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2017年6月1日
製品・サービス / プレスリリース
業界初(※1)無線通信基地局のパワーアンプ用ハロゲンフリー多層基板材料
第5世代移動通信システム「5G」の実現に貢献
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、無線通信基地局向け「高熱伝導率・低伝送損失 ハロゲンフリー多層基板材料(品番:R-5575)」を製品化、2017年8月から量産を開始します。業界初(※1)となるRFパワーアンプ[1] 用のハロゲンフリー多層基板材料で、無線通信基地局の小型化や安定稼動に貢献します。
2020年の導入に向けて開発が加速している第5世代移動通信システム「5G」では、スマートフォンを始めとした様々な機器のデータ通信において、さらなる大容量・高速伝送化が進むと予想されます。「5G」では、スポット的に通信需要が高い領域をカバーする小型基地局「スモールセル[2]」の需要が大幅に拡大すると見られています。小型化が進むスモールセルに搭載されるRFパワーアンプ用基板には、主流の両面基板に代わり、さらなる省スペース化を可能にする高多層化の要求があり、また高周波領域で高速通信ができる低伝送損失と発熱対策に優れた多層基板材料が求められています。今回当社独自の樹脂設計技術により、従来困難だったハロゲンフリーかつ低伝送損失と高熱伝導性を兼ね備えた業界初(※1)のRFパワーアンプ用多層基板材料を製品化しました。
パワーアンプ基板(無線通信基地局、スモールセル用途)など
本材料は、2017年6月7日~6月9日まで東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2017」に出展します。また本材料は、5月19日に第13回JPCA賞(アワード)を受賞しました。同賞では応募テーマ数10社 12件の中から厳選な審議の結果、4件が選定され、当社は4年連続(通算11回目)の受賞となりました。
これまでRFパワーアンプ用途では、両面基板が主流で、従来の基板材料は多層化を想定した設計になっていませんでした。通信システムのスモールセル化に伴う機器の小型化により、基板面積を小さくする必要があり、多層化のニーズが顕在化してきました。また、環境対応の観点からハロゲンフリーが要求されますが、難燃性を維持するための非ハロゲン難燃成分の構造に起因して、特に高周波領域で伝送損失が大きくなるという課題がありました。当社は独自の樹脂設計技術により、従来困難であったハロゲンフリーによる難燃化と高周波領域で低伝送損失を両立した、業界初のRFパワーアンプ用多層基板材料を製品化しました。20GHz~80GHzのミリ波帯における高速通信に対応できる10層程度の多層基板を実現することで、無線通信基地局の小型化に貢献、第5世代移動通信システム「5G」の実現に寄与することが期待されます。
スモールセルは比較的小さな電子回路基板に高発熱部品が実装されるため、従来の基板材料では発熱部品が高温化し、動作の不安定化や故障のリスクが高まります。R-5575では高熱伝導の樹脂設計を実現することで、部品から発生した熱を拡散、放熱することで部品温度を下げ、通信基地局の安定稼動に貢献します。
RFパワーアンプ用基板材料は、樹脂製であるため長時間高温環境下で使用すると、伝送特性が劣化する課題がありました。R-5575では当社独自の樹脂設計技術により、長時間の高温環境下においても比誘電率、誘電正接の劣化を抑制することに成功しました。これにより長期間にわたり安定した伝送特性を維持し、通信基地局の長期安定稼動に貢献することが期待されます。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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