2024年12月17日
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パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、高純度の水素と空気中の酸素との化学反応で発電する純水素型燃料電池を開発しました。業務用途をターゲットに、2021年10月1日より発売します。
近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しており、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラルの実現を目指すという宣言が、世界各国・地域で出されています。この実現には、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスといった再生可能エネルギー(再エネ)の導入が欠かせません。しかし、太陽光や風力による発電は気象条件によって出力が大きく変動し、需要に合わせた発電ができないうえ、余剰電力を蓄電池などに蓄えたり、不足電力を補う仕組みが必要です。
そこで、次世代エネルギーとして関心を集めているのが水素です。水素は、地上だけではなく宇宙で最も多く存在する元素であり、燃焼や化学反応により熱エネルギーや電力として利用可能で、その際にCO2を排出しません。さらに、再エネの余剰電力を用いた水の電気分解により、エネルギーを水素に変換して長期間安定に蓄えることが可能であり、エネルギーの保存性や利活用の観点からも大変優れています。このような背景から、水素の急速な普及拡大が予測されています。
当社は、都市ガスから取り出した水素を用いて発電する家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム※3」を、2009年に世界で初めて発売しました。以降、10年以上にわたり、発電効率の向上や稼働時間の改善、システムの小型化などエネファームを進化させてきました。同時に、水素社会の到来を予見して直接供給される水素を燃料として発電する純水素型燃料電池の研究開発も並行し、2012年、ゆめソーラー館やまなし(甲府市)での実証を皮切りに、日本各地で実証を重ねてきました。
この度、製品化した純水素型燃料電池は、エネファームで培った技術を応用しています。例えば、燃料電池のキーデバイスであるスタックをエネファームと共用化することにより、安定した発電性能と業界最高※1の発電効率56%※2を実現しました。また、本製品は業務用途をターゲットにしているため、家庭用エネファームの発電出力(700 W)の7倍以上となる5 kWに発電出力を強化。さらに、複数台を連結制御することで需要に応じて発電出力をスケールアウト可能にするほか、軽量・コンパクトな筐体サイズを生かして、建物の屋上や狭小地などさまざまな設置条件にも柔軟に対応します。
また、今後、パナソニック製 純水素型燃料電池に対して「H2 KIBOU※4」という愛称を使用していきます。水素社会への希望という意味を込めて名付けました。
パナソニックは、水素の本格活用という再生可能エネルギーの導入拡大に向けた新たな選択肢の提案を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
単体で、小規模な商業施設などの需要に適した5 kWの発電出力が得られます。さらに、複数台を連結制御することで、需要に応じた出力アップに対応します。また、パソコン上の専用アプリと接続することで、発電電力や状態の表示、発電のON/OFF、エラー通知など遠隔制御が可能です。1台のパソコンで最大10台(50 kW)まで同時接続が可能ですが、さらに10台を1ユニットとして束ねることで、MWクラスの発電出力にも対応します。
エネファームのキーデバイスである燃料処理器(ガスから水素を取り出す装置)が、純水素型燃料電池では水素を直接供給するため不要となります。その結果、水素から電力への効率的な変換が可能となり、純水素型燃料電池として業界最高※1の発電効率56%※2を実現しました。発電効率が高ければ水素の使用量削減につながるため、トータルのランニングコスト削減に貢献します。
貯湯ユニット(推奨品)を接続すれば、発熱時の熱をお湯に変換して利用できます。熱回収効率を含めたエネルギー利用効率は95%※2を実現。エネルギーを無駄なく、より有効活用できます。
抵抗器ユニット(推奨品)と起動用電源を使用すれば、停電時にも発電が可能です。これらの停電対応ユニットを接続することで、停電時でも発電を継続させ最大2.5 kWの電力を120時間使えます。停電時に水素を供給するだけで発電が可能になるため、BCP(事業継続計画)に寄与します。
約1分で起動が可能です。素早い応答が求められるピークカットに役立ちます。
燃料電池種類 | 固体高分子形(PEFC) | ||
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品番 | FC-5KLR1HS | ||
環境 | ガス種 | 純水素(水素濃度99.97%以上) | |
ガス供給圧力 | 50 kPa | ||
設置環境温度 | -10℃~40℃(常時通電前提) | ||
設置可能高度 | 標高500 m以下 | ||
設置 | 本体寸法 | W834 mm×D417 mm×H1766 mm (デザインパネルを含む) |
|
運転質量 | 205 kg(デザインパネルを含む) | ||
設置離隔距離 (メンテスペース) |
前面 600 mm | ||
背面 600 mm | |||
上面 1000 mm | |||
左右側面 600 mm | |||
基本性能 | 発電出力 | 5000 W(停電時出力2500 VA) | |
出力電圧 | 1 φ 3 W AC200 V(自立時1 φ 2 W AC100 V) | ||
発電時間 | 最長120時間 | ||
消費電力 | 通常最大時 | 155 W以下 | |
凍結予防ヒータ | 凍結予防ヒータ 578 W | ||
無負荷時(待機時) | 30 W以下 | ||
ガス消費量 | 定格発電時 | 49.6 NL/m | |
最大時 | 51.6 NL/m | ||
熱出力 | 排熱回収温度 | 約60℃ | |
定格発電時熱出力 | 3480 W | ||
効率 | 発電効率(LHV/HHV) | 56%/47.3% | |
排熱回収効率(LHV/HHV) | 39%/32.9% | ||
起動時間 | 約1分(定格出力開始までは約7分) | ||
通常停止時間 | 約30秒 | ||
ドレン排水量 | 約1.2 L/h | ||
系統連系 | 認証取得 | ||
電圧上昇抑制あり | |||
逆潮流あり | |||
単独運転検知対応 | |||
メンテナンス | 通電18000時間ごと(メンテA) 累積35000時間発電(メンテB) 累積54000時間発電(メンテC) |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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