2024年9月17日
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パナソニック株式会社は、一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する「2023年度省エネ大賞」において、エレクトリックワークス社の「京都ビルにおけるZEB Ready化を伴う省エネ改修」が省エネ事例部門で、くらしアプライアンス社の「GX対応冷蔵庫 9Xシリーズ」が製品・ビジネスモデル部門で、それぞれ最高賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
また、くらしアプライアンス社の「カーボンニュートラル実現に向けた低温フローはんだ工法の開発」が省エネ事例部門の「省エネルギーセンター会長賞」を、エレクトリックワークス社の「世界初 水素を活用した3電池連携によるCO2ゼロ向上に向けた取り組み」が同部門の「審査委員会特別賞」を受賞。さらには、空質空調社の「再エネ利用最大化のための個別空調システム『ハイブリッドGHP』の開発」と、「省エネ性と快適性を追求するエアコン『エオリア24XS・HXシリーズ』」が、それぞれ製品・ビジネスモデル部門の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
以上、パナソニック株式会社では、2023年度の省エネ大賞で、計6件受賞しました。
「省エネ大賞」は、国内の産業・業務・運輸部門に属する企業、工場、事業場などの省エネを推進している事業者および省エネ性に優れた製品を開発した事業者の活動を発表大会で広く共有するとともに、優れた取り組みを行っている事業者を表彰することで、省エネ意識の浸透、省エネ製品の普及促進、省エネ産業の発展、および省エネ型社会の構築に寄与することを目的としたものです。
パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定しました。自社でのCO2排出量削減に加え、社会におけるCO2削減貢献量の拡大と、資源効率が脱炭素化に寄与し限られた天然資源の消費を削減するサーキュラーエコノミー実現に向けた事業活動に取り組んでいます。今回受賞した製品や取り組みは、このビジョンに合致するものです。
今後、グループのPanasonic GREEN IMPACT実現に向けた事業活動を通じて社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
Panasonic GREEN IMPACT - 企業情報 - パナソニック ホールディングス(holdings.panasonic)
https://holdings.panasonic/jp/corporate/panasonic-green-impact.html
部門名 |
受賞名 |
受賞者名 |
テーマ名 |
---|---|---|---|
省エネ事例部門 |
経済産業大臣賞 |
エレクトリックワークス社 |
京都ビルにおけるZEB Ready化を伴う省エネ改修 |
省エネルギーセンター会長賞 |
くらしアプライアンス社 |
カーボンニュートラル実現に向けた低温フローはんだ工法の開発 |
|
審査委員会特別賞 |
エレクトリックワークス社 草津工場 |
世界初 水素を活用した3電池連携によるCO2ゼロ工場の実現に向けた取り組み |
|
製品・ビジネスモデル部門 |
経済産業大臣賞 |
くらしアプライアンス社 |
クラウド制御で実現 GX対応冷蔵庫 9Xシリーズ |
省エネルギーセンター会長賞 |
空質空調社 |
再エネ利用最大化のための個別空調システム「ハイブリッドGHP」の開発 |
|
省エネルギーセンター会長賞 |
空質空調社 |
省エネ性と快適性を追求するエアコン「エオリア24XS・HXシリーズ」 |
※この他、パナソニックEWエンジニアリング株式会社が、日本ガイシ株式会社様・株式会社日建設計様・鹿島建設株式会社様・株式会社トーエネック様との合同テーマ:「工場低温排熱を使った省エネビルへの取り組み」にて、省エネ事例部門の「資源エネルギー庁長官賞」(業務分野)を受賞しています。
京都ビルは、2012年に創エネ・省エネ・エネマネのエネルギーソリューションを取り入れて建設しました。竣工後10年超を機に改修ZEB実現の先行モデルとして「ZEB化可能性調査」を実施し、設計を開始しました。具体的には、既存建築物への今後の展開を見据え、大掛かりな躯体工事を行わず、高効率な空調・照明設備の採用と共に既設備、機器のダウンサイジングによる効率化に取り組み、再エネを除くBEIを0.47とし、ZEB Readyを達成しました。
また運用面では、エネルギー管理者が常駐しない本ビルにおいても、継続した省エネ運用が可能な様に、空調システムのAI制御や遠隔制御を取り入れました。
本事例は、建物躯体の改修を伴わず、可能な限りコストを抑制してZEB Readyを目指した活動であり、今後類似の既存建築物へのZEB化推進の参考にもなる取り組みです。
本製品は、クラウドを活用して顧客毎の生活リズムに合わせて冷却器の除霜運転を最適化する等の機能を持った家庭向けの冷蔵庫です。
主な特長は、クラウドで客先の使い方を学習、家庭ごとの生活に合わせ冷却器の霜取り運転を最適化する「AIクーリング」、庫内の温度変動を低減し食品表面への霜つきを抑制し長期間おいしさを保つ「うまもり保存」、さらにクラウドが気象警報と連携して停電でも庫内の低温を長続きさせる「停電そなえモード」などであり、JIS条件においてトップクラスの消費電力量(600 Lクラス)を達成するとともに、実使用環境下での消費電力量(霜取り時)を22%削減しました。
本取り組みは、低温はんだを用いたフロー実装を、世界で初めて家電製品の量産に適用した事例です。フロー実装では鉛フリーはんだが主流となっていますが、はんだの融点が高くなってしまうという問題がありました。融点が184℃以下の低温はんだは強度や耐久性がネックとなり実用化が困難でしたが、省エネ性向上、低CO2排出係数の視点から低温フローはんだを選択し、材料メーカーと協力してはんだ組成を最適化。炊飯器・IH調理器等に用いる制御基板のフロー実装に適したSn(錫)とBi(ビスマス)の合金はんだ(Sn-58Bi)および専用のポストフラックスを開発しました。Sn-58Biは、従来の鉛フリーはんだと比べて融点が約90℃下がるため、実装工程の消費電力が約30%削減。さらに、CO2排出係数が小さいBiを用いるため、はんだ自体のCO2排出係数も大幅に減少。これにより、実装工程トータルの電力は30%、原油換算では11 kL、原材料によるCO2排出量は2.1 tの削減になりました。
草津工場では、RE100ソリューションの実証実験を行い、3電池連携(純水素型燃料電池+太陽電池+蓄電池)により、電力のCO2ゼロ工場を実現しました。RE100ソリューションは液化水素を供給源とした純水素型燃料電池99台の「H2 KIBOU」(495 kW)、太陽電池(約570 kW)と蓄電池(約1.1 MWh)の組み合わせで工場の製造部門の全使用電力(ピーク電力約680 kW、年間電力量約2.7 GWh)を賄い、エネルギーの“地産地消”を目的とした、世界初の水素を本格活用したシステムです。また省エネ活動として、クリーンルームの環境・外気温湿度の変化に追従し、空調条件を最適化(S-EMS制御)できるシステム開発・導入した結果、削減エネルギー量(原油換算)は38.2 kL/年となり、前年度と比較し2023年2月以降のクリーンルームのエネルギー使用量は34%削減しました。
本製品は、エンジン駆動式コンプレッサと電気駆動式コンプレッサを組み合わせたハイブリッドGHPであり、上げ下げDRへの対応を可能としたシステムです。主な機能としては、従来モデルである「スマートマルチ」の遠隔制御に加えて、外付け基板を介してアグリゲータ等からの信号を受信し、運転モードを切り替える機能を搭載し、空調性を損なうことなく手軽に電力変動への対応を可能としました。運転モードの1つには電力を優先的に使用するモードを搭載し、簡易的な上げデマンド運転も可能としました。また、運転制御において電気とガスの良いとこ取りで標準GHPからAPFpを約16%向上し、業界トップクラスのAPF2.46(20馬力)を達成。さらに、設置スペースは標準モデルと同等とし、電気またはガス遮断時の運転継続範囲の拡大も実現しました。
当社は、省エネ性と快適性を追求するエアコンの開発を推進しており、独自のセンサ技術と学習制御で無駄を省く「エオリアAI」や、圧縮機の排熱を霜取り運転や冷房に活用する、「エネチャージ」によって実使用上の省エネ性を高めてきました。本製品においては、需要の高まるZEH住宅への対応を念頭に、低負荷条件での省エネ性能や高気密住宅特有の湿度の上昇や空気の滞留によるストレスを解消する機能開発に取り組みました。具体的には、従来のエネチャージ快湿制御に加え、精緻な風量制御と圧縮機制御の進化により低能力運転を実現する「エコインバータ制御」、室内の温度ムラを解消する「暖房サーキュレーション気流」により更なる省エネ性向上を実現しました。
記事の内容は発表時のものです。
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