2024年12月18日
- 製品・サービス
- トピックス
2013年3月25日
製品・サービス / トピックス
パナソニック デバイスSUNX株式会社(本社:愛知県春日井市、社長:荒谷 悦司)は、業界最長(※1)1kmの長距離通信を可能にした「920MHz帯[2]無線ユニット[3](ECOnectシリーズ[4])」を製品化しました。
(※1)2013年3月25日現在 産業向け920MHz帯通信ユニットとして(見通し距離にて)(当社調べ)
社会のあらゆる分野で省エネの取組みが加速する中、電力使用量を細分化(工場ごと、フロアごと、設備ごと)して計測、把握したいという要望が高まってきております。当社の簡易電力計「エコパワーメータをネットワーク化する際に、既設の工場、オフィス、店舗においては、「配線が困難」、「配線敷設費用が高価」といった課題から無線化のニーズが寄せられております。当社ではこれらお客様のご要請を受け、これまでも無線ユニットをご提供してまいりましたが、さらなる通信の安定性や、設置の容易性が求められていました。これらニーズを踏まえ、今回当社では「長距離通信」、「高速通信」、「高回折性[5]」を実現する上でバランスの良い周波数帯である920MHz帯の無線ユニットを製品化、量産を開始します。今回の920MHz無線ユニットの製品化を機に、今後、電力、温湿度、照度といったセンサ群のラインアップを図り、省エネ(ECO)支援機器をつなぐ(Connect)無線ユニット、ECOnectシリーズとして展開してまいります。
■920MHz帯 無線ユニットの特長
1.業界最長(※1) 見通し距離で1,000mの長距離通信
当社従来品(※2) :250m
2.長距離通信・高速通信を両立しながら、安定した通信を実現
3.工場の建屋間での通信に最適な防水型アンテナをラインアップ
4.優れたセキュリティ対策
5.マルチホップ技術[6]により、障害に強く、信頼性の高い通信を実現
(※2)当社従来品:KR20シリーズ
■販売計画
・シリーズ名:
ECOnectシリーズ
・品番:
UENRMU002(親機)、UENRSU002(子機)
・量産開始時期:
2013年4月1日
■用途
省エネを目的とした電力使用量の見える化におけるワイヤレス通信ネットワーク構築[工場、オフィス、店舗、など]
■特長の詳細説明
1.業界最長 見通し距離で1kmの長距離通信
省エネ意識の高まりから、工場、オフィス、店舗などでは、電力使用量を細分化(工場ごと、フロアごと、設備ごと) して計測・表示したいという要望があります。しかしながら、既設の工場、オフィス、店舗などでは、電力を計測する簡易電力計のネットワーク配線をするためのケーブルを新規に敷設する必要があり、敷設場所によっては高額のケーブル敷設費用が発生します。これら問題の解決手段として、無線通信が挙げられますが、長距離通信と高速通信の両立が困難でした。今回当社では、長距離通信、高速通信、および高回折性といったバランスの良い通信特性を得ることができる920MHz帯に対応する無線ユニットを開発、最大20mWの高出力と高利得アンテナの採用により、業界最長の見通し距離 約1,000m(従来製品KR20シリーズ:約250m)の長距離通信を実現しました。これにより、従来、長距離通信に必要であった中継機が不要となり、設置費用の低減に貢献できます。
2.長距離通信・高速通信を両立しながら、安定した通信を実現
従来の無線通信は、特定小電力無線[7]のような周波数帯が低い帯域のものと、無線LANにも採用されている2.4GHzと高い帯域のものが主流でした。特定小電力無線通信は、通信スピードが遅く、2.4GHz帯通信は、通信スピードが速い反面、直進性が高いため、障害物による影響を受け易いという特徴があります。今回、920MHz帯無線を採用することにより、長距離通信、高速通信、および高回折性といったバランスの良い通信特性を得ることが可能となりました。建屋内の無線通信については、壁や生産装置といった障害物があり、無線ユニットの設置場所について制限がありましたが、長距離通信と高回折性により、安定した通信を可能にしました。
3.工場の建屋間での通信に最適な防水型アンテナをラインアップ
通常、屋外に設置する場合、アンテナ部を樹脂ケースなどで保護する必要があり、屋外設置に最適な防水アンテナを要望する市場ニーズがあります。今回当社では、組合せアンテナを、スリーブアンテナ、ルーフトップアンテナ、平面アンテナの3種類をラインアップしました。特に、建屋間での通信に最適なルーフトップアンテナ(防水型ケーブル付きアンテナ)は、従来のように、樹脂ケースなどで保護する必要がなく、アンテナ設置箇所の制限と設置費用の低減に貢献します。
4.優れたセキュリティ対策
無線通信では、電波の伝搬を途中で受けることで、伝送される情報を傍受できるため、優れたセキュリティ対策が要求されています。本製品はデータの暗号化および複数のネットワーク参加認証方式を採用しており、その併用によりデータのセキュリティをより強固にすることができます。
5.マルチホップ技術により、障害に強く、信頼性の高い通信を実現
従来は通信経路の設定が必要であり、その設定された通信経路でのみ通信を行っておりましたが、今回、マルチホップ技術の採用により、自動で通信経路選択を行います。これにより、通信経路に障害を生じた場合、自動的に通信経路の選択を行うため、より障害に強く、信頼性の高い通信をご提供できます。従来の無線ユニットのように、通信経路を事前に設定する必要もなく、導入時の負担も軽減できます。
▼商品情報
パナソニック デバイスSUNX株式会社の省エネ支援機器
http://www3.panasonic.biz/ac/j/fasys/eco/index.jsp
パナソニック株式会社デバイス社 制御機器トップページ
http://www3.panasonic.biz/ac/j/index.jsp
パナソニックの電子デバイス
http://industrial.panasonic.com/jp/index.html
▼本件に関するお問合せ先
●報道関係お問合せ先
デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732
●商品に関するお問合せ先
http://panasonic.net/id/jp/contact/
●パナソニック株式会社 デバイス社 ホームページ
http://panasonic.net/id/jp/
●パナソニック デバイスSUNX株式会社 ホームページ
http://www2.panasonic.co.jp/id/pidsx/
所在地:所在地:愛知県春日井市牛山町2431-1
設立:1969年10月 (三友技術研究所として操業開始)
事業内容:FA(ファクトリーオートメーション)用センサ、PLC(プログラマブルコントローラ)、プログラマブル表示器、レーザマーカ、紫外線硬化装置、画像処理機、エコパワーメータ、FAコンポーネントなどの開発、製造および販売
■基本仕様
・定格電圧:
5V DC(付属アダプタ、またはMicroUSBより供給)
・最大消費電力:
1W以下
・使用周囲温度:
-20℃~+60℃
・無線規格:
IEEE802.15.4g準拠、ARIB STD-T108準拠
・通信距離:
約1,000m(見通しの良い直線距離にて)
・電波出力:
最大20mW
・使用周波数:
922.3~928.1MHz
・グループ数:
0001~FFFEまで選択可能(約65,000)
・チャネル数:
28チャネル
・占有帯域幅:
400kHz(2チャネル分)
・無線通信速度:
100kbps
・通信形態
メッシュ(最大100台接続)
・中継機能:
中継段数15段(親機から目的の子機間)
■用語説明
[1]エコパワーメータ
電力使用量を測定、表示する機器。電力の見える化が可能で省エネに貢献できる。「エコパワーメータ」はパナソニックの登録商標。
[2]920MHz帯
2012年7月から新たにISMバンドとして割り当てられた周波数帯域。ISMバンドとは主に産業、科学、医療向け用途として、免許不要で使用することができる周波数帯域。
[3]無線ユニット
電波による無線通信を行うための機器。
[4]ECOnectシリーズ
省エネを支援する簡易電力計エコパワーメータを中心としたECOデバイス(環境デバイス)を、より簡単に、より便利につなぐネットワークに対する新しいブランド。現在、商標申請中。
[5]回折性
電波の性質のひとつで、遮蔽物の後方に回り込む(回折)現象を指し、一般的に低い周波数ほど回折性が高く、逆に高い周波数ほど直進性が高い。
[6]マルチホップ技術
マルチホップ通信を行う技術であり、アクセスポイントなしで複数の機器が互いに情報を中継することができる。これにより、無線機器の最大伝送距離を越えた長距離通信や、通信経路に不具合を生じた場合に別の経路からの通信が可能となる。
[7]特定小電力無線
総務省規定により定められた用途毎の技術基準に適合・認証された無線機器で、周波数帯により電波強度は定められている。920MHz帯(915.9~916.9MHzおよび920.5~929.7MHz)では20mW以下となっている。
記事の内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。