Z世代とともに「スポーツ」で社会を変える

2022年12月2日

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イベント・スポンサー活動

Z世代とともに「スポーツ」で社会を変える

パナソニックグループは、9月30日、熊本県にある南関町立南関第二小学校で、国際オリンピック委員会(以下、IOC)によって選出された「IOC Young Leaders」のSanguen Leeさん(以下、サンエン・リーさん)を迎えたオンラインイベント「IOC Young Leaders × Panasonic KWN “SDGs Online event series”」を開催した。KWN(Kid Witness News / キッド・ウィットネス・ニュースの略)は、当社グループが長年にわたり取り組んできた教育支援プログラムで、映像制作活動を通じ、創造性やコミュニケーション能力を高め、チームワークを養うものだ。1989年にアメリカでスタートし、これまでに世界各国から累計18万人以上の子どもたちや先生が本プロジェクトに取り組んできた。そのネットワークを活用し、IOC Young LeadersがZ世代・α世代といった次世代を担う若者たちと交流する機会創出のため、今回のイベントを牽引したパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 スポンサーシップ推進担当の徳田 浩大(とくだ こうだい)から、その意義と開催の手ごたえを聞いた。

写真:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 ブランド・コミュニケーション部門 スペース&メディアコミュニケーションセンター スポンサーシップ・イベント推進室 スポンサーシップ推進課 徳田 浩大

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 ブランド・コミュニケーション部門 スペース&メディアコミュニケーションセンター スポンサーシップ・イベント推進室 スポンサーシップ推進課 徳田 浩大

IOCとの関係は「スポンサー」から「パートナー」へ

徳田:「パナソニックグループは、1987年からオリンピックの、2014年からさらにパラリンピックのワールドワイド公式パートナーとして大会をサポートしています。今回のイベントは、これまでのIOCとのパートナーシップに加え、『スポーツを通じて調和のとれた人間を育成し、異なる文化を理解するとともに相互理解を深めることによって、平和な社会の創造に寄与する』としたオリンピズムの目的に賛同する中で、IOCが選出するYoung Leadersとともに行う活動の一つです。これからの世界を担う若者たちをIOCとともにエンパワーメントし、人々のより良いくらしの実現をともに目指していく当社の企業意志を強く反映しています。パナソニックグループは、Young Leaders活動の立ち上げ期にあたる2017年からファウンディングパートナーとしてスポンサードしており、2020年からはIOCと協業で映像を制作するなど関係を強化、KWNなど当社の他活動へも活用を行っています。そして、2021年4月からを発展期と位置づけ、従来のスポンサーの枠を超えてIOCのパートナーとして活動を行うことになったのです」。

そもそもIOC Young Leadersとは、IOCによって選出された世界中の18〜30歳(※1)の若者が支援を受けながら、ユース世代を巻き込む活動を自ら計画・実行することで社会課題解決を目指すもの。

写真:ケイティ・レデッキー選手との活動の様子
写真:タニア・リーさんとの活動の様子
写真:タニア・リーさんとの活動の様子

左:ケイティ・レデッキー選手との活動の様子。中央、右:タニア・リーさんとの活動の様子。

「IOC Young Leaders Programme」としては、これまでに、Team Panasonic(※2)の一員であり競泳オリンピアンのKatie Ledecky(ケイティ・レデッキー)選手とともに「IOC Youth Summit」に参加、「STEAM教育(※3)」を推進する彼女とイベントを通じて、若年層をエンパワーメントする活動に取り組んできた。また、マレーシア出身で元水泳選手のTania Lee(タニア・リー)さんとともに、大阪の学生たちとの交流を通じて、性別や能力などの壁を取り除き、誰でもスポーツを楽しんでもらえる環境づくりの大切さを訴求する活動なども行っている。

※1 2023–2026は対象年齢が20–28歳に変更
※2 Team Panasonicとは、アスリートとパナソニックグループが理念を共有、共感して社会貢献に取り組み、お互いを認め合い、切磋琢磨しながら前に進むチーム
※3 STEAM教育:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育」に、Art(芸術)を加えて提唱されている、創造的な課題解決能力を養う教育手法

熊本県の小学校でのイベント:IOC Young Leaderが海外からオンラインで出演し学生と交流

今回のイベントは、IOC Young Leaders Programmeの活動の一つである「映像制作&プログラムプロモーション」の一環として行われた。日本地域におけるKWN参画校90校、約2,000人の学生の中から、熊本県南関町立南関第二小学校が選出され、同校での実施となった。徳田は今回のイベントをこう振り返る。
「IOC Young Leadersを通して、パナソニックグループとIOCの未来への思いをZ世代・α世代に繋げることができたと自負しています。登壇してくださったIOC Young Leadersのサンエン・リーさんはショートトラックとスピードスケートの元競技者。現在はアイスホッケーをプレーしていますが、実は韓国ではアイスホッケー競技への機会が男女平等に与えられていないそうで、彼女はそれを社会課題と捉えています。そのため、『The Dream League』というアイスホッケーリーグを設立し、男女のアイスホッケーの不平等を軽減し、すべての若者、特に女性にトレーニングセッションとゲームの機会を提供する活動を行っているのです。彼女の思いはファシリテーターの同時通訳のもとで、同校の小学生に伝えられました。最初は英語でのプレゼンテーションに戸惑っていた様子の小学生たちも、時に真剣に、時に笑顔で話す彼女の話に引き込まれていくようでした」。

写真:韓国との中継を行うため、英語と日本語のバイリンガルでのワークショップとなった。セネガル出身のスポンサーシップ・イベント推進室 カマラ・ママドウラミン(写真左)が通訳および司会を担当

韓国との中継を行うため、英語と日本語のバイリンガルでのワークショップとなった。セネガル出身のスポンサーシップ・イベント推進室 カマラ・ママドウラミン(写真左)が通訳および司会を担当

写真:イベントの舞台となった、熊本県南関町立南関第二小学校。環境教育にも力を入れている。ワークショップは同校の5年生たちを対象に行われた
写真:イベントの舞台となった、熊本県南関町立南関第二小学校。環境教育にも力を入れている。ワークショップは同校の5年生たちを対象に行われた

イベントの舞台となった、熊本県南関町立南関第二小学校。環境教育にも力を入れている。ワークショップは同校の5年生たちを対象に行われた

写真:登壇者のサンエン・リーさんは、女性がスポーツに参加できる機会がまだまだ限られているという課題認識、そして解決方法について小学生に向けてプレゼンテーションを行った
写真:登壇者のサンエン・リーさんは、女性がスポーツに参加できる機会がまだまだ限られているという課題認識、そして解決方法について小学生に向けてプレゼンテーションを行った

登壇者のサンエン・リーさんは、女性がスポーツに参加できる機会がまだまだ限られているという課題認識、そして解決方法について小学生に向けてプレゼンテーションを行った

写真:参加した小学生たちは身振りを交えながら好きなスポーツなどの自己紹介を英語で行った

参加した小学生たちは身振りを交えながら好きなスポーツなどの自己紹介を英語で行った

同じく小学生たちからも自己紹介や学校紹介、そしてサンエン・リーさんのプレゼンテーションを受けての感想などが発表され、お互いに意見交換を行った。その様子は映画監督で映像講師を務める朴 正一(ぱく・まさかず)さんによって収録されたが、小学生は出演のみならず、音声収録などにも積極的に参加し、KWNとしても意義深い活動となった。

写真:真剣な眼差しでプレゼンテーションに耳を傾ける小学生たち

真剣な眼差しでプレゼンテーションに耳を傾ける小学生たち

写真:サンエン・リーさんのプレゼンテーションを受けて、ワークショップの後半には小学生たち自らが感想を発表、それらをもとに映像制作のための収録も行った
写真:サンエン・リーさんのプレゼンテーションを受けて、ワークショップの後半には小学生たち自らが感想を発表、それらをもとに映像制作のための収録も行った

サンエン・リーさんのプレゼンテーションを受けて、ワークショップの後半には小学生たち自らが感想を発表、それらをもとに映像制作のための収録も行った

写真:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 ブランド・コミュニケーション部門 スペース&メディアコミュニケーションセンター スポンサーシップ・イベント推進室 スポンサーシップ推進課 徳田 浩大

徳田は「プログラムの実践を経て、改めて課題も浮き彫りとなりました。次回開催までにブラッシュアップに向けた検討を行いたい」と意気込みを新たにした。

課題と成果をともに感じながら大きな一歩を踏み出したことを実感

「サンエン・リーさんの思いと語られた内容は、小学生には少し難しいもので、英語から翻訳された日本語でその意図を正確に伝えるには工夫が必要でした。子どもたちの『考える力』を養う必要性も感じましたが、ワークショップ後半に、彼女のプレゼンテーションを受けて『どう感じたか』を問われた小学生たちは、元気よく手を上げて、それぞれ感想を発表してくれました。男女に平等に開かれたスポーツの機会の必要性は、子どもたちにも伝わったことが証明されたと思っています。参加した小学生たちが慣れない英語を交えながら発表を行い、出演・制作された映像が形となって発信されることは、子どもたちにとっても大きな手応えを感じるものになったはず。運営側の我々にとっても手探りではありましたが、大きな一歩になったと思います」と徳田は振り返る。

IOC Young Leadersプログラムを通じて、現在も24人が10のSDGsテーマに関連した活動を世界各地で行っている。パナソニックグループは、オリンピック・パラリンピックのワールドワイド公式パートナーとして、IOC Young Leadersのプログラムが立ち上がった2017年から現在に至るまで合計66カ国、計94人のこうした活動を支援してきた。

パナソニックグループがオリンピック・パラリンピックのスポンサー活動を通じて行ってきたのは、決して大会運営のサポートだけではない。大会の外でも、「スポーツを通じて調和のとれた人間を育成し、異なる文化を理解するとともに相互理解を深めることによって、平和な社会の創造に寄与する」とのオリンピズムの目的に真摯に寄り添い、これからの世界を担う若者たちの挑戦をサポートし続けているのだ。将来にわたり、幸せを生みだすチカラであり続ける――その実現に向けても、この支援活動は重要な意味を持つといえよう。

画像:パナソニックグループ ワールドワイドオリンピックパートナー ロゴ

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