本技術は、「自己教師あり学習」のアルゴリズムを俯瞰できる理論を確立した学術的な貢献と先進性が国際的に認められ、AI・コンピュータビジョン技術のトップカンファレンスであるIEEE/CVF International Conference on Computer Vision (ICCV) 2023に採択されました(採択率26.15%)。2023年10月2日から2023年10月6日にフランスパリで開催される本会議で発表します。
この課題に対し、パナソニックHDは、確率統計的なアプローチでの解決を試みました。不確実性の表現に優れたAI技術としてはVariational Auto Encoderなどに代表される確率的生成モデルが知られています。本研究では、この確率的生成モデルの数式から、従来の「自己教師あり学習」で用いられる数式を導出できることを証明し、二つの異なるAI技術の関係を理論的に明らかにしました(図1)。さらに、この知見を応用し、データセット中の画像の不確実性を推定できる手法を開発しました。ImageNet100(ベンチマークデータセット)に対する評価実験で、画像の不確実性を本手法が推定できたことを定性的に実証するとともに(図2)、本手法で不確実性が高いと推定した画像を画像分類にかけた際、正答率が低くなる傾向がある、すなわち不確実性がAIの認識率に影響するという定量的な知見を得ました(図3)。