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2019年1月10日
製品・サービス / トピックス
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(以下、パナソニック)は、車載、産業機器向け半導体パッケージに適したデラミネーション(※1)フリー半導体封止材を製品化、2019年1月より本格量産を開始します。本製品は、半導体パッケージの高温動作時における信頼性向上と長寿命化に貢献します。
▼デラミネーションフリー半導体封止材 CV8213シリーズの詳細情報
https://industrial.panasonic.com/jp/products/electronic-materials/semiconductor-encapsulation/ecom-super-fine/ecomcv8213?ad=press20190110
▼商品のお問い合わせ先
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2201&field_contact_lineup=3240&ad=press20190110
車載、産業機器向けに使用されるパワーデバイスは、小型化、大電流化、モジュール化を背景に、半導体パッケージの高温化が進み、特に高温下では、リードフレーム(※2)と半導体封止材の線膨張係数の差により密着不良が発生する課題がありました。パナソニックでは、独自の樹脂設計技術、樹脂反応技術により、この課題を解決するデラミネーションフリー(※3)半導体封止材を製品化しました。本製品は、車載向け電子部品の信頼性規格(AEC-Q100、Q101/Grade0(※4))を達成し、長期耐熱性が要求される車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)や、産業機器の高信頼化に貢献します。
※1 デラミネーション:半導体パッケージ内のリードフレームと半導体封止材間の剥離のこと。
※2 リードフレーム:半導体チップを支持固定し、回路基板の配線と接続する部品のこと。
※3 当社評価サンプルでSAT(超音波探傷装置)を用いた測定方法により、リードフレームと半導体封止材間に剥離部分が検出されないことを表す。
※4 AECとは「Automotive Electronics Council」の略で、自動車メーカーと米国の電子部品メーカーで構成された団体。車載用電子部品の信頼性の世界基準規格化を進めており、Q100は集積回路部分、Q101はディスクリート半導体のカテゴリー、Grade0は使用範囲温度-40℃から150℃を表す。
■デラミネーションフリー半導体封止材 CV8213シリーズの特長
1. リードフレームと半導体封止材の剥離を抑制するデラミネーションフリー対応で半導体パッケージの高耐熱性と長寿命化を実現
・温度サイクル試験(TC試験):1000サイクル(-65℃から175℃)で剥離なし
2. 半導体封止材とリードフレームの密着性向上と樹脂内の低ストレス化により、車載部品に要求される信頼性を達成
・車載用電子部品の信頼性規格AEC-Q100、Q101/Grade0達成
3. 車載用クリップボンドパッケージ(※5)にも対応、半導体パッケージの信頼性向上に貢献
■特長の詳細説明
1. リードフレームと半導体封止材の剥離を抑制するデラミネーションフリー対応で半導体パッケージの高耐熱性と長寿命化を実現
従来材は、高温時のリードフレームと半導体封止材の線膨張係数の差が大きく、車載用途に必要な温度サイクル試験(条件:-65℃から175℃で1000サイクル)では、リードフレームと半導体封止材間に剥離(デラミネーション)が発生していました。この為、リードフレーム表面の粗化処理等を行う必要がありました。本製品は、パナソニック独自の樹脂設計技術と反応制御技術を採用することで、高温時のリードフレームと半導体封止材の線膨張係数の差を小さくすることにより、リフロー時や温度サイクル試験時などの高温下でもデラミネーションの発生を抑制することができ、半導体パッケージの高耐熱性と長寿命化に貢献します。
2. 半導体封止材とリードフレームの密着性向上と樹脂内の低ストレス化により、車載部品に要求される信頼性を達成
本製品はパナソニック独自の樹脂設計技術により、リードフレームと半導体封止材の密着性を高め、半導体封止材の低弾性化により、高温時における両者間のストレスを緩和できます。この為、従来難しかった車載用電子部品の信頼性規格AEC-Q100、Q101/Grade0をクリアすることができ、車載用途に要求される半導体パッケージの信頼性確保を達成しています。
3. 車載用クリップボンドパッケージ(※5)にも対応、半導体パッケージの信頼性向上に貢献
車載用半導体パッケージは高温、大電流下で使用される為、従来のワイヤボンディングから、クリップボンディングへと移行が進んでいます。クリップボンドパッケージは、半導体封止材とリードフレームの金属の接触部分(クリップ部)の面積が大きくなる為、封止材とクリップ部との密着性を高めることが要求されます。本製品は、高耐熱性と優れた密着強度を実現しており、今後、車載用途で採用が見込まれるクリップボンドパッケージに対応でき、半導体パッケージの信頼性向上に貢献します。
※5 クリップボンドパッケージ:半導体チップとリードフレームの接続にアルミなどを使用するワイヤボンディングに代わって、銅クリップ等を半導体チップに直接接続する構造の半導体パッケージ。
■用途
ECUなどの車載分野向け、ロボットなどの産業機器分野向け半導体パッケージなど
■販売地域:グローバル
■備考
2019年1月16日(水)~18日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブ ワールド / 第11回 カーエレクトロニクス技術展」および2019年3月20日(水)~22日(金)までShanghai New International Expo Centreで開催される「SEMICON CHINA 2019」に本製品を出品します。
■基本仕様
【製品名】デラミネーションフリー半導体封止材 CV8213シリーズ
・ガラス転移温度:125℃
・線膨張係数(α1/α2):10/46 ppm/℃
・曲げ弾性率(260℃):0.4 GPa
・吸湿率:0.13 %
・pH:7.0
・温度サイクル試験:-65℃から175℃、1000サイクル達成
<関連情報>
・パナソニック 電子材料
https://industrial.panasonic.com/jp/electronic-materials
・パナソニック 電子デバイス・産業用機器
http://industrial.panasonic.com/jp
・パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ais.html
記事の内容は発表時のものです。
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