2024年12月19日
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エンジニアたちが極限のアイデアとテクニックを競う、NHKの技術開発エンタメ番組「魔改造の夜」。その第9回「おトイレ ゆか 宙返り」と第10回「キックスケーター 25m綱渡り」に、パナソニック ホールディングス株式会社 マニュファクチャリングイノベーション本部(以下、MI本部)、パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社(以下、PPE)のメンバーが、「Pナソニック」として出場した。それぞれのバックグラウンドを生かし、部門や役職を越えてチーム一丸で挑んだ40日間の軌跡。初めてのチャレンジを振り返り、パナソニックグループのモノづくりに懸ける情熱や技術力、強みについて、メンバーたちが熱き思いを語る――プロジェクトに約1カ月半密着した動画、メンバーの事後インタビューをぜひご覧ください。
※注意:映像は番組内容のネタバレを含みます。
最初はみんな、ほぼ初対面で、チームとは言えない状態から始まりましたが、いろんなチャレンジや失敗、ディスカッションを経て、最後はワンチームになれたと思います。
このような即席のプロジェクトでも、それぞれが能力をいかんなく発揮することで、十分にステップアップできると実感しました。今回の学びを糧に、また新たに成長していきたいですね。苦労もありましたが、とてもやりがいのある1カ月半でした。
「俺についてこい」というタイプではありませんので、みんなを信じて任せるが、放り投げるわけではない「任せて任さず」を実践したつもりです。メンバーが困った時にすぐにサポートできる準備や声掛けがあったから、みんなが新しい視点で挑戦できたのだとしたら、うれしいですね。今回のチャレンジはゴールではなく、成長へのワンステップとして、これからも新たなチャレンジを続けてもらいたいと思います。
私は業務においても「まずは趣味でやりましょう」とよく話すんです。趣味だと思ったら、自らの判断でチャレンジできますよね。趣味に注ぐような情熱で自分のやりたいこと、得意なことにチャレンジし、成長の機会にすることが大事だと思っています。
私は2016年にキャリア採用で入社したのですが、パナソニックグループの人たちは、能力を内に秘めていると思うことが多いんです。それぞれが能力を存分に発揮し、限界を自分で決めてしまわずにチャレンジできる風土になればと思いますし、私自身、そのことを意識してアクションを起こしていきたいなと思います。
個人的に非常に興味のあった「魔改造の夜」にパナソニックグループとして参加したいと思っていました。モノづくりをやりたいという人、一緒にやってくれる人を、参加を通じて増やしたいという思いもありましたね。
若い方々にもっとモノづくりに興味を持ってもらい、パナソニックグループに入社していただけるよう、業務とは別の活動を何かしらしないと……そんな使命感があったんです。その気合と自由な社風をアピールする気持ちで、本番では髪を水色に変えました(笑)。
家族にもその思いを伝え、後押ししてもらいました。娘にも自慢できるような魔改造にしなければとの思いが、チャレンジの原動力になりましたね。今では娘も「魔改造したい」と、モノづくりに興味津々です。自分の家庭を持つメンバーも多く、家族と感動を共有したいという思いは、みんなも大きな原動力になっていたのでは。というのも、ただ飛ぶだけ、走るだけでなく、感動するものになっているかと立ち止まり、いやいや、これじゃあ感動させられないよねって初心に戻ると、もっと良いアイデアが出たりするんです。それが新たな原動力になってさらに頑張れる、といった局面が何度もありました。しんどくてもやり続けられたのは、そういった心が突き動かされる瞬間を、メンバー全員で共有できたからだと思っています。
私はマシンが跳躍する機構の設計を担当しました。ルールで5メートルもの距離を飛ばして着地させなければならない上、飛行中の回転の美しさも求められ、それを可能にするパワーをいかに出すかが、特に難しかった点ですね。
それぞれに専門分野があり、かつ価値観が異なるメンバーの意見を一つのモノに結実させることに、競技の難易度とは別の難しさも感じました。私は結果を重視するタイプなので、手順にこだわらず、とにかく結果に結び付くアクションを起こしたいという思いが強いのですが、一方で順序をきちんと守ることや途中の検証に重きを置くメンバーもいます。何度も議論を重ねましたが、通常業務よりタイトなスケジュールで、その焦りからポイントがずれたままお互いに意見を交わしていたこともありました。そうした事態の解決には、やはり諦めずに深いコミュニケーションをとることが大事だと痛感しましたね。一人で考えて作業を進めるのが好きな私ですが、チームで一つのゴールに向かって進む中で、時には周囲に助けを求めることも大事だと気付きました。一方で、自分の主張を通すためには、結果を見せて納得してもらうことも大事だと思います。最初は「やる気のある新人」ぐらいに見られていたと思いますが、買うよりも自分で作った方が軽くできるはずとシリンダーを手作りし、「結果を出す」という自分なりの設計コンセプトを貫いたことで、徐々にチームの信頼を得られた気がします。これからの業務でも意識したいし、設計に携わる方は、ぜひそのことを意識して自分の思いを形にすることを楽しんでもらいたいなと思います。
最初に「スケーターを2.5秒で走らせる」という目標を決めたんです。内心では無理だと思いつつ、あえて非常に高い目標を立てたのですが、だからこそ絶対に実現してやろうという勢いがみんなに生まれ、最後まで走り続けられたんだと思っています。
リーダーとして苦労したのは、異なる意見を一つにまとめ上げること。若手からチャレンジングな意見が上がる一方で、ベテランからは、確実に動く方で行こうという意見も出ましたが、「挑戦したい気持ちをつぶしたくない」というのが私のリーダーとしての方針でしたので、若手の意見を頭ごなしに否定せず、一度受け止めて、寄り添いながら解決策を見いだしていきました。今後、業務でリーダーを任されるようなことがあれば、今回同様に、言うべき意見を言える組織にしたいですし、異なる意見をうまくまとめながら、お互いにいい仕事ができるようにしていきたいなと思います。
振り返って思うのは、リーダーは毎日現場にいることが大事だなということです。困ったら、すぐにリーダーに相談できる、迷ったらすぐにリーダーに意見を求められる環境が作れたのは、大きかったと感じています。
昨今、若手が自分で手を動かしてモノを作る機会が減っているのではと、危惧しています。若い頃から協力会社などの業務パートナーに実務を任せてしまうと、自分自身の技術が育たないので、なるべく自分で手を動かして基礎となる技術を身に付けてほしいなと思います。その上で、「こうしたい」という意見を言い続ければ、きっと良いモノづくりにつながるし、職場も変わっていくはず。ハングリー精神を失わないでいきたいですね。
今回の挑戦を通じて、技術的なチャレンジには終わりがないということを実感しました。強豪と競ってみたら、私たちの考えがまだ甘かったということが、業務においてもきっとあると思うので、常に上を目指し続けていきたいです。
チームの中に、少しでも良いタイムを出したいという雰囲気づくりがまずできたのが、良かったと思います。プロジェクトが始まるとしんどいこともありましたが、メンバーの間にお互いを信頼する空気があり、非常に良い雰囲気の中でマシンをブラッシュアップできました。楽しいからやり切れたというのもありますが、メンバーのおかげで頑張れたと、みんなに感謝しています。
また、今回参加したことで、さまざまなノウハウを得ることができたのも、ありがたかったですね。実際に手を動かさないと分からないことはたくさんありますが、例えば、「こういう機構は、こんなふうに設計した方がいい」とか、電装・電気系でも「電流量をここまでちゃんと考えた方がいい」など、工場の設備などを考える上でも踏まえるべき、たくさんのポイントを知ることができました。
私は入社2年目ですが、部署や背景がさまざまな人たちと協力して一つのものを作り上げるのは、非常に良い経験になりました。何より、メンバー全員に全力でプロジェクトに打ち込んでもらえたのがありがたくて……。私はサブリーダーの立場で、一人ひとりにスキルを最大限に発揮してもらうにはどうしたらいいか、一つの目標に向かってみんながどう協力すればうまくいくかを常に考えていました。仕事は一人ではなくチームでするものだと思うので、そのことは強く意識していましたね。
今回のプロジェクトは終わりましたが、今後業務の中で困ったときは、ぜひ今回のメンバーに相談させてもらいたいと思います。
私は図面作成をリードするポジションで、まずは、どうしたらスケーターが縄の上に立つかを考えました。理論では分かっても実際は難しくて……。みんなのアイデアや数式を図面とモデルに起こすこともやりました。こだわったのは「みんながしたいことを実現する」こと。例えば、こんな部品が欲しい、もっと速く走れるようにしたい、こんな機構でやりたいといった意見が出たら、次の日には図面に落とし込み、できるだけモデルを提示するように努力しました。設計者は常に最悪の事態を想定すべきだと思っているので、楽観的にならず、「こうしたら、他の部分がうまくいかないんじゃないか」といったことを、常に考えていましたね。
私は若手とベテランの間の世代なので、最初は、橋渡しの役割を担うことを意識していました。でも世代や価値観が違っても、本気で話し合えば問題を解決できるし、何とかしようという思いがあれば、全員が同じ方向を向くんだと感じました。そうなれば、お互いを受け入れられるような環境に自然となっていくんだなと。部門や役職、年齢が異なるさまざまな人がいると、ミドル層は橋渡しや緩衝材にならなければと思いがちですが、自分が主役になるぐらいの気持ちでこれからも頑張りたいですね。
自分が子供の頃に「技術者って、かっこいいな」と思った気持ちを、今の子どもたちや娘にも持ってもらえたらいいですね。これからも、行き詰まったら、何のためにそれをやっているのかなど、モチベーションを高められる要素を洗い出して楽しんでやっていけたらなと思います。プロフェッショナルな技術者として、さまざまな事業に関わられる人材になりたいと思います。
失敗を恐れずにチャレンジする風土の醸成への期待や、チャレンジ精神を養う機会にしてもらいたいという思いがありました。寝食を忘れるぐらいに打ち込んでもらい、パナソニックグループとしての一体感を感じてもらえればと、後押ししました。メンバーがお互いに違う役割を担って進化していく姿は、見ていて本当に感動しましたね。失敗を恐れずにどんどん自由にチャレンジしていく、そういう機運が業務においても一層高まれば、うれしいです。
思いが強いメンバーが集まったので、当初はまとまりがなく、混乱もあったようですが、それぞれが自発的に自身の役割やスキルの幅を広げるなど、積極的な姿勢で一体感を持ちながら取り組んでくれたのは、非常に良かったと思います。
さまざまな領域を見ながら自分の立ち位置を決めるというのは、若手にとってはなかなか難しいことだと思いますが、今回のチャレンジをきっかけに、各職場でポジティブな働きかけを多方面に波及させてほしいですね。
強い情熱を持ってやるからこそ、挑戦には終わりがありません。「前例がないから」「リスクがあるから」「誰々の責任になる」……そんな空気のせいで、「では無難な方に」という流れになることは絶対にあってはいけない。それでは情熱を持つ人から相手にされない会社になると思います。強い情熱の源泉になるのは「やりたい」という気持ちで、それが一番大切だと思っているんです。何かを「やる」ではなく、何かを「したい」だと。そういう情熱を持つことの大切さを、改めて感じる良いきっかけになったのではないでしょうか。メンバーのみんなには、そういった面での今後の変化を期待しています。
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