今回の発表の中でも、一事例としてパナソニック オートモーティブシステムズ(株)の敦賀工場の例を紹介しました。2021年10月比で生産リードタイム 50%短縮、安全在庫半減と、目覚ましい成果を上げています。このように成果が表れている拠点が事業会社ごとに1拠点から数拠点出てきており、間違いなく素地は整ってきたと言えるでしょう。あとはいかにこうした取り組みを全拠点に展開できるか。また、デジタルの力で働き方やビジネスのやり方を変え、経営のスピードと質を向上させるPXの取り組みも進んでいます。まだまだ既存の業務プロセスや組織風土、古い情報システム基盤など「負の遺産」もありますが、事業部横断でのデータ利用やクラウド化で、オペレーション力の強化は進展を見せています。
競争力の強化に終わりはなく、この2年間で培った手法をさらに研ぎ澄まさねばなりません。また、他社も当然進化していることを考えれば、それ以上に進化のスピードも上げていかなくてはいけません。このようなことがグループ全体の共通理解となり、成長をさらに加速するための基盤はできたと考えているのです。
最近は社外から「パナソニックグループが変わってきている」と声を掛けられることが多くなった実感もあります。具体的な内容はさまざまですが、印象的なのは、お客様から「自分たちのことをよく考えてくれるようになった」と言われることです。また、社内SNSなどを通して、ネガティブなものも含めてダイレクトに意見が届くようになってきています。まだまだ隅々まで風土改革が行きわたっているとは言えないものの、風通しが良くなってきている感覚はあります。
グループ全体が長期視点でものを考える意識へ徐々に変わりつつあるとも感じていますし、社外の方が変化に気付かれているのは、社外と接する前線の社員も変化していることにほかなりません。また、今回新たに経営基本方針を行動指針として落とし込んだ「Panasonic Leadership Principles」を策定し、社内に発信しましたが、その検討には、多くの有志の従業員が手を挙げて参画してくれました。こうした動きもポジティブに感じています。