2018年4月17日

業界最高の耐振動性能で車載ECUの振動対策に貢献

高耐振動対応 車載用パワーチョークコイルを製品化

高耐振動対応 車載用パワーチョークコイル

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、HEV、EV、ガソリン車などの車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の電源回路に適した、高耐振動対応(50G以上)の面実装タイプ車載用パワーチョークコイル[1] (10mm角サイズ)を製品化、2018年4月より量産を開始します。

環境対応車の燃費改善や環境規制への対応を背景に、自動車の電子化が急速に進み、車載ECUの数や規模は増大しています。加えて、エンジンへの直接搭載や機電一体化[2]も進んでおり、車載ECUには、より厳しい振動条件かつ高温環境での設置と大電流への対応が求められています。そのため、車載ECUを構成する電源回路のノイズ除去や電源の平滑化には、高い耐振動性、耐熱性および大電流に対応したチョークコイルが不可欠です。当社は、業界最高※1の耐振動性能50G以上を実現した面実装タイプ車載用パワーチョークコイルを製品化しました。

【特長】

  1. 業界最高※1の耐振動性能で、車載ECUの振動対策に貢献
    ・振動加速度:150℃環境下で50G以上(490m/s²)当社従来品※215G(147m/s²)
  2. 基板実装工程における耐振動の補強が不要で、工程の合理化に貢献
    ・ボンディング(接着)剤での補強工程を削減
  3. 優れた耐熱性と大電流への対応で、車載ECUのエンジン直載化に貢献
    ・電流値:27A、耐熱性:150℃/2000h 当社従来品※2同等
  • ※1: 2018年4月17日現在、面実装タイプ車載用パワーチョークコイル(10mm角サイズ)として(当社調べ)
  • ※2:当社従来品:10mm角サイズ車載用パワーチョークコイル(PCC-M1050MLシリーズ)

【用途】

HEV、EV、ガソリン車のDC/DCコンバータ回路[3]、高機能車載ECU電源回路、機電一体型車載ECU回路

【お問合せ先】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 デバイスソリューション事業部
https://industrial.panasonic.com/jp/products-inductors/automotive-inductors/automotive-inductors/anti-vibration-type?ad=press20180417

【特長の詳細説明】

1. 業界最高の耐振動性能で、車載ECUの振動対策に貢献

エンジンルーム内の設置からエンジン直接搭載へと車載ECUの搭載場所が変化する中、車載ECUに使用されるコイルには、高い耐振動性が要求されています。従来品は、構造的に自己共振周波数[4] が2000Hz付近と低いため、耐振動性に課題がありました。当社は独自の金属磁性材料を用いたメタルコンポジット材料[5]の採用と、独自の巻線および成型技術により、自己共振周波数が3000Hz以上と高く、業界最高の耐振動性50G以上を有するコイルを実現しました。これにより、車載ECUの振動対策に貢献します。

2. 基板実装工程における耐振動の補強が不要で、工程の合理化に貢献

従来、車載ECUの基板実装工程では、耐振動性能を確保するために、ボンディング(接着)剤で部品を固定する補強が必要でした。本製品は、独自の巻線および成型技術により、端子の引出し位置の高さを当社従来品比1/2に低減し、実装基板に近い位置に配置することで優れた耐振性を実現しています。これにより、振動補強が不要で工程の合理化に貢献します。

<構造比較>

3. 優れた耐熱性と大電流への対応で、車載ECUのエンジン直載化に貢献

車載ECUに搭載されるコイルには、高い耐振動性だけでなく、耐熱性と大電流への対応が要求されています。従来、30G以上の高耐振動対応コイルは低背でサイズが小さいため、大電流に対応できないという課題がありました。本製品は、独自のメタルコンポジット材料の採用により、50G以上の耐振動性を実現しながら、優れた耐熱性と大電流への対応を可能とし、車載ECUのエンジン直載化に貢献します。

【振動耐久条件】

振動加速度 50G(490 m/s²)
周波数 5~2000Hz
全振幅 5mm max.
振動方向、加振回数(時間) X,Y,Z方向、108回(100時間相当)
温度 150℃(通電時の製品自己発熱含む)

【ラインナップ】

2018年4月量産開始

シリーズ 形状
L×W(mm)
インダクタンス[6](*1) 直流抵抗[7] 20℃ 定格電流(*2)
PCC-M1050MS 10.9 x 10.0 0.68uH 1.66 mΩ 27A

2018年度中に順次量産予定

シリーズ 形状
L×W(mm)
インダクタンス[6](*1) 直流抵抗[7] 20℃ 定格電流(*2)
PCC-M08**MS 8.5 x 8.0 2.5~100uH 7.4~302 mΩ 12~5A
PCC-M10**MS 10.9 x 10.0 0.33~100uH 1.0~208 mΩ 33~2A
  • (*1):100kHzにて測定
  • (*2):温度上昇値が40度となる電流値

【用語説明】

[1]パワーチョークコイル
DC/DCコンバータ回路などに使用される電子部品で、エネルギーの蓄積やノイズを除去するフィルタの役割を持つ。
[2]機電一体化
機械駆動部分と車載ECUを一体化すること。従来、駆動部と車載ECUは離れて設置されていたため配線で結ばれていたが、制御の高精度化、設置場所の自由度向上、省線化などの目的で導入が進んでいる。
[3]DC/DCコンバータ回路
ある電圧の直流電流を異なる電圧の直流電流へ変換する回路。
[4]自己共振周波数
インダクタは固有振動数を有しており、その周波数を自己共振周波数と言う。外部から加わる振動条件の周波数が自己共振周波数付近にあると、印加加速度の数倍~数十倍の応力がインダクタに加わり、耐振動性を著しく悪化させる。
[5]メタルコンポジット材料
金属磁性材(鉄族)をベースとした粉末を、樹脂により絶縁し圧縮成型した磁性材料。
[6]インダクタンス
コイルの性能を表す指標のひとつ。コイルに変化する電流を流すと、その電流変化を妨げる方向に電流を流す電圧が発生する。この発生する電圧の度合いをインダクタンスという。
[7]直流抵抗
巻線(銅線)の抵抗成分。これが低いほど電力の損失が小さくなる。直流抵抗が低いほどロスが減り、電源効率を改善できる。

以上