パナソニック株式会社は、宿泊事業者向けに、人間の様々な感覚を刺激し、最適なマインドフルネスアクティビティを提供する新しい宿泊体験ソリューション「(MU)ROOM(ムルーム)」を開発しました。この(MU)ROOMを「ホテル アンテルーム 京都」(京都府京都市)に実際に設置し、同ホテルと共同で事業効果の検証を2021年3月2日から行う予定です。
【背景】
人々の価値観や法制度の変化により、単に宿泊するだけでなく特別な体験を提供する宿泊施設が増加しています。その様な中、当社は世界中で広まりを見せているマインドフルネスを軸としたアクティビティが体験できる宿泊提案に着目。ミスト、光、音、香りなど、当社が有する様々な技術を組み合わせて室内空間の環境を制御し、人の感覚を刺激して最適なマインドフルネス空間を演出する宿泊体験ソリューション「(MU)ROOM」を開発しました。
【特長】
「(MU)ROOM」は、一般的なシングルルーム居室の設備を置き換えることが可能なパッケージモジュールとして展開します。物理的に敢えて"何も設置しない"四畳半程度の空間をつくり、早稲田大学人間科学学術院熊野宏昭(くまのひろあき)教授監修の「瞑想プログラム」に応じてシルキーファインミスト*2、照明の調光・調色、空間音響、アロマを連携させるなど、空間の環境を制御し瞑想状態に誘導します。また、プログラム利用時の心拍と呼吸を計測し、専用スマートフォンアプリで瞑想のスコア化*3を可能にしました。
一般的な居室と(MU)ROOMの間取り比較<例>
※基本コンセプトプラン。導入居室に合わせてサイズ変更可能
(MU)ROOMでの瞑想イメージ
【ホテル アンテルーム 京都における効果検証の概要】
- ・期間:2021年3月2日(火)から9月30日(木)まで<予定>
- ・室数:1室
- ・検証内容:
1)宿泊ゲストによる「(MU)ROOM」の受容性評価
2)ホテル運営における導入メリット(優位・波及効果など)評価
ホテル アンテルーム 京都
UDS株式会社(東京都渋谷区)が「企画」「設計」「運営」を手掛け、2011年当時、学生寮として使用されてきた建物をコンバージョンしオープンしたホテル&アパートメント。館内には、ギャラリー・朝食レストラン・バーを併設。2016年のリニューアルでは新たに67室が加わり全128室の客室と50室のアパートメントとなり、コンセプトである「アート&カルチャー」に新たに「和」が加わる。アンテルームではそれら3つのテーマを現在進行形の視点で捉え、「京都の今」を発信している。
HP:https://uds-hotels.com/anteroom/kyoto/news
【(MU)ROOMの主な機能】
- ・シルキーファインミスト技術
- ・空間音響技術(ハイレゾサウンド)
- ・照明制御技術(監修:岡安泉照明設計事務所)
- ・瞑想体験用アプリ(瞑想のスコア化)
- ・パネル工法(設置スペースに応じてサイズ変更可能な工法)
- *1 今この瞬間に起こっている体験に意識を向ける心理的な過程であり、瞑想などの訓練を通じて発達させることができる。医療や福祉の現場でも取り入れているケースがある。
- *2 パナソニック独自の2流体ノズルで生成される極微細ミスト。噴霧後、素早く気化するため、直接当たっても濡れを感じにくく快適な涼感が得られるため、人に近い位置で噴霧ができる従来にないミスト。
- *3 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援をうけてパナソニック株式会社テクノロジー本部にて開発。