2021年11月1日

新型コロナウイルスの懸念される変異株4種に対する
「帯電微粒子水(ナノイー)」技術の抑制効果を検証

パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターと共同で、「帯電微粒子水(ナノイー)」技術の新型コロナウイルスの変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)に対する抑制効果を検証しました。

多くのウイルスは絶えず変異を繰り返し、中には感染力や毒性に大きく影響を及ぼすような変異株も現れます。そのため、世界的な感染拡大が起こると言われています。現在、猛威を振るっている新型コロナウイルスにおいても変異株は発見されており、世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4種を、「懸念される変異株」に指定しています。

当社は、2020年7月に「帯電微粒子水」技術の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抑制効果を実証しました※1。また、ウイルスクリアランス試験を実施した結果、生物学的特性で4つに分類したそれぞれで抑制効果が確認できたことから、2012年1月には未知のウイルスに対しても「帯電微粒子水」技術の抑制効果が期待できると発表しています※2。これらの状況から、新型コロナウイルス変異株に対しても「帯電微粒子水」技術による効果は期待できますが、感染拡大の状況を鑑みて、改めて検証を行いました。

今回の検証では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、および新型コロナウイルスの懸念される変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)を対象に、「帯電微粒子水」の曝露有無によるウイルス感染価の比較実験を45 Lの試験空間で実施しています。その結果、5種全てのウイルスにおいて、2時間の曝露で99%以上の抑制効果を確認しました。(今回の検証は密閉した試験空間の結果であり、実使用空間における効果を検証したものではありません)

パナソニックは、今後も「帯電微粒子水」技術の可能性を追求するとともに、さまざまな効果検証を進め、社会に貢献していきます。

  • ※1 大阪府立大学と共同で検証
  • ※2 ドイツの試験機関であるCharles River Biopharmaceutical Services GmbH社と共同で検証

■実証データ

  • ・検証機関:一般財団法人日本繊維製品品質技術センター
  • ・検証時期:2021年9月
  • ・検証対象:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
    新型コロナウイルス 変異株4種
    (アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)
  • ・検証装置:「帯電微粒子水」発生装置
  • ・検証方法:45 Lの試験空間にて、床面から10 cmの位置に
    「帯電微粒子水」発生装置を設置
    ウイルス液を滴下したガーゼをシャーレに設置し、
    2時間「帯電微粒子水」を曝露
    ウイルス感染価を測定し抑制率を算出
検証機材の配置図
  • ・検証結果:
対象 時間 抑制率
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) 2時間 99.7%
新型コロナウイルス変異株 アルファ株 2時間 99.7%
ベータ株 2時間 99.8%
ガンマ株 2時間 99.8%
デルタ株 2時間 99.8%
  • ※当社算出

■結論

「帯電微粒子水」技術により、新型コロナウイルスの変異株4種に対して99%以上のウイルス感染価の減少が確認されました。
「帯電微粒子水」技術は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と変異株4種において株の違いによらず、同じ減少傾向が認められました。

■大阪府立大学 向本雅郁教授の検証結果に関する見解

新型コロナウイルスは、外側に突き出したスパイクタンパク質を介して宿主細胞に結合し、細胞内に侵入後、増殖します。ワクチン接種や感染によって体内に作られた抗体の一部(中和抗体)がスパイクタンパク質に結合し、ウイルスが宿主細胞に結合するのを阻止することによってウイルスの増殖および発症を防いでいます。一方、ウイルスは細胞内で増殖するときに、設計図であるウイルス遺伝子の誤ったコピーを作ってしまいます。これを変異といいます。特にスパイクタンパク質のアミノ酸に変異がおこったウイルスが変異株として、細胞との結合力が増強したり、中和抗体との結合が起こりにくくなったりすることでCOVID-19再流行の原因となっています。

「帯電微粒子水」に含まれるOHラジカルの抗ウイルス作用は完全には解明されていませんが、抗体のような特異性(抗体が特定の抗原とだけ反応する性質)の高い反応ではありません。実際、今回の検証結果からも、「帯電微粒子水」の新型コロナウイルス株間における抑制率に違いがみられなかったことから、一部のアミノ酸置換によるウイルス変異では不活化効果に影響を及ぼさないと考えられます。

そのため、「帯電微粒子水」技術は、今後も出現するであろう変異株に対して、今回と同じ実験条件下で試験を行えば、同じ実験結果が得られるものと期待できます。

■「帯電微粒子水」の発生原理

霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向き合う対向電極の間に高電圧を印加することで、OHラジカルを含んだ、約5~20 nmの大きさの「帯電微粒子水」が発生します。

「帯電微粒子水」の発生装置図

以上