以下の機能で構成されています。

LW+ 高生産レーザ加工
LW+ OCT溶接深さ検査
LW+ スパッタ対策工法

【お問い合わせ先】

パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社営業部
URL：https://www.panasonic.com/jp/company/ppe.html
メール：business.dev@gg.jp.panasonic.com

■LW+ 高生産レーザ加工｜現場課題を設備インテグレーション技術で解決

レーザ溶接システム「LW+」では、ハード・ソフトの要素技術を融合させ、製造現場の課題を解決する高生産レーザ加工機を提供します。独自開発の「ガルバノ-NC協調［1］制御技術」によるタクトの大幅短縮や、異種金属溶接など、高生産・高品質で多様なレーザ加工が可能です。
PPEの「ガルバノ-NC協調制御技術」では、通常の間欠動作（ステップ＆リピート動作）と異なり、連続したレーザ溶接が可能となるため、高生産性が実現可能です。また、一般的な直交座標系のシステムだけでなく、極座標系のシステムへの対応も可能です。

■LW+ OCT溶接深さ検査｜従来の溶接モニタリングの課題をOCTで解決

レーザ溶接システム「LW+」では、独自のOCT〔2〕技術によりこれまで難しいとされていた「溶接深さ検査」を可能とするOCT搭載ガルバノヘッドを実現しました。これにより、溶接における「リアルタイムでの非破壊・全数検査」が可能になります。特に、溶接中のウォブリング動作〔3〕に追従したキーホール深さ計測やシングルモードファイバーレーザ使用における深さ測定も可能です。

PPEの「OCT溶接深さ検査」の特徴は下記の通り。

リアルタイムでの非破壊・全数検査が可能（インプロセス溶接保証を実現）
溶接前後の検査工数の削減、稼働率向上による総コスト削減
全数の溶接品質裏付けデータを集積・保管でき、トレーサビリティが可能

■LW+ スパッタ対策工法｜スパッタの課題を独自技術で解決

レーザ溶接において、スパッタ〔4〕による溶接不良の課題があり、その対策が求められています。レーザ溶接システム「LW+」では、近年注目を集めるBlue-IRハイブリットレーザ加工におけるスパッタ発生の課題に対し、独自の色収差補正技術を活用したガルバノヘッド〔5〕を用いることで、スパッタを極限まで低減する高品質溶接が可能になります。
また、DOE（回折光学素子）〔6〕を活用した、ビームプロファイル制御、短波長レーザ加工におけるスパッタ対策のソリューションにより、最適なビームプロファイルが実現可能です。

本、レーザ溶接システム「LW+」を10月4日～6日（会場：幕張メッセ）開催されるPhotonix 光・レーザ技術展に出展いたします。レーザ溶接システム「LW+」を構成する「OCT溶接深さ検査」、「Blue-IRハイブリッドレーザ用ガルバノヘッド」などを展示します。OCTに関しては、計測用の「超高感度3次元OCT計測器」も紹介します。

＜特許＞

国内外33件（出願中も含む）

＜関連リンク＞

・LW+ レーザ溶接システム
https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/jigyo/laserwelding.html
・Photonix 光・レーザ技術展
https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/about/photo.html

＜用語解説＞

ガルバノ-NC協調
NC（数値制御）により回転ヘッド・ガルバノスキャナー・回転ステージを協調させることが可能になる。一定速度で回転するステージ上にあるワーク溶接ポイントに、レーザスポットを追従させ、タクト短縮を実現する。
OCT
OCTとは、Optical Coherence Tomographyの略称で、光干渉断層法とも呼ばれる。1985年に原理が報告され、眼科用の検査技術として活用されており、その後、産業用途として発展した技術。
ウォブリング動作
レーザ照射を回転、揺動させる動作のことをウォブリングという。レーザの焦点を高速で動かしながら加工することで、溶接ビード（溶接痕の盛り上がり）が広がりワークのバラつきによって発生する溶接不良を改善できる。
スパッタ
溶接時に溶けた金属が周囲に飛び散るが、この時の飛び散ったものを指す。これらの粒子の大きさは、数µm～数百µm程度。
ガルバノスキャナー
ミラーを用いて任意の方向にレーザ光を制御するユニットを指す。
DOE
DOEは、レンズ表面に微細な凹凸構造を持ち、回折光学現象を利用して、任意のプロファイルを形成するもの。この技術を活用することでスパッタ量を75～90％程度に低減することが可能になる。