【特長】
1. 正確なスピーカー駆動により、純度高くかつ躍動感のある音楽再生を実現。
高度な技術が結集したフルデジタルアンプ
テクニクスのデジタルアンプの心臓部である「JENO Engine」は、高精度なジッター削減回路とPWM変換回路により、音声信号をデジタルのまま入力段からパワー段まで低ジッター伝送・処理することで、純度の高い音楽再生を可能にしたフルデジタルアンプです。また、スピーカーを接続した状態でのアンプの出力特性と位相特性を測定することで、幅広い種類のスピーカーを理想的な振幅・位相特性で駆動することができる「LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)」など独自のデジタル技術により、低ノイズでクリアな音質や広大な音場イメージの再現などを実現しています。

●歪みを抑え、音楽に込められた躍動感とエネルギーを伝える
「Active Distortion Cancelling Technology」
本製品では、スピーカーをドライブしたときの瞬時的な供給電圧の落ち込みや逆起電力などが原因でパワーアンプ部で発生する歪みを高精度に除去する、新開発の「Active Distortion Cancelling Technology(ADCT)」を搭載しました。パワーアンプ部からスピーカーに出力される信号の一部をデジタル変換し、「JENO Engine」の出力信号と比較することで歪み成分だけを正確に抽出し、歪みをキャンセルします。アナログアンプに用いられる、音楽信号そのものをフィードバックする負帰還回路(NFB)とは異なり、デジタル領域で歪み成分のみを高精度に抽出して歪みだけをキャンセルするため、音質に影響を与える過渡特性を損なわずスピーカーのドライバビリティを向上しています。これにより歪みを抑え、音楽信号に込められた躍動感とエネルギーをありのまま再現します。
*図はイメージです。
2. 高速スイッチング電源と超低ノイズレギュレーターにより、
音楽信号に追従した応答性の高い低ノイズ電源供給を実現
●高速スイッチング電源と超低ノイズレギュレーターを採用した
「Advanced Speed Silent Power Supply」
スイッチング電源は、瞬時の電源能力に優れ、力強い音を実現できる反面、スイッチング動作が起因となるノイズの発生という弊害もあります。このノイズの低減をさらに推し進め、より進化した高速スイッチング電源を開発しました。従来からテクニクスはこのノイズ低減に着目しスイッチング周波数を固定化していましたが、本製品ではスイッチング周波数をこれまでの約100 kHzからさらに高い約400 kHzとしました。これにより、音楽再生帯域への影響を極めて低いレベルに抑えています。さらに、高次元での低ノイズ化・安定性を実現するため、後段には超低ノイズレギュレーターを設けました。広帯域で低ノイズな基準電圧生成回路と安定したゲインを確保する制御回路により、低域までフラットな超低ノイズ特性を実現。低ノイズで安定した電源出力を実現しました。
*図はイメージです。
●プリアンプ部、左右のパワーアンプ部など、各部の電源部を独立
本製品では、微細な入力信号を扱うプリアンプ部と増幅出力信号を扱うパワーアンプ部を上下2段のフロアに分離したセパレート構成としました。下段のプリアンプ部は、アナログ信号処理のブロックとデジタル信号処理のブロックを分離した構造とし、それぞれに専用の電源から供給します。上段のパワーアンプ部は、左右対称の独立構造で左右単独の電源回路を備えます。働きの異なる各ブロックの電源を独立させることで、ブロック間の不要な干渉を防ぎ、高S/N、高セパレーションを実現しています。
下段:プリアンプ部(デジタル/アナログブロック)
上段:パワーアンプ部(L/R対称・独立構造)
3. 独自のデジタル処理でアナログレコードに刻まれた情報をさらに引き出す
「Intelligent PHONO EQ(インテリジェントフォノイコライザー)」
フルデジタルアンプという特性を生かし、デジタル信号処理との組み合わせによりアナログ回路だけでは実現できない高音質化を図る「Intelligent PHONO EQ」を開発しました。
●アナログとデジタルのハイブリッド処理により
正確なEQカーブを実現する「Accurate EQ Curve」
「Accurate EQ Curve」はフォノイコライザーをアナログ回路とデジタル回路のハイブリッドで構成しています。レコードからの微小信号をアナログ回路で増幅し、A/D変換時の変換誤差を抑え、デジタルフィルターにより左右のレベルやバラツキのない正確なイコライザーカーブを実現することで、高精度なフォノイコライザーを実現しました。さらにデジタルフィルターの特性を生かし、RIAAカーブを含む、7種類(※1)のさまざまな補正カーブにも対応。膨大なアナログレコードの音をより忠実に再現します。
PHONO入力基板
*図はイメージです。
- ※1:RIAA、IEC、Columbia、Decca/FFRR、AES、NAB、RCAの7種類。RIAAを除くEQカーブについては、さまざまな文献を参考に当社でシミュレートしたものになります。
●カートリッジ特有のクロストーク特性を測定・改善する「Crosstalk Canceller」
カートリッジは1本の針でレコードの溝に刻まれたステレオ信号を拾うため、原理的に左右のクロストークの発生が避けられず、音質に影響を与えています。「Crosstalk Canceller」では、同梱される測定用の「キャリブレーション・レコード」を使用してお手持ちのアナログプレーヤー、カートリッジのクロストークを測定し、DSPによりキャンセルすることでクロストークを改善し、レコードの溝に刻まれた本来の音をより忠実に再現します(※2)。
*図はイメージです。
- ※2:同梱される「キャリブレーション・レコード」を用いて効果を確認済。なお、お客様のプレーヤー、カートリッジ、レコードの種類や状態、その他ご使用環境によっては音質効果に差が出ることがあります。
●カートリッジの周波数特性の乱れを補正する「PHONO Response Optimiser」
クロストーク特性の測定・補正に加えて、カートリッジとフォノイコライザーのインピーダンスマッチングによる影響をDSPで補正する「PHONO Response Optimiser」を搭載。「Crosstalk Canceller」と同じく、同梱される「キャリブレーション・レコード」を用いて測定・補正します。インピーダンス整合のための切り替えスイッチを追加することによるノイズ混入の可能性を排除し、カートリッジ本来の音を引き出した再生を可能にしました。なお「Crosstalk Canceller」と「PHONO Response Optimiser」は同時に測定・補正を行っており、内蔵メモリーに3つのカートリッジ補正データの保存や名前の入力ができ、カートリッジに合わせて切り替えて使用できます。
*図はイメージです。
4. 高剛性シャーシと音質向上に寄与する高品位なパーツの採用
●各部をブロックごとに分割し、高い強度を実現したシャーシ
各ブロックの干渉をなくすため、筐体内は補強を兼ねた鋼板シールドプレートでブロックごとに分割。筐体の高剛性化と、各ブロックが独立した理想的なレイアウト設計としています。筐体も10 mm厚のアルミフロントパネルをはじめ、サイドパネルやトップパネルは6 mm厚のアルミパネルを採用。鋳鉄製のインシュレーターを採用するなど、高剛性化により筐体の制振性を高めています。

●音質向上に寄与する高品位なパーツを採用
アンプ部には高速でロスの少ない超低ON抵抗のGaN-FETを採用。電源回路用のFET素子にも高速なGaN-FETを採用したほか、整流回路には高耐圧でリカバリ損失を大幅に削減できるSiCダイオードを使用しています。またA/Dコンバーターには、旭化成エレクトロニクスの高性能チップを採用し、高精度なA/D変換を行います。ほかにも極太のスピーカーケーブルの装着も可能な本製品専用のスピーカー端子を設けるなど、各所に音質向上に寄与する高品位なパーツを吟味して採用しています。
GaN-FET(左)、SiCダイオード(右)
A/Dコンバーター
スピーカーターミナル
5. PHONOのXLRやUSB-Bの2系統など豊富な入力に対応
PHONO入力はピンジャック入力に加え、ハイエンドのフォノイコライザーなどに搭載されているPHONOのXLR入力(MC専用)にも対応しています。USB-Bはネットワークオーディオサーバーなどへの常時接続と、ノートPCなどの使用時の接続用に2系統としました。また、デジタル入力ではMQA®にも対応し、接続機器でのMQAファイルやMQA-CD再生時のフルデコード再生が可能です(※3)。
【主な仕様】
|
SU-R1000 |
総合 |
電源 |
AC 100 V、50/60 Hz |
消費電力 |
220 W/スタンバイ時 約0.3 W |
外形寸法(幅×高さ×奥行) |
430×191×459 mm |
質量 |
約22.8 kg |
許容動作温度 |
0℃~40℃ |
許容相対湿度 |
35%~80% RH(結露なきこと) |
アンプ部 |
定格出力 |
150 W+150 W (1 kHz、T.H.D. 0.5 %、8 Ω、20 kHz LPF) 300 W+300 W (1 kHz、T.H.D. 0.5 %、4 Ω、20 kHz LPF) |
周波数特性 |
PHONO(MM):20 Hz~20 kHz (RIAA DEVIATION ±1 dB、8 Ω) LINE:5 Hz~80 kHz(-3 dB、8 Ω) DIGITAL:5 Hz~80 kHz(-3 dB、8 Ω) |
推奨負荷インピーダンス |
4 Ω~16 Ω |
入力感度/ 入力インピーダンス |
PHONO(MM):2.5 mV/47 kΩ PHONO(MC):300 μV/100 Ω LINE:200 mV/22 kΩ |
入出力 端子部 |
ヘッドホン |
ステレオ(Φ6.3 mm)0.75 mW、32 Ω×1 |
PC |
背面、USB Bタイプコネクタ×2 |
アナログ入力 |
LINE |
ピンジャック×2 |
LINE XLR |
3ピン、XLR×1 |
PHONO(MM/MC) |
ピンジャック×1 |
PHONO XLR (MC専用端子) |
3ピン、XLR×1 |
MAIN IN |
ピンジャック×1 |
REC IN |
ピンジャック×1 |
デジタル入力 |
光デジタル入力 |
光角型端子×2 |
同軸デジタル入力 |
ピンジャック×2 |
サポートフォーマット |
PCM |
アナログ出力 |
REC OUT |
ピンジャック×1 |
PRE OUT |
ピンジャック×1 |
システム接続 |
システムコントロール |
Φ3.5 mmジャック×1 |
対応 フォーマット |
同軸デジタル入力 |
PCM:最大 192 kHz/24 bit |
光デジタル入力 |
PCM:最大 96 kHz/24 bit |
PC入力(USBタイプB) |
USB規格:USB2.0 High-speed、 USB Audio Class 2.0、Asynchronous mode 再生フォーマット:PCM最大 384 kHz/32 bit DSD:2.8 MHz/5.6 MHz/11.2 MHz/ 22.4 MHz(ASIO Native mode のみ) DSDコントロールモード: ASIO Native mode、DoP mode |
MQAデコーダー |
デジタル入力(同軸/光/PC) ON/OFF切換可 |
付属品 |
電源コード×1、リモコン×1、 リモコン用乾電池(単4形×2)、 キャリブレーション・レコード×1 |
- ・MQA and the Sound Wave Device are registered trade marks of MQA Limited © 2016
- ・DSDはソニー株式会社の登録商標です。