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画像:実際に人が利用する室内環境において、気体状次亜塩素酸を用いた付着ウイルスの不活化に関する基礎的研究を実施

2026年3月17日

技術・研究開発 / プレスリリース

群馬パース大学との共同研究

実際に人が利用する室内環境において、気体状次亜塩素酸を用いた付着ウイルスの不活化に関する基礎的研究を実施

パナソニック株式会社 空質空調社(以下、当社)は、群馬パース大学と共同で、実際に人が利用する室内環境において、気体状次亜塩素酸を用いた付着ウイルスの不活化効果の基礎的研究を実施しました(※1)。本研究では、インフルエンザウイルスA型(H1N1)(以下、インフルエンザウイルス)およびエコーウイルス30型(E30)(※2)(以下、エコーウイルス)を用いて行い、それぞれ99.9%、99.0%不活化することが観察されました(※3)

当社は約40年(※4)にわたって次亜塩素酸技術を研究し、数多くの除菌、ウイルス抑制効果を確認してきました。長年蓄積してきたこれらのエビデンスに加えて、実際にヒトの感染リスク抑制に向けた研究を進めていくため、群馬パース大学との産学連携を開始。感染症リスクを低減して人々が安心、安全に暮らすことができる「感染制御空間」を掲げ、これまで実施してきた「疾病等の原因物質抑制」から「疾病等の抑制」に研究の範囲を拡大しています。2025年1月には、業界で初めて、群馬パース大学の教室と実習室を使って、次亜塩素酸を用いた浮遊菌および付着菌への除菌効果に関する基礎的研究を実施しました(※5)

本研究では昨年の菌の研究に引き続き、群馬パース大学の実習室(※6)において、シャーレに付着させた臨床由来株の、気体状次亜塩素酸によるインフルエンザウイルスおよびエコーウイルスの不活化効果に関する基礎的研究を実施しました。約56畳の実習室に、次亜塩素酸水溶液を生成し、揮発させる実験装置を設置。気体状次亜塩素酸を暴露させた場合とそうでない場合(自然減衰)との24時間後の比較において、インフルエンザウイルスを99.9%、エコーウイルスを99.0%不活化することが観察されました。

■群馬パース大学 感染制御対策室室長・木村 博一教授(インフェクションコントロールドクター)のコメント

画像:群馬パース大学 感染制御対策室室長・木村 博一教授(インフェクションコントロールドクター)

今後、人が利用する室内環境において、インフルエンザ罹患率減少の有効性などに関する研究を推進し、将来的には、次亜塩素酸技術が細菌やウイルスなど、多様な病原体の感染制御に寄与することを明らかにしたい。

※1 本研究はウイルスへの実験であり、疾病に対する効果を検証したものではありません。

※2 髄膜炎などを引き起こすウイルスの一種。

※3 本研究は、基礎的な研究であり、次亜塩素酸水溶液を搭載した製品での効果検証ではありません。

※4 三洋電機時代の歴史を含む。

※5 [プレスリリース]実使用空間において次亜塩素酸を用いた浮遊菌・付着菌の除菌効果を検証(2025年1月16日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn250116-1

※6 ウイルスを安全に扱うためのバイオセーフティレベル2の基準を満たす教室。

【本研究の詳細】

図1 実験方法のイメージ図

  • 試験機関・・・パナソニック株式会社
  • 実験機関・・・群馬パース大学

  • 実験装置・・・回転式除菌フィルタに約100 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(5.6 m3/min)を回転式除菌フィルタにあてて気体状次亜塩素酸を揮発させる装置

  • 対象ウイルス・・・インフルエンザウイルスA型(H1N1)、エコーウイルス30型(E30)
  • 実験時間・・・24時間

  • 実験空間・・・無人の実習室

    ・広さ:約260 m3(約56畳)

    ・設備条件:換気なし、空調あり

    ・温度:18.6~23.3℃(気体状次亜塩素酸あり)

    18.8~23.0℃(気体状次亜塩素酸なし)

    ・湿度:49~76%RH(気体状次亜塩素酸あり)

    22~72%RH(気体状次亜塩素酸なし)

  • 実験方法(図1)

    ・実験装置条件・・・気体状次亜塩素酸あり、気体状次亜塩素酸なし(自然減衰)

    ・付着方法・・・各ウイルス液をシャーレに100 μL塗布

    ・シャーレの配置

    気体状次亜塩素酸あり・・・実験装置から8 m離れた机に配置(床上0.8 m)

    気体状次亜塩素酸なし・・・実験装置から8 m離れた机に気体状次亜塩素酸が暴露しない容器(約16 L)にいれて配置(床上0.8 m)

    ・ウイルス感染価の測定

    -ウイルスの増殖により生じたCPE(細胞変性効果:Cytopathic Effect)を顕微鏡で観察し、Spearman-Karber法によりウイルス感染価(TCID50/mL)を算出

    -気体状次亜塩素酸を暴露させていない場合と暴露させた場合を比較し不活化率をMann-Whitney U testの統計手法により有意差を評価

図2 気体状次亜塩素の濃度分布シミュレーション結果と条件

  • 気体状次亜塩素の濃度分布

    ・濃度分布:解析ソフトSTREAM V2025.1を用いた気体状次亜塩素の濃度をシミュレーションにより実験空間全体に拡散していることを確認(図2)

    ・シミュレーションの妥当性:実測した気体状有効塩素濃度と一致していることを確認

図3 24時間経過後の各付着ウイルス不活化率

  • 実験結果・・・気体状次亜塩素酸によるウイルスの有意な不活化を確認(図3)

※本研究結果は、製品での効能・効果を保証するものではありません。

■次亜塩素酸とは?

図4 次亜塩素酸の作用

「次亜塩素酸」は、除菌手段として歴史が深く、実績のある物質で、身近な水道水の塩素消毒としても用いられています。また、次亜塩素酸は、白血球の一種である好中球が生体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを不活化する際にも生成されます。本物質は、強力な酸化剤の一種で、菌やニオイから電子を奪い、作用を抑制(酸化)することで微生物の殺滅や脱臭を行います(図4)。本研究で用いた次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解して作成しました(図5)。生成した水溶液から揮発した気体状次亜塩素酸の量が半分になる時間(半減期)は、実に50時間以上、自己分解しにくい特性があり、遠くまで拡散・作用することができます。

図5 次亜塩素酸水溶液の生成方法

※ご参考:パナソニック次亜塩素酸ラボサイト(https://panasonic.co.jp/hvac/pes/technology/hocl/

■次亜塩素酸の除菌効果 主な研究内容

画像:次亜塩素酸の除菌効果 主な研究内容

(黄色ハイライトは本研究に関するもの)

記事の内容は発表時のものです。
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パナソニック株式会社
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