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2023年2月9日
製品・サービス / プレスリリース
研究開発体制を強化し、地域軸経営を推進
提案からアフターメンテまで一気通貫な組織を新設(※1)
パナソニック株式会社 空質空調社は、環境テクノロジー革新で空質と空調の複数機能を組み合わせたソリューションを進化させることに加え、オペレーション改革によるグローバルな地産地消の推進、継続顧客接点強化に向けた組織改革の3つの戦略で設備事業を拡大します。
国内では住宅や建物の消費エネルギー量を正味ゼロにするZEB/ZEH化が進む中、給気と排気の熱を交換しながら熱ロスを抑制した換気を行う熱交換気ユニットの市場が年率5~10%(※2)で成長。当社は住宅向けでトップシェア(※3)を獲得するとともに、同製品と空調を組み合わせることで、更なる省エネを実現しています。また、グローバルに新しい生活様式が定着し、温度、湿度、除菌など空気質に対する多様なニーズに対応したソリューションが求められるようになり、これを提案、施工、メンテナンスする設備事業の需要が高まっています。
当社は、この事業を、空気質への関心が高く、ソリューションへのニーズが見込まれる日本、北米、中国、東南アジアで展開しています。主なソリューションとして、日本では、2019年2月、戸建て向けに、ルームエアコン1台と熱交換気ユニットを組み合わせて住まい全体を冷暖房する全館空調熱交換気システム(以下、全館空調)「withair®(ウィズエアー)」を発売。22年4月には、非住宅向けに空調、換気、除菌機能などを一体化した「業務用空質空調連携システム」の販売を開始しました。海外では、中国で、21年4月から、エアコンと除加湿機を連携させた「創新システム」を展開し、22年11月にはジアイーノによる除菌・脱臭機能を追加しました。東南アジアで、21年8月から、ルームエアコンと給気ファンを連携させた住宅用空調システム「Complete Air Management System」を展開してます。これらソリューションを拡大する設備事業戦略は、次の通りです。
1.【環境テクノロジー革新】ソリューションの技術進化で、さらなる省エネルギー化を実現
国内では、22年6月、新たにマンション向け全館空調「withair® CUBE(ウィズエアーキューブ)」を発売。本製品に使用されているルームエアコンは、一定の温度を保つために強弱運転を繰り返す通常の仕様と異なり、高効率な、ノンストップの低負荷運転を維持するように設計されています。また、外気と室内の温度交換率約80%の熱交換気ユニットを組み合わせることで高い省エネ性を実現しました。
2.【オペレーション改革】北米と東南アジアの研究開発体制を強化、地域軸経営を推進
北米では、環境問題への意識の高まりやエネルギー価格高騰を背景に、省エネルギーを実現する熱交換気ユニットの需要が伸長しています。天井埋込形換気扇の製造拠点であるメキシコ工場にて、23年1月に同製品の生産も開始し、商品供給リードタイムの短縮を図るとともに、23年度以降、研究開発体制も強化し、現地ニーズにフィットした製品をスピーディーに開発していきます。
また、東南アジアでは、23年3月、マレーシアに約20億円を投資して、R&Dセンターの新棟を建設し、現地ニーズに合わせた業務用空調機器やソリューションの開発を加速させます。
3.【継続顧客接点強化】提案から施工、アフターメンテナンスまで一気通貫な組織を新設
23年4月から、製品の提案から施工、アフターメンテナンスまで一気通貫に対応できる体制を構築します。非住宅向け製品では、企画・開発・生産を行う「設備ソリューションズ事業部」とマーケティングを担う「ソリューション・エンジニアリング事業本部」を新設。また、住宅向け製品ついても同様に、企画部門の「住宅システム機器事業部」とマーケティング部門の「マーケティング本部」を新設し、それぞれに、日本、北米、アジアなど地域別部門を設け、製販一体となって事業を行います。
※1:労組へ申入れ・労使協議中
※2:業務用は日本冷凍空調工業会、家庭用は日本電機工業会の自主統計
※3:住宅向け熱交換気システムにおいて。当社調べ(2021年度)
マンション向けの全館空調「withair® CUBE」は、従来、各居室ごとに設置していたエアコンなどの空調機器を1か所に集約。ヒートショックや熱中症の対策のために、住戸内をほぼ均一の快適な温度に保ちます。本システムは、株式会社長谷工コーポレーションのマンション建築・設備のノウハウを反映し、住宅・建設・街づくり事業を展開するプライム ライフ テクノロジーズ株式会社、システムの設置工事を行うパナソニック建設エンジニアリング株式会社と共同して事業展開していきます。
1. 高効率ルームエアコンと熱交換気による高い省エネ性能
APF6.3(※4)を達成した高効率ルームエアコンの安定運転に加え、温度交換率約80%の熱交換気ユニット、さらに生活に合わせて運転をセーブする機能により、高い省エネルギー性能を実現しました。
2. 温度ストレスの少ない住戸内空間
24時間、快適な温度の空気を循環させるため、1日、1年を通してほぼ均一な温度環境を維持します。また、最適な吹き出し温度と当社独自の気流制御により、居室内の上下の温度差を小さくし、より快適で温度ストレスのない住戸内空間を実現します。
3. 空気清浄度の高い新鮮な空気環境
全館空調にHEPAフィルターを設置。0.3 μm以上の微小粒子を捕集した空気を各居室に送ることで、住戸内全体の空気を浄化します。また、換気による効果で住戸内のCO2濃度の上昇も抑制します。
※4:通年エネルギー消費効率のこと。JIS C9612の条件に基づきエアコンを運転した時の消費電力1キロワット当たりの冷房・暖房能力を表わしたもの。
当社は16年7月に、パナソニック エコシステムズ メキシコ株式会社で天井埋込形換気扇の生産を開始し、北米での販売シェア2位(※5)を誇ります。住宅の高気密化による室内空気質の悪化や、空調負荷軽減による省エネルギー化のニーズに対応するため、23年1月から新たに熱交換気ユニットの生産も始め、商品供給リードタイムの短縮を図ります。さらに、現地で、23年度上期には天井埋込形換気扇、24年度には熱交換気ユニットの研究開発を強化します。これにより、現地主導で換気扇のフルモデルチェンジを行うなど、ニーズに合った製品を、迅速に開発できる体制を構築します。
※5:2023年2月9日現在、当社調べ。
■パナソニック エコシステムズ メキシコ株式会社
名称 |
パナソニック エコシステムズ メキシコ株式会社 |
---|---|
所在地 |
メキシコ合衆国バハ・カリフォルニア州ティファナ市 |
延床面積 |
86,721平方メートル(2階建て) |
生産品目 |
天井埋込形換気扇、熱交換気扇 |
生産開始 |
天井埋込形換気扇:2016年7月 |
マレーシアにあるパナソニック AP エアコンR&D マレーシア株式会社は、ルームエアコンやパッケージエアコン、ビル用マルチエアコンなど幅広い商品の開発を行っています。23年3月に、R&Dセンターの新棟を建設し、現地ニーズに合致した業務用空調機やソリューションの開発を加速させます。
■パナソニック AP エアコンR&D マレーシア株式会社
名称 |
パナソニック AP エアコンR&D マレーシア株式会社 |
---|---|
所在地 |
マレーシア |
設立 |
1972年 |
延床面積 |
R&D新棟 3,640平方メートル |
対象品目 |
ルームエアコン、パッケージエアコン、ビル用マルチエアコン、Air to Water |
23年4月から、製品の提案から施工、アフターメンテナンスまで一気通貫に対応できる体制を構築し、住宅、非住宅のそれぞれの製品軸で企画部門とマーケティング部門を新設します。住宅向けでは、「住宅システム機器事業部」がルームエアコンや空気清浄機などの企画開発を行い、「マーケティング本部」が営業を担います。また国内外の多様なニーズに対応するため、日本事業のほか、広域事業として北米、アジア地域を担当する部門を設けます。非住宅向けでは「設備ソリューションズ事業部」が業務用空調などの企画開発を行い、「ソリューション・エンジニアリング事業本部」が営業を担います。
また、顧客接点強化に向けて、共創拠点である「AIR HUB TOKYO」と、実空間で空気質を検証する「IAQ検証センター」を進化させます。22年6月に東京都日本橋に設立した「AIR HUB TOKYO」では、これまで55社と共創を行ってきました。今回、ソリューションの先進的な事例として、温度、湿度に加え、新たに香りや照明、音響を組み合わせた「Air Creation Room」を設置し、顧客の体感を通じたフィードバックを元に、商品の開発に反映させます。22年4月に愛知県春日井に設立した実空間で空気質を検証する施設「IAQ検証センター」では、22年11月「空質空調検証室」を設置。マイナス20℃から50℃までの温度と湿度を可変でき、戸建て、マンション、店舗など、室内の窓取りを自由に設定でき、あらゆる環境でソリューションの効果を検証可能になりました。
■住宅用空調システム「Complete Air Management System」
「Complete Air Management System」は常時空気質をセンシングし、自動でコントロールする住宅用空調換気融合システムです。東南アジアのタイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアの4か国で展開しています。
1. 空調と換気の連携システムで部屋の空気質を自動でコントロールし、きれいで快適な空間を提供
本システムはルームエアコンと給気ファンを無線LANで接続し、連携させます。リモコンのセンサーが空気質(温度、湿度、CO2、PM2.5)を常時センシングすることで、最適な冷暖房の強さ、換気量を自動でコントロールします。
2. CO2の濃度に合わせて給気の風量を適正に制御し、窓を開けずにエアコンの省エネルギー化を実現
給気ファンにはフィルターが搭載され、外気からの有害物質の侵入を防ぎます。CO2濃度をセンシングし、給気ファンに新鮮な空気を室内に取り込みます。
3. 操作アプリでは温度・湿度・PM2.5・CO2を数値で見える化し、空気状態を4段階で評価
スマートフォンをルームエアコンと給気ファンにペアリングすることで、手元で機器の操作が可能です。アプリでは空質状況を4段階で表示し、部屋の「今」の空気状態を手軽に確認できます。
記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。