――パナソニックグループが取り組んでいるPGIは、欧州社会におけるニーズの変化にどう対応しているのでしょうか。
シュランゲンフェルト:欧州のステークホルダーは、企業が責任を持って行動すること、つまり、気候変動に対して有意義な行動を実際に起こすことを求めています。PGIの訴求は、パナソニックグループがバリューチェーン全体の脱炭素化に向け、明確かつ強力な取り組みを実施しているということを示す、重要なステップです。
欧州では、特にモビリティと建築の分野で化石燃料からの転換が進んでおり、この二つの分野は、それぞれ同地域でのCO2総排出量の25%と36%を占めるという。
シュランゲンフェルト:モビリティと建築の分野で、サステナビリティの視点を踏まえた事業推進を重視することにより、CO2排出量の大部分を削減できる可能性があります。パナソニックグループはこの分野ですでに、クリーンエネルギーへの転換や電化の実現を可能にする製品やソリューションを提供しています。
パナソニックグループは欧州のモビリティ分野で、EVや電動自転車用円筒形リチウムイオン電池の主要サプライヤーとして認知されている。建築分野では、化石燃料による従来の燃焼系の暖房機器に代わって今後需要の拡大が見込まれるヒートポンプ式温水暖房機事業を推進している。暖房は家庭のエネルギー消費の大部分(約80%)を占めており、家庭からのCO2排出を削減する上で重要な分野だ。
シュランゲンフェルト:パナソニックグループは、モビリティと建築分野におけるサステナビリティの実践を通じて脱炭素社会に貢献しています。これは、PGIにおいて、従来の技術を持続可能な代替技術に置き換えることでCO2排出を削減する「CONTRIBUTION IMPACT」と位置付けるインパクトに当たります。