永山氏:子どもたちにはいつも、「未来を考えるのは自分たちなんだ」と思ってほしいです。だから未来をハッピーに捉えるのがなかなか厳しい時代に、それを乗り越えて未来を考えるというワークショップの設定は大変良かったですね。子どもたちにはこういう前向きな思いでいてほしいです。
渡邊氏:今の子どもたちが当たり前のように環境について考える姿に、時代はすごく変わったと実感しました。地球環境だけでなく、相手や周りのこともちゃんと見えているのはどの班にも共通しており、自分のためというより、みんなのためという考えが中心にあるのは本当にすごいと思いました。普段の仕事やワークショップで「周りのことを考えよう」と言いますが、子どもたちは最初から考えている。むしろ彼ら・彼女らには当たり前のようです。
藤田:私が参加した班では、みんなが楽しく暮らしていくには、鉛筆や消しゴムも食べられたらいいね、という発想から始まり、家も食べられるといいよね、となりました。「消しゴムも食べられるといい」というアイデアから、「何でも食べられて、ゴミのない世界がいい」という発想につながったのは、一緒にやっていて面白かったですね。
永山氏:私も、大それた発想というより身近な小さなものをちょっと変えるだけで、世界がガラッと変わる、という発想はすごいと感じました。最近は建築の世界でも、都市計画などの大きな視点より、ヒューマンスケールの視点が重視されています。つまり「自分サイズのアイデアで世界がどれだけ変わるか」ということをやっているのですが、子どもたちも同じように考えるのだなと発見がありましたね。