2024年11月8日
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パナソニック株式会社 空質空調社は、マレーシアのパナソニックAPエアコンR&Dマレーシア株式会社(以下、PAPARADMY)に建設した新棟をこのほど稼働させました。この新棟では、当社初の「温水・空調同時マルチ実験室」など最新鋭の設備を導入し、ASEANや欧州を中心としたグローバル向けに、空調機器の開発リードタイムを短縮、現地ニーズに合わせた開発を加速させます。
当社はマレーシアにルームエアコン、業務用空調機器、ヒートポンプ式給湯暖房機(以下、A2W)などの生産・販売拠点であるパナソニックAPエアコンマレーシア株式会社(以下、PAPAMY)と、研究開発拠点であるPAPARADMYの2社を保有しています。PAPAMYは1973年創業で、今年で50周年を迎えました。
ASEANでは人口増加に伴い、ビルなどの大型物件の建設が進み、業務用空調需要が堅調に推移しています。また、グローバルでは省エネ性能の高いヒートポンプ技術を使った空調やA2W、業務用領域における「水循環型空調」の市場が拡大しています。このような環境下、R&D新棟を稼働させ、研究開発を強化します。新棟は現在あるPAPARADMYの実験及び執務棟の建屋に隣接し、3階建てで延床面積10,900 m2になります。3階には将来の増員に備えたオフィスを構え、1階から2階は様々な実験室を設置します。概要は以下の通りです。
通常は空調機と温水給湯暖房機でそれぞれ1台ずつ室外機が必要ですが、室外機の設置スペースに制約がある場合、1台で両方運転可能な「Aquarea EcoFleX(アクエリア エコフレックス)」を、南欧などの地域で展開しています。2022年の発売から、新たなカテゴリー商品として販売を強化しています。今回の新棟には、当社として初めて、空調機と温水給湯暖房機の運転効率などを同時に計測することが可能なマルチ実験室を設置します。これまでは機器別に実験する必要がありましたが、一度に行うことで開発リードタイムを短縮します。
また、空調機器でもIoT化による管理効率化や消費エネルギー削減が進んでいます。通信時に機器から発せられる電磁波などの法規適合性を確認するため、室内の壁面に電波吸収体を貼り付けた「半無響電波暗室」が用いられます。これまで、A2Wや水循環型空調などの水を使う機器の計測は外部機関で行っていました。今回、当社として初めて、水の給排水設備を備えた半無響電波暗室を設けることで、社内で迅速に検証できる体制を整え、開発スピードを加速させます。
これらを含め、現在の建屋にに加えて実験室規模で約1.6倍に拡大し、研究開発を強化します。
現地の住環境やニーズを反映したビル用マルチエアコンのラインアップを拡大するとともに、オフィス・店舗用エアコンのインバーター化や、ダクト形、カセット形、壁掛け形など多様な室内機開発を強化します。また、欧州向けには業務用水循環型空調機の室内機であるファンコイルユニットもあわせて開発します。
当社は2023年5月に、日系メーカーとして初めて(※1)自然冷媒R290を採用したA2Wを欧州向けに発売しました。今後の品揃え拡大に向けて、実使用環境での検証が可能なR290対応の実験室を設け、イタリア・ミラノに新設したR&Dセンターと連携しながら開発を加速していきます。
※1 全欧で、自然冷媒R290を採用した住宅向け、冷暖房機能搭載A2Wにおいて。当社調べ、2022年10月3日現在。
所在地 |
マレーシア |
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延床面積 |
10,900 m2 |
記事の内容は発表時のものです。
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