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2021年10月29日
製品・サービス / プレスリリース
IoTを活用した科学的介護の介入研究
学校法人国際医療福祉大学(以下、国際医療福祉大学)とパナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、IoT*1データを活用したケアマネジメントの効果検証に関する共同研究を2021年10月より開始します。
国際医療福祉大学の大学院先進的ケア・ネットワーク開発研究分野では、介護やケアマネジメント*2の研究に長期にわたり取り組みを行っています。
また、パナソニックは、2019年度よりIoTを活用して要介護高齢者の在宅介護を支える「デジタル・ケアマネジメント」の実証を行っており、2021年度は東京都品川区における「令和3年度事業『IoTを活用したケアマネジメント向上支援事業』」を受託し、現在13件*3の実証を始めています。
今回の共同研究では、エビデンスベースによる高齢者の在宅介護の実現を目指し、国際医療福祉大学大学院の知見とパナソニックが保有するデジタル技術を融合し、品川区の実証事例を評価対象に、品川区介護支援専門員連絡協議会と連携しながら、ケアマネジメントの質向上への寄与について効果検証を行います。
現在、日本の介護保険制度においては、科学的介護情報システム(LIFE)の本格運用が始まり、エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止の実現に向けて、介護サービスのPDCA(計画・実施・評価・改善)サイクルにおける情報収集・蓄積・分析が進められています。しかしながら、施設で生活する要介護高齢者については、職員の介護記録を基に24時間を網羅する情報収集が可能ですが、在宅で生活する要介護高齢者については、介護サービス利用時の記録や本人家族からの聞き取り情報等、24時間の一部に限定され、生活全体を網羅した情報収集は難しいのが現状です。
これに対し、デジタル・ケアマネジメントでは、宅内に設置したIoT機器*4を通じて、住み慣れた自宅での生活行動*5について、24時間365日にわたり、介護職員の負担なく情報収集が可能です。さらに、そのデータを蓄積・分析しケアマネジャー*6に提供することで、根拠に基づいたケアマネジメントの実践をサポートしています。
国際医療福祉大学およびパナソニックは、本研究の成果をIoT・ICT・AI等のデジタル技術を用いた新しい在宅介護の知見として整理し、ケアマネジメントの質の向上に役立てるとともに、高齢者の生活機能および生活の質の向上に貢献してまいります。
IoTデータを活用したケアマネジメントの効果検証
以下の方法で利用者の状態変化を評価
IoT機器設置工事後~約12週間
(単位:人)
年齢 | 70代 | 80代 | 90代 |
---|---|---|---|
3 | 6 | 4 |
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
4 | 9 |
要介護度 | 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | 2 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 |
家族の 訪問頻度 | 無 | 年数回 | 月1回 | 隔週 | 週1回 | 週数回 | 毎日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 0 | 0 | 4 | 5 | 1 |
要介護高齢者の生活を支えるケアマネジメントに、IoT・ICT・AI等のデジタル技術を使うことを意図する新しいコンセプトで、具体的にはケアマネジャー*6向けに「IoTモニタリング機能」と「ケアプラン自己点検機能*7」を提供しています。2019年度より、ケアマネジャー職能団体と共創し、実際の業務で利用する実証を開始。第1期は2019年10月より宮崎県都城市において、要介護高齢者4名を対象に実施し、第2期では東京都品川区に広げて実証。さらに、2021年7月より東京都品川区より正式事業として受託し、実証数を拡大し継続しています。
生活行動 分類 | 現状の把握方法 | IoT機器で収集する 生活行動情報 | ヘルスケア機器で収集する生体情報 | |
---|---|---|---|---|
飲食 | 水分 | ・本人/家族からの聞き取り ・介護サービス利用時の介護記録 | ・冷蔵庫開閉回数 ・トイレ利用回数 | |
栄養 | ・冷蔵庫開閉回数 ・レンジ利用回数 | ・体重 | ||
排泄 | ・トイレ利用回数 | |||
活動 | ・外出時間 ・離床時間 | ・歩数 | ||
睡眠 | ・睡眠休息時間 | |||
服薬 | ・服薬支援機器実績 | ・血圧 | ||
生活リズム | ・生活パターンの変化 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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