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2020年9月18日
製品・サービス / プレスリリース
~ 空間の印象や来院者の気分を改善する環境であることを確認 ~
パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社は、国立大学法人福井大学と共同で、「天窓照明」とスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」などを導入した福井大学医学部附属病院(福井県永平寺町)の待合室にて実証実験を実施。閉鎖空間での疑似天窓とプロジェクターによる空間演出によって、空間の印象や来院者の気分を改善する環境が作られることを確認※1しました。
大規模なビルの中心部や地下では、外界と繋がる開口部を設けることが難しい課題があります。このような無窓空間の問題点として、開放感がなく親しみにくいといった印象面のほかに、作業効率が悪いことや疲労が回復しづらいことがあげられます。そのため、従来より無窓空間における悪影響への改善策が求められています。
今回の実証実験は、疑似天窓とプロジェクターの両方が設置された外光が入らない空間での実験で、福井大学 工学部 建築・都市環境工学科 明石行生研究室、医学部附属病院、および高エネルギー医学研究センターと共同で実施しました。2019年10月から2020年1月の期間に、福井大学医学部附属病院の外来受付Bの待合室で、通院者や来院者延べ379名を対象に実施しました。
実証実験を行った待合室では、「天窓照明」2台で天井を、スポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」1台で床面を演出し、「スピーカー付ダウンライト」1台でシーンに応じた音を再現しました。実験では、(1)青空(2)青空と木洩れ日(3)水面(4)サメが泳ぐシーンなど4種類のパターンを準備。木漏れ日に小鳥のさえずりを組み合わせたり、水面に波の音を組み合わせたり、サメが泳ぐのを下から眺める様子と波の音を組み合わせるなどして、自然や癒しを感じられる空間を演出しました。
これらの実験の結果、演出のない従来環境下(装置オフ)に比べて、演出のある環境(装置オン)では、空間の印象や来院者の気分を改善させる環境であることを確認しました。空間印象評価に関しては、「サメと波の音」のシーンでは「気分を紛らわせられる」、「水面と波の音」のシーン、および、「青空木洩れ日と小鳥のさえずり」のシーンでは「自然を感じる」、「屋外とつながっている」などで向上しました。気分評価としては、「水面と波の音のシーン」および「青空木洩れ日と小鳥のさえずり」のシーンにおいて、「活気-活力」、「友好」などの気分が改善される環境であることを確認しました。またアンケート調査時に、多くの方が導入されたものが好印象であるとの回答を得ました。
このことから、病院の閉鎖的な空間で疑似天窓装置などを利用することにより、空間の印象と来院者の気分を改善しうる環境を提供できる可能性があることがわかりました。なお、本内容については、2020年9月15日にオンラインで開催された2020年度(第53回)照明学会全国大会にて共同で発表しました。
当社は、今後、病院の待合室などの待ち時間が多い場所に対して、「天窓照明」や「スペースプレーヤー」および「スピーカー付ダウンライト」による空間演出の提案をさらに強化していきます。
ライフソリューションズ社 ライティング事業部 R&Dセンター 光イノベーション創生部
電話:06-6908-1131(代表 受付 9:00~17:30)
病院の閉鎖的な空間で疑似天窓装置などを利用することにより、演出のない従来環境下に比べて、演出された空間は、空間の印象や来院者の気分を改善する環境であることが確認されました。
(4)サメと波の音のシーンにおいて「気を紛らわせる」、また、(3)水面と波の音のシーン、および(2)青空木漏れ日と小鳥のさえずりのシーンにおいて、「自然を感じる」、「屋外とつながっている」などで、改善効果を示す環境であることが有意差を持って実証されました。
(3)水面と波の音のシーン(2)青空木洩れ日と小鳥のさえずりのシーンにおいて、「活気-活力」、「友好」などの気分が改善される環境であることが実証されました。
またアンケート調査時に、多くの方が導入されたものが好印象であるとの回答を得ました。
病院アメニティの整備として、中庭の緑化や絵画の設置等を計画している中で、パナソニック様と本学工学部の明石教授より提案があり、天窓照明を設置しました。サメが泳ぐシルエットや木漏れ日が揺れる様子など時間の経過により移り変わっていく様は、比較的待ち時間が長いBブロックで患者さんの気を紛らすなど環境改善に効果が出ていると感じています。本来窓が無い天井に本装置を設置することで解放感を高める役割も果たしており、待合の雰囲気が変わりました。
福井大学医学部附属病院を訪れた延べ379人のご協力を得て実証実験を行いました。実験結果から、人々は、雲が流れる青空に加えて、もっと身近なところで生じる環境の変化に、より自然を感じることがわかりました。例えば、風が木々の枝を揺らすことで木漏れ日がちらちらと変化する様子、風が水面を揺らすことでさざ波が生じて水面での光の反射がきらきらと変化する様子などです。また、人々がその変化に気づいて眺めることで、気分転換になっていることもわかりました。
天窓照明とスペースプレーヤーが、窓のない空間や病院の待合空間などを利用する人々に、癒しの機会を与えてくれることを期待しています。
以上
記事の内容は発表時のものです。
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