世界規模でカーボンニュートラルを進めていくための具体的な考え方や方法は、実はまだ未成熟な段階と言われている。この大きな社会変革を進めるにあたっては、
- グリーンな製品が価値として認識されるための市場はどうあるべきか
- そもそも価値とは何でどのように評価されるのか
- どのように国際協調していけばいいのか
などの課題が山積している。
企業による「削減貢献度」についても具体的な評価基準は定まっておらず、その国際標準化も課題のひとつとされている。本会合のオープニングスピーチでは、中谷 真一(なかたに しんいち)経済産業副大臣より「排出削減に貢献した企業を評価する新たな基準を、国際標準とすべき」「来年のG7においても日本から呼びかけたい」とのメッセージが発出された。
この日は「グリーンな市場の創出」「グリーンな製品・サービスを推進するための評価・基準」「グリーンな社会を構築するための国際協調」の3つのパネルディスカッションが実施され、小川は2つめ「グリーンな製品・サービスを推進するための評価・基準」のテーマにおいて基調講演を行った。
脱炭素に貢献する企業評価のありかたについては、2022年7月に行ったパナソニックグループの第二回 サステナビリティ説明会においても「カーボンニュートラルへの貢献を評価するモノサシとしての『削減貢献度』」というテーマで有識者の方々との議論が展開された。今回はさらに課題を明確化し、「削減貢献度」の意義や、同じ志を持つ企業同士でその認知拡大をグローバルに進めることの重要性について述べた。