「全社をあげて様々な切り口でCO2削減貢献を進めていますが、ペロブスカイト太陽電池のように一次クリーンエネルギーを供給できる技術はパナソニックグループでも限られています。社内でも注目されているので、製品化に向けて奮闘していきたいと思います」(松井氏)
あわせて河野氏も「社会ではもちろん、社内的にも盛り上がっているテーマを担当できることは非常にモチベーションが高まります。着実に技術を進化させながらも、スピード感を持って取り組んでいきます」と述べた。
現在パナソニックグループが参画しているNEDO事業と並行し、2兆円規模となるNEDOのグリーンイノベーション基金事業では、ペロブスカイト太陽電池が次世代型太陽電池の基盤技術として採用された。2030年にはシリコン系太陽電池と同等の発電コスト(14円/kWh)の達成を目標とする。いよいよ国をあげての体制が整い、あとは実用化を待つばかりだ。
「ペロブスカイト太陽電池はこれから新しい市場を築いていく分野。建材と一体化することで、これまで以上に太陽電池が生活に密着した存在になっていきます。その意味でも、お客さまの意見を反映しながらブラッシュアップすることが大切です。こうした記事を通して未来の技術を知り、いろんな意見をいただきたいと考えています」と松井氏。10年後には「窓で太陽光発電」のスタイルが日常風景になっていてもおかしくはない。読者には是非とも、いまから「ペロブスカイト太陽電池」の名前を頭に刻んでおいてほしい。
(ライター:小口 正貴)
社会課題解決のアイデアバンク「未来コトハジメ」にて、2023年2月28日(火)公開