2024年10月10日
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パナソニック株式会社 インダストリー社は、自動車のロードダンプサージ[1]からECU(Electronic Control Unit)を保護する「ZNR®[2]高エネルギーバリスタ[3]」を製品化しました。2022年3月より量産を開始します。
環境意識、安全意識の高まりから、二輪車を含む自動車の電子化・電動化が進み、搭載されるECUの数が増加。また、エンジン等の発熱部近傍への搭載も増加しており、ロードダンプサージ保護用デバイスの耐熱性への要求が高まっています。
当社は、1968年に世界で初めて「ZnOバリスタ(酸化亜鉛バリスタ)」の開発実用化に成功。以来、長年培ってきたバリスタ技術を生かしロードダンプサージ対策用バリスタの耐熱性向上に努め、このほど、車載でより広範囲な使用用途に対応できる「ZNR®高エネルギーバリスタ」を製品化しました。
車載ECU等のロードダンプサージ保護
(ライティング、エンジン制御、電子メーターのECU及びUSBチャージャー等)
車載用途では、エンジン等の発熱部近傍へのECUの搭載数増加に伴い、より高耐熱なバリスタの要求が高まっています。しかし、従来のバリスタでは、樹脂モールド構造によって基板のたわみ応力に対しては強いものの、部品単体での温度変化による急激な熱応力に弱く、使用温度範囲を-40℃~125℃に制限する必要がありました。そこで当社は、各種高耐熱デバイスで蓄積した材料設計及び構造設計技術を応用し、温度変化による応力を大幅に低減し、業界最高レベルの使用温度範囲-55℃~150℃を実現しました(当社従来品:-40℃~125℃)。
車載ロードダンプサージに関する国際規格ISO16750-2やJASO D 001-94 A種 A-1[5]に対応する耐ロードダンプサージ性能を有し、業界最小※の制限電圧 35 Vmax.の実現で、車載ECUのサージからの優れた保護性能を提供します。
本製品は、6.4 mm(W) x 8.0 mm(L) x 5.5 mm(H)と小型で、同等性能のツェナーダイオード[6]に比べ、実装面積、重量を1/2以下に抑えることができ、省スペース化、重量低減が図れ、環境負荷物質使用量の削減に寄与します。
製品品番 | ERZHF2M220F |
---|---|
最大許容回路電圧 | DC16 V |
短時間過電圧 | DC24 V-5min |
バリスタ電圧 | 22.0 V(20.0~23.2 V) |
制限電圧 | 35 Vmax. @5A(8/20 us) |
耐ロードダンプサージ性能 | JASO D 001-94 A A-1, 70 V, 1回 ISO16750-2 TEST A |
保存/使用温度範囲 | -55℃ ~ 150℃ |
自動車のエンジン動作時にオルタネータがバッテリーを充電している状態で、バッテリーへの接続が途絶えた時に発生するサージ。
ZNRは、Panasonicの登録商標名で、酸化亜鉛を主原料とした印加電圧によって抵抗値が変化する電圧依存性セラミック抵抗器(バリスタ)。2018年電気技術顕彰「でんきの礎」(電気学会)受賞。
非直線性抵抗素子の意味であり、名称はvariable resistorに由来。1968年に当社が開発実用化に成功した世界初の「ZnOバリスタ(酸化亜鉛バリスタ)」は、雷サージなどの過電圧対策技術に革命を起こし、高度情報社会とエネルギー社会の発展に貢献。
サージ電圧が印加された時、バリスタによって抑制される電圧。標準的なインパルス電流波形(8/20 us)を印加して、バリスタの端子間電圧を求める。
(社)自動車技術協会が制定した「自動車電子機器の環境試験方法通則」に規定されている12 V系の過渡電圧試験。2010年3月に廃止。
ダイオードの一種である半導体素子。別名を定電圧ダイオードとも言う。サージやノイズ保護にも使われる。
パナソニック(株)インダストリー社 デバイスソリューション事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2169&field_contact_lineup=807&ad=press20220325
車載ECU ロードダンプサージ保護用「ZNR®高エネルギーバリスタ」
https://industrial.panasonic.com/jp/products-emc-circuit-protection/circuit-protection/surge-components/High_Energy_Varistor-pr?ad=press20220325
以上
記事の内容は発表時のものです。
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