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2024年9月25日

技術・研究開発 / プレスリリース

約25 m3(約6畳)の空間で菌への効果確認

空気中に揮発した次亜塩素酸水溶液※1の有効塩素成分が、A群溶血性レンサ球菌を99%以上除菌

【図1 経過時間ごとの付着菌数(A群溶血性レンサ球菌)】

パナソニック株式会社 空質空調社は、食塩水を電気分解して得られる次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、約25 m3(約6畳)の空間において、付着するA群溶血性レンサ球菌を60分間で99%以上除菌する効果があることを検証しました。(※2)

次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解することで生成され、除菌、脱臭に高い効果があります。当社は1987年にカップ式自動販売機の衛生保持システムとして次亜塩素酸水溶液を採用して以来(※3)、30年以上にわたって次亜塩素酸技術を研究し、近年ではインフルエンザウイルス(H1N1)や新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株、手足口病やヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスおよびコクサッキーウイルスなどについて、抑制する効果があることを確認しています。

A群溶血性レンサ球菌は、主に飛沫感染(咳やくしゃみ)や直接接触を通じて伝播し、咽頭炎や皮膚感染症、重篤な場合には壊死性筋膜炎など、さまざまな感染症を引き起こすリスクがある細菌です。具体的には、主に子どもが感染し、発熱や喉の痛みのほか、舌が赤くなったり体に赤い発疹が出たりといった症状が出る「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」や、敗血症、多臓器不全を引き起こすことがあり、近年増加傾向にある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」などがあげられます。

この度の検証結果より、次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、テーブルや手すりなどに付着したA群溶血性レンサ球菌を除菌する効果が期待されます。

■検証方法
回転式除菌フィルタに約100 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3.8 m3/min)を回転式除菌フィルタにあて、有効塩素成分を揮発させて、A群溶血性レンサ球菌を付着させた試料に暴露した場合と、有効塩素成分を暴露させない場合(自然減衰)とで検証試験を行いました。

■検証結果
A群溶血性レンサ球菌に対し、60分間で99%以上の抑制効果を確認(図1)。

※1 塩水を電気分解して得られる水溶液。

※2 今回の検証は、基礎的な研究であり、次亜塩素酸水溶液を搭載した製品での効果検証ではありません。

※3 三洋電機時代の歴史も含む。

【検証の詳細】

25 m3の試験チャンバーの外観

●検証機関・・・パナソニック株式会社
試験機関・・・一般財団法人 北里環境科学センター

●検証装置・・・回転式除菌フィルタに約100 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(3.8 m3/min)を回転式除菌フィルタにあてて有効塩素成分を揮発

●検証方法
・暴露時間・・・0~6時間(暴露<検証装置設置有>/非暴露<検証装置設置無>)
・試験空間容積
暴露・・・約25 m3(約6畳)換気無
非暴露(自然減衰)・・・約25 m3(約6畳)換気無

<菌の設置(暴露)>
・付着A群溶血性レンサ球菌の設置
シャーレに試験菌液10 μL(2 μL×5箇所)を滴下し、恒温恒湿器内で約50分間乾燥させ、試験菌付着シャーレとし、検証装置から1.5 m離れたところに設置(床上1.2 m)

<菌の設置(非暴露)>
・付着A群溶血性レンサ球菌のシャーレを約25 m3(約6畳)試験室内に設置

●暴露方法
約25 m3の試験室内にA群溶血性レンサ球菌を付着させた試料を設置し、検証装置を運転する。
・A群溶血性レンサ球菌の測定
所定時間作用毎にシャーレを回収し、シャーレの洗出し液を試料原液として、滅菌生理食塩液で10段階希釈を作製した。その試料原液または希釈液の各0.1 mLをTSA培地との混釈平板とした。これらの培地を36 ± 2℃で44時間培養した。培養後、発育した集落を数え、シャーレ1枚あたりの付着菌数を求めた。

【次亜塩素酸の除菌効果 主な検証内容】

対象

効果検証内容

検証機関

検証年

A型インフルエンザウイルス
(H3N2)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2015年

ネコカリシウイルス
(ノロウイルスの代替)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2015年

新型インフルエンザウイルス
(インフルエンザ(H1N1)2009ウイルス)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2016年

ロタウイルス

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2016年

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(MRSA)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2016年

肺炎レンサ球菌

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2016年

麻疹ウイルス

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2019年

アデノウイルス

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2019年

エンテロウイルス

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2020年

コクサッキーウイルス

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2020年

アオカビ(胞子)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2020年

クロコウジカビ(胞子)

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2020年

モラクセラ菌

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2021年

マイクロコッカス菌

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2021年

新型コロナウイルス
(SARS-CoV-2)
オミクロン株

気体との接触

株式会社食環境衛生研究所

2023年

新型コロナウイルス
(SARS-CoV-2)
オミクロン株

水溶液との接触

株式会社食環境衛生研究所

2023年

インフルエンザウイルス
(H1N1)

水溶液との接触

株式会社食環境衛生研究所

2023年

A群溶血性レンサ球菌

気体との接触

(一財)北里環境科学センター

2024年

記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

配信元:
パナソニック株式会社
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25 m3の試験チャンバーの外観

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