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循環型モノづくりを加速するエコマテリアルの開発

2020年10月23日

特集

循環型モノづくりを加速するエコマテリアルの開発

世界で消費されるプラスチックの量は年間3億トンにもなります。一方で、リサイクルされるプラスチックはわずか14%と言われます(国際連合環境計画資料より)。海洋に捨てられるプラスチックごみ問題、石油資源の枯渇・地球温暖化などの環境問題もあり、石油由来のプラスチックの削減が世界的に求められています。

2015年に国連が採択したSDGsは、"Sustainable Development Goals"の略で、持続可能でより良い世界を目指す国際社会共通の目標です。ここでも「天然資源の効率的な利用」「海洋汚染の防止および大幅な削減」がゴールとして定められています。

SDGsの17のゴール

SDGsの17のゴール

こうした動きを受け、グローバルで300を超える事業場を持つパナソニックは、モノづくりの際に使用するプラスチックの量を減らすべく、2015年からプラスチックの代替素材となるエコマテリアルの研究開発をスタートしました。着目したのは植物由来成分であるセルロースファイバーです。これは植物の主成分であるセルロースから繊維を抽出して微細化し、補強用繊維として樹脂に混ぜ込んで作るもので、軽さ・強度を実現しながら環境にも配慮した成形材料になりうるバイオマス素材です。

セルロースファイバーの材料は木材繊維(パルプ)で、再生可能な天然資源である木から得ることができます。化石燃料とは異なり、計画的に植林などを行うことで再生産が可能な持続型の資源として注目されています。

図:セルロースファイバー(CeF:Cellulose Fiber):植物の主成分であるセルロースから繊維を抽出・微細化、樹脂に混ぜ込んで作る

従来は製造の際にパルプを水でほぐす必要があり、ほぐしたセルロースファイバーを樹脂と複合化する際の乾燥のエネルギーコストが課題となっていました。そこで当社は水を使用せず、溶解した樹脂の中でパルプをほぐし複合化する独自の「全乾式プロセス」を開発。乾燥工程をなくし、より効率的に製造できる仕組みを構築しました。

この全乾式プロセスによって実現したセルロースファイバー樹脂は、2018年8月発売の当社コードレススティック掃除機 MC-SBU820J/MC-SBU620Jの筐体に採用されました。

セルロースファイバーは処分やリサイクルのしやすさという特長も併せ持ちます。セルロースファイバー成形材料は植物繊維を採用しているため燃やしても何も残りません。また当社開発の近赤外線センサによる高精度樹脂選別システムにより樹脂の種類ごとに分別回収することができ、比較的強度を保った状態で再生材料として再利用することができます。

2019年には樹脂にセルロースファイバーを55%の高濃度で混ぜ込む複合加工技術を開発。成形の際の着色自由度も確保し、植物原料の特徴に沿った独特の木質感、香りなども表現することが可能となりました。

そして同年、高濃度セルロースファイバー成形材料を活用したリユースカップを開発。ここ数年、環境負荷低減に関する意識の高まりから、テーマパークやコンサート、スポーツ観戦の会場においてリユース可能な容器の普及が進んでいます。イベントを記念したデザインやアーティスト、選手の画像をデザインし、付加価値を高めることで記念品としての持ち帰り需要も生まれています。当社のショウルームでもカフェでのドリンク提供や販売、イベントでのオリジナルカップづくりワークショップ開催など、多くのお客様に日常生活を通じて環境や資源循環を考えていただくきっかけとなる活動を展開しています。

写真:高濃度セルロースファイバー成形材料を活用したリユースカップ

高濃度セルロースファイバー成形材料を活用したリユースカップ

写真:パナソニックセンター大阪内のカフェ「Re-Life ON THE TABLE」でドリンクやスイーツメニュー提供時に利用されているリユースカップ

写真:パナソニックセンター大阪内のカフェ「Re-Life ON THE TABLE」

当社のコーポレートショウルーム、パナソニックセンター大阪内のカフェ「Re-Life ON THE TABLE」では、リユースカップをドリンクやスイーツメニュー提供時に利用。ご家庭で使用し続けていただけるよう販売も実施。

当社は創業時からの企業理念「より良いくらしと持続可能な社会の両立」を実現するため、「商品から商品へ」をコンセプトに、使い終わった商品から資源を取り出し再び活用する「循環型モノづくり」に取り組んでいます。その循環をより確かなものにしていくためにも、セルロースファイバー成形材料においても強度や耐久性など、さらなる品質改良を進め、展開を拡げていくことで、プラスチック使用量の低減に取り組んでいきます。
また、新しいエコマテリアルの開発にも挑戦し、循環型社会の実現に向けた貢献を続けていきます。ご期待ください。

セルロースファイバー成形材料の開発にあたっては、以下の環境省の委託業務で得られた成果を活用しています。
1. 平成27年度~平成29年度セルロースナノファイバー製品製造工程におけるCO2排出削減に関する技術開発
2. 平成28年度~平成29年度セルロースナノファイバーの家電製品搭載に向けた性能評価および導入実証
3. 平成29年度~令和1年度セルロースナノファイバーリサイクルの性能評価等

 

エコプロ Online 2020に先駆けて、SDGsセミナーを開催!

国内最大級の環境展示会「エコプロ2020」は、オンラインで開催されます。

これに先駆け、当社は2020年10月28日(水)にオンラインセミナーを開催。SDGs達成に向けた当社の取り組みについてご紹介するほか、SDGsを実現するための新たな経済モデルとして注目を集めるサーキュラーエコノミー(循環型経済)を題材に、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けてわたしたちはどう取り組むべきなのか、社外の有識者もお招きし、企業と生活者双方の視点から議論します。

●パナソニックSDGsセミナー:「サーキュラーエコノミーで考える これからの持続可能なくらし」
【日時】2020年10月28日(水)18:00~19:30
【参加】http://ptix.at/oEIvJa より参加登録をお願いいたします。
【対象】どなたでも参加可能です。

セミナーの内容、登壇者などの詳細は以下からご確認ください。
https://news.panasonic.com/jp/topics/203951.html

  • 「パナソニックSDGsセミナー」を開催

●11月には再生可能エネルギーの拡大とエネルギーの地産地消を目指す「エコアイランド宮古島」の取り組みと、それを実現するパナソニックのまちづくりソリューションをテーマにパートナー企業との対談セミナーの開催も決定。
セミナーの内容、登壇者などの詳細は以下からご確認ください。
▼「パナソニックSDGsセミナー」を開催 "日本の南国・宮古島 エネルギー地産地消への挑戦"
https://news.panasonic.com/jp/topics/203991.html



●エコプロ Online 2020
【日時】2020年11月25日(水)~28日(土)10:00~17:00 ※会期後、2020年12月25日(金)までアーカイブを公開
【会場】オンライン
【主催】一般社団法人 サステナブル経営推進機構、日本経済新聞社

エコプロ Online 2020 公式サイト:https://eco-pro.com/2020/

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発表年月
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