2021年11月26日

高出力・高ビーム品質の青色レーザ加工機によるファインプロセスの提供

青色レーザ加工機のプロセス実証センター
Advanced Material Processing Connect Labを開設

銅材料の加工課題に対するソリューション創出

パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社(2022年4月より「パナソニック コネクト株式会社」に変更[*])は、2021年12月1日、大阪府豊中市の当社事業所に、高出力・高ビーム品質[1]の青色レーザ加工機のプロセス実証センター Advanced Material Processing Connect Lab(略称:AMP Connect Lab)を開設します。

当社の青色レーザ加工機は、ダイレクトダイオードレーザ(以下、DDL)の波長合成技術[2]を用いて高ビーム品質を保ちながら、高出力でのレーザ発振が特長で、熱伝導溶接、キーホール溶接、切断加工において、ポロシティ[3]やスパッタ[4]の発生抑制、熱歪みの少ない加工、深い溶込みによる強い接合強度の実現が可能です。
特に、銅材料に対して光吸収率が良くビーム品質が高いことで、電子機器や電子デバイスの狭隘(きょうあい)部にて、小スポット径で周囲への熱影響が少なく、深い溶込みの溶接を実現することができます。このことにより、さらに小型化や軽量化を実現することができ、構造設計の自由度も高めることが可能となります。
加えて、レーザ発振の光出力ヘッドの発振端面と加工対象の距離を十分に確保できるリモート加工も特長で、量産工程での生産性向上も期待できます。さらには、光変換効率の良い半導体レーザを用い、青色レーザの銅に対する光吸収率の良さから、加工工程における省エネ・CO2削減も可能となります。

当社では、本プロセス検証機を用い、これまでのパナソニックグループにおける多岐に渡る商品の開発や量産での知見を踏まえ、銅材料の加工実証や、銅以外の材料も含めマルチマテリアルへの適用、金属光造形やアニーリング[5]といった工法開発にも取り組んでいきます。

[*]パナソニックグループの持株会社制への移行にともない、パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社は2022年4月より、「パナソニック コネクト株式会社」に変わります。

【お問い合わせ先】

パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社 DDL事業開発センター
Email:blue_ddl@gg.jp.panasonic.com
(青色 DDL 問い合わせ窓口)

【発振器開発および実証センターの背景】

各国政府が推進するグリーントランスフォーメーションの加速に伴い、xEVをはじめとしたモビリティ機器の省エネ性能ならびに航続距離の向上を目指して、駆動用モータ・二次電池・パワー制御ユニットといった各種電子機器や電子デバイスの高効率化・小型化の開発が加速しています。こうした電子機器や電子デバイスには、電気的信頼性や導電性の高さを期待し銅材料が多く使用されています。銅加工においては、生産性や加工品質などを考慮し、生産工程ではレーザ工法の採用が拡がりつつあります。一方、現在のレーザ加工では、赤外線波長が多く導入されているものの、銅材料に対する光吸収率が低いことから、量産工程で期待される加工品質の確保や生産性の向上には依然として課題があり、可視光線波長を搭載したレーザ加工機の早期実用化への期待が高まっています。

当社は、2020年1月29日にパナソニック株式会社が発表(*1)したDDLの波長合成技術を活用し、高ビーム品質で高出力発振が可能な青色DDLを搭載したレーザ発振器の試作を完了しました。今般開設する実証センターにおいて、上述の特長を検証頂くためのプロセス検証機を設置します。また今後、幅広い加工ニーズにお応えすべく、2021年度末までに出力がkW級の青色DDLの検証機も導入予定です。

【プロセス検証機の概要】

  プロセス検証機A プロセス検証機B
発振レーザ波長 445±20 nm
出力 400 W
※2021年度末までにkW級を設置
ファイバー径 φ50 µm
※今後さらなる小径化を予定
設備外観 プロセス検証機A外観写真 プロセス検証機B外観写真
加工ヘッド 固定ヘッド
※切断用高圧ガスに対応
ガルバノスキャナ[6]
光学倍率 0.5/1.0/2.0倍 1.1倍 他
ワーキング
ディスタンス
10~100 mm 160~270 mm
備考 加工時の各種モニタリングや加工結果の計測については、加工実証内容を踏まえ、
個別にご相談をお願いいたします。

【具体的な加工実証事例】

銅板t0.3 mmの重ね合わせ溶接と幅70 um微小線分印字

溶接と印字の加工実証画像

当社のロボット・レーザソリューション導入をご検討、および当実証センターでの加工実験をご希望の際は、当社問い合わせ先までご連絡ください。

【当社が試作した青色レーザ発振器】

発振器画像

 

  仕様
発振波長 445±20 nm
出力 400 W
※2021年度末迄にkW級以上へ出力向上予定
ファイバー径 φ50 µm
※今後さらなる小径化を予定
(注)外観・仕様は変更の可能性があります

なお、本件は、環境省の革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業の成果により得られたものです。本開発では、さらなる加工性能および加工品質を追究するため、より精緻な入熱制御を実現するためのパルス駆動機能の開発を推進しており、電子機器や電子デバイスの量産工程への社会実装を図ることで、パナソニックの現場プロセスイノベーション(*)を加速していきます。

【関連するプレスリリース】

【用語解説】

  • [1]ビーム品質:ビームの集光しやすさを表す指標。高ビーム品質になるほどスポット径が小さく、拡がりにくい性質をもつ。
  • [2]波長合成技術:複数の異なる波長をもったDDLから放射されたビームを回折格子上に重ね、1つのビームに結合させる技術。

波長合成技術のイメージ図

  • [3]ポロシティ:凝固後の溶接金属内に生じる空洞や気泡。
  • [4]スパッタ:溶接加工時に発生する溶融金属の飛散。
  • [5]アニーリング:焼きなまし。結晶組織の調整や内部応力の除去を目的とする。
  • [6]ガルバノスキャナ:モータ先端のレーザ光反射鏡(ガルバノミラー)を2軸、あるいはレンズを含み3軸で制御することで、レーザ光をピンポイントに照射する制御装置のこと。

【関連ニュースリリース】

*パナソニックの「現場プロセスイノベーション」

私たちがサステイナブルな未来を手に入れられるかどうか。
その全ては「現場」にかかっています。

時々刻々と変化する、複雑で問題を抱えた「現場」を、どれだけ精確に把握できるか。
それぞれの「現場」を、どれだけ有機的につなぎ合わせ可視化し、
人とモノを、どれだけ最適に動かし続けられるか。
この「現場プロセスの改革」こそが、経営や社会の課題を根本的に解決する鍵であり、
まさに多様な「現場」で独自の知見を蓄積してきた
パナソニックには、その力があります。

パナソニックの「現場プロセスイノベーション」は、
様々なパートナーとともに、多様な「現場」に寄り添うことで、
お客様そして社会の課題を解決し、A Better Life, A Better Worldを実現します。

以上