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2019年1月21日
製品・サービス / プレスリリース
データ通信の大容量・高速伝送化を実現、第5世代移動通信システムの普及に貢献
環境に配慮したハロゲンフリー対応で20層以上の高多層基板の加工性を向上
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、第5世代移動通信システム「5G」などの通信インフラ機器に適した、ハロゲンフリー[1]対応の超低伝送損失[2]多層基板材料 Halogen-free MEGTRON6(代表品番:R-5375)を製品化、2019年4月から量産を開始します。
今後、予定される第5世代移動通信システム「5G」のサービス開始により、データ通信のさらなる大容量・高速伝送化が予想されます。このような中、通信ネットワークの基幹システムを支えるサーバ、ルータ等の中枢を担う多層基板材料にも、大容量・高速伝送に加え、環境への観点からハロゲンフリー対応の材料が要求されています。当社は、独自の樹脂設計技術と配合技術により、ハロゲンフリーでありながら低伝送損失、高耐熱、高信頼性を実現した通信インフラ機器用の多層基板材料を製品化しました。
比誘電率(Dk)[3]=3.4(12 GHz)※1 当社従来品※2 3.4(12 GHz)※1
誘電正接(Df)[4]=0.003(12 GHz)※1 当社従来品※2 0.004(12 GHz)※1
リフロー耐熱性:10サイクルPass(260 ℃ 32層)当社従来品※2 28層10サイクル
絶縁信頼性:1000時間Pass(85 ℃、湿度85 %、50 V)当社従来品※2 同等
熱膨張係数(厚さ方向)39 ppm 当社従来品※2 45 ppm
ガラス転移温度(Tg)[5]:250 ℃/DMA、熱分解温度(Td) 435 ℃
当社従来品※2 Tg 210 ℃/DMA、Td 410 ℃
ICT向け通信インフラ機器、ハイエンドサーバ、ルータ、スイッチ、無線基地局など
本材料は、2019年1月29日~1月31日にアメリカ カリフォルニア サンタクララで開催される「DesignCon2019」に出展します。
昨今、通信インフラ機器用基板材料には、環境に配慮したハロゲンフリー対応のニーズが顕在化してきています。難燃性を維持するためには非ハロゲンの難燃剤を使用する必要がありますが、そのトレードオフとして、特に高周波領域で伝送損失が大きくなる課題があり、通信インフラ機器で求められる大容量・高速伝送とハロゲンフリーの両立は困難でした。今回、独自の樹脂設計技術、配合技術により、ハロゲンフリーでありながら難燃化と高周波領域での低伝送損失化を両立しました。これにより、データ通信の大容量・高速伝送化を実現でき、第5世代移動通信システム「5G」の実現に寄与することが期待されます。
本材料は、当社独自の樹脂設計技術、配合技術により、優れたリフロー耐熱性、絶縁信頼性、さらには高いガラス転移温度と熱分解温度を有しています。これにより高温環境下で高い信頼性を実現できる多層基板材料で、通信インフラ機器の安定稼動に貢献します。
本材料は、当社独自の樹脂設計技術により、20層を超える高多層基板においても、優れた製造性および加工性を実現できます。これにより、高多層設計が求められる通信インフラ機器にも、環境に配慮したハロゲンフリー対応の基板材料を導入することができます。
<品番> コア材:R-5375(N)、R-5375(E)、プリプレグ:R-5370(N)、R-5370(E)
規格JPCA-ES-01-2003にて規定される、焼却時にダイオキシンの発生の可能性があるハロゲン(臭素(Br)、塩素(Cl))の含有量が規格値以下であるもの。
回路を流れる電気信号が、距離や回路から受ける抵抗等により熱などに変換され、減衰していく現象。導体(回路)や回路が接触する絶縁体(基板材料)の特性により損失は異なる。
誘電率とは絶縁性の物質に外部から電荷を与えたときの分極のしやすさをあらわし、物質固有の値をもつ。分極しやすい物質ほど電気を蓄えやすい傾向があるため、電気信号を効率よく流すためには分極しにくい(誘電率が小さい)物質が有利である。比誘電率とは、真空の誘電率を1とした場合の物質の誘電率の比率。
絶縁性の物質が蓄えた電気を放出する際の損失量を示す。誘電正接が小さいほど蓄えられた電気は効率よく放出されるため、電気信号の伝送損失は小さくなる。
高分子などを加熱した場合にガラス状の硬い状態から柔らかいゴム状態に変わる現象をガラス転移といい、ガラス転移がおこる温度をガラス転移温度という。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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