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2021年11月15日
製品・サービス / プレスリリース
地球温暖化防止への新たな取り組み
廃材1本で温室効果ガスを約1.3トン削減(CO2換算値)(※1)
パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部(以下、当社)は、業界で初めて(※2)アブラヤシの廃材を活用した再生木質ボード化技術を開発しました。
アブラヤシの果実から採取されたパーム油は、食用油や洗剤の原料として多岐にわたって使用されており、商業作物としてマレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国で大規模に栽培されています。
しかし、25~30年の収穫期間を終えて伐採されたアブラヤシの廃材の多くは農園内に放置され、腐敗時に、メタンガスを含む温室効果ガスが発生することが問題視されています。メタンガスの温室効果は二酸化炭素(CO2)の約25倍と言われています。そのため、アブラヤシ廃材の活用は温室効果ガス削減の有効な解決策となります。また、世界的に木材資源の減少が深刻化する中、未利用資源であるアブラヤシ廃材由来の再生木質ボードは従来の木質ボードの代替品として高い利用価値を有しています。
当社は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム「SATREPS(サトレップス)」(※3)の研究課題(日本とマレーシアの2国間プロジェクト)(※4)に参画し、アブラヤシ廃材の有効活用策として再生木質ボードの開発に取り組んできました。アブラヤシ廃材は水分が多く腐りやすいなどの特性から活用が困難とされていました。そこで、当社は不純物を洗浄工程により除去し、抽出した長繊維を圧縮成形する独自の中間材を用いた再生木質ボード化技術を開発。品質の安定したボードへ再生することに成功しました。中間材化することで輸送性・保管性も向上するため、遠隔地のボード工場でも従来の木質ボード原料と同じように使用することが可能となります。また、原料の海上輸送の効率化による温室効果ガス削減にも貢献します。
当社は、地球温暖化防止の取り組みを速やかに波及させていくため、規模が大きく成長の著しいアジア家具市場に着目しました(2020年度のアジアの家具市場は年間26兆円(※5))。
まずは、日本国内家具市場への導入に取り組みます。22年春に、国内家具製造業者へ再生木質ボードを提供し、株式会社 大塚家具、株式会社 東京インテリア家具と協働して受容性検証を開始、23年度以降は家具市場以外へも用途を拡大し、さらに海外市場へと展開していく予定です。
当社は、快適性の高いくらし空間を提供するとともに、事業を通じて地球環境問題の改善に貢献していきます。なお、当社は本技術について「アジア・ファニシング・フェア 2021(会場:東京ビッグサイト、会期:2021年11月17日~2021年11月19日)」に出展します。
ハウジングシステム事業部 イノベーション本部 新基材事業開発プロジェクト
電話:06-6906-7033
アブラヤシ廃材の幹は、水分や不純物を多く含み活用が困難でしたが、洗浄工程により不純物を除去し、抽出した長繊維を圧縮成形することで中間材化しました。
中間材化技術を用いてアブラヤシ廃材を任意の配合率で再生木質ボードに再生し、炭素固定することで温室効果ガス削減に貢献します。
中間材化したボード原料は、従来の再生木質ボード原料と比較し、輸送性・保管性に優れており、遠隔地の既存木質ボード工場においても従来の設備で生産可能にしました。
25~30年で収穫期を終えたアブラヤシ廃材の多くは、農園内に放置されます。その際の腐敗に伴うメタンガスを含む温室効果ガスの発生や病害虫による生育不良が懸念されています。
その廃材を回収・活用することで、農園内に資源循環を促し、現代の生活に不可欠なパーム油産業の持続的発展にも寄与します。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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