2024年12月3日
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2024年12月3日
サステナビリティ / プレスリリース
グリーン水素を利用する純水素型燃料電池に、太陽電池、蓄電池を組み合わせた3電池連携制御
純水素型燃料電池発電時の熱を空調機器の暖房運転の予熱に活用
パナソニック株式会社(本社:東京都港区、CEO:品田 正弘、以下、パナソニック)は、電子レンジなどの開発・製造・販売を行うパナソニック マニュファクチャリングイギリス株式会社(所在地:英国ウェールズ・カーディフ、以下、PMUK)で、純水素型燃料電池に太陽電池と蓄電池を組み合わせた3電池の連携制御により電子レンジ組立工場の電力を再生可能エネルギーで賄う実証設備の導入が完了し、試運転を開始しました。PMUKの拠点内で必要な電力のみを効率的に発電、蓄電することでレジリエンス性を高め、また工場の電力需要変化と英国の気象変化に追随するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を構築し、電子レンジ組立工場に安定して再生可能エネルギーを供給するEMS運用を、2025年3月末までに開始する予定です。
PMUKでは、電子レンジ組立工場の使用電力量に最適化した分散型システムとして、5 kWタイプの純水素型燃料電池を21台導入、372 kWの太陽電池と1 MWhの蓄電池を組み合わせて必要な電力を100%再生可能エネルギーで供給する運用を目指します。純水素型燃料電池は、21台を連携制御することで運転時間の平準化を図り、無停電メンテナンスを可能にするなど保守性を高めます。また英国内で製造されたグリーン水素を使用することで、電子レンジ組立工場で使用する電力の脱炭素化を実現します。太陽光発電設備については、昨年、PMUK社屋の屋根に設置された合計760 kWの太陽電池のうち、372 kW分を電子レンジ組立工場に使用します。既設の太陽電池に、新設した純水素型燃料電池と蓄電池を組み合わせて3電池の連携制御を行う実効性の高いソリューションの開発および有効性を検証していきます。
また、今回の実証施設では、純水素型燃料電池の発電時に発生する熱を電子レンジ組立工場内の暖房と給湯に利用、コージェネレーションにより純水素型燃料電池のエネルギー効率95%達成を図ります。発電時の熱は、今回新設した「水循環型空調」(大気中の熱を集めてつくる冷温水を室内に循環させて室温を調節)の予熱として活用、熱連携によって温水暖房運転時に更なる消費電力低減を行います。さらに、既設の電気ボイラーとも熱連携を行い、工場内の給湯に必要な消費電力の低減を図ります。EMSの制御においては、外部の現地気象予報データも取り込みながら、気象状況の変化と需要変動など電力需給バランスの実証データを積み重ね、コア技術の一つであるEMS高度化のためのノウハウを蓄積し、再生可能エネルギーの発電、蓄電、送電のロスを最小化し安定的に供給する需給調整技術を強化していきます。
環境先進地域である欧州諸国内で、グリーン水素を活用した自家発電と3電池連携制御を行い、工場の電力を100%再生可能エネルギーで賄う取り組みは、世界的にも類を見ないパナソニックにとっても初の試みです。今回の実証を通じ、地域特性に最適なソリューションの実現を目指すとともに、実証運用を通じて水素事業に関連する現地パートナー企業やビジネス顧客との関係構築を図り、事業基盤の確立を図ります。パナソニックは、WellbeingとSustainabilityが両立した社会を目指し、英国社会と気候変動対策に貢献する新規事業を創出し、来るべき水素社会およびカーボンニュートラルの実現に向けて長期的視点で事業の発展に取り組んでいきます。
対象拠点 |
電子レンジ組立工場 ・ピーク電力:約280 kW・年間消費電力:約1 GWh ・工場建築面積:29,000 m2 |
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運用開始 |
2024年12月 試運転開始/2025年3月頃 EMS実証運用開始 |
実証施設 |
実証サイト敷地面積 約1,200 m2(太陽電池敷設面積を除く) ・純水素型燃料電池:105 kW(21台)・蓄電池:1 MWh ・電気制御室・冷却設備・排熱利用設備・窒素貯蔵庫 ・水素供給エリア(グリーン水素タンクトレーラー供給) ・太陽電池:372 kW(PMUK全体760 kW内、電子レンジ組立工場分) |
検証内容 |
・英国の気象・電力事情、工場の電力需要変化に最適なEMS制御 ・既設太陽電池に組み合わせる3電池連携制御の有効性検証 ・純水素型燃料電池の熱利用(暖房・給湯)によるエネルギー効率向上 |
パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」(以下「PGI」)を掲げ、2030年までに自社の事業に伴うCO2排出量を実質ゼロに、また2050年に向けては、現時点の全世界の排出総量約330億トン(※1)の「約1%」にあたる3億トン(※2)以上の削減貢献インパクトの創出を目指し、事業活動に取り組んでいます。
※1 2019年 エネルギー起源 CO2排出量 336 億トン(出典:IEA)
※2 CO2排出係数は2020年基準
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