2019年12月24日

約25 m3(約6畳)の空間で付着ウイルスへの効果確認

空気中に揮発した次亜塩素酸水溶液(※1)の有効塩素成分が、
24時間でイヌパルボウイルス および
ネコ汎白血球減少症ウイルスを99%以上抑制

パナソニック エコシステムズ株式会社は、食塩水を電気分解して得られる「次亜塩素酸水溶液」から揮発した有効塩素成分が、約25 m3(約6畳)の空間で、付着するイヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスを24時間で99%以上抑制する効果があることを検証しました(※2)

イヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスは、犬・猫に対して強い感染性を持ち、感染した犬・猫は発熱、下痢、嘔吐、白血球の減少等の症状を示し、免疫が未熟な子犬・子猫では高い致死率を示します。また、一般的な消毒薬に対して抵抗性が高いことも知られています。なお、ヒトへの病原性は認められていません。

イヌパルボウイルス感染症の病原であるイヌパルボウイルスは、小型の球状粒子(径20 nm)であり、潜伏期間が数日から10日前後とされ、酸や熱にも耐性があり、一般の消毒液にも抵抗する強力なウイルスです。感染源は、既に感染しているイヌとの接触、糞便や尿、吐物内ウイルスの経口感染などが考えられます。ウイルスは胎盤を通過するため、妊娠中の母犬が感染すると、流産や死産を引き起こすという報告もあります。

ネコ汎白血球減少症ウイルスは、ネコ汎白血球減少症(ネコ伝染性腸炎とも言う)を引き起こします。潜伏期間は数日から1週間前後とされ、非常に強い感染力を持つウイルスです。感染源は、既に感染しているネコとの直接接触、嘔吐物や下痢便などが考えられます。妊娠中の母猫が感染すると、ウイルスは胎盤を通過するため、流産や死産を引き起こしたり、生まれても脳に障害が残ることもあります。

今回の試験空間約25 m3(約6畳)では、付着するイヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスに対し、24時間で99%以上抑制することが実証されました(※2)。このような方式で揮発させた次亜塩素酸は、不特定のイヌ・ネコが出入りする場所での感染対策としても効果が期待されます。

  • ※1:塩水を電気分解して得られる水溶液。
  • ※2:製品での効果検証ではありません。

■検証方法

回転式除菌フィルターに約10 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(5 m3/min)を回転式除菌フィルターにあてて有効塩素成分を揮発させて、イヌパルボウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルスを付着させた試料に暴露した場合と、有効塩素成分を暴露させない場合(自然減衰)とで検証試験を行いました。

■検証結果(図1)

  • ・イヌパルボウイルスに対し、12時間で93.6%、24時間で99%以上の抑制効果を確認
  • ・ネコ汎白血球減少症ウイルスに対し、12時間で97.4%、24時間で99%以上の抑制効果を確認
  • ※製品での効果検証ではありません。

(図1)イヌパルボウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルスへの効果

■検証方法の詳細

付着イヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスに対し、次亜塩素酸の揮発した有効塩素成分を暴露することで、99%以上の抑制効果を確認

●検証機関・・・一般財団法人 北里環境科学センター、パナソニック エコシステムズ株式会社

●検証装置・・・回転式除菌フィルターに約10 mg/Lの次亜塩素酸水溶液を含浸し、一定の風(5 m3/min)を回転式除菌フィルターにあてて有効塩素成分を揮発

●検証方法

  • ・暴露時間・・・24時間(暴露<検証装置設置有>/非暴露<検証装置設置無>)
  • ・試験空間容積
    • 暴露・・・約25 m3(約6畳) 換気無
    • 非暴露(自然減衰)・・・約400 L試験チャンバー 換気無

<ウイルスの設置(暴露)>

  • ・付着イヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスの設置
    シャーレに試験ウイルス液を25 µL(1 µLx25箇所)滴下し、安全キャビネット内で約30分自然乾燥させ、試験ウイルス付着シャーレとし、検証装置から1.5 m離れたところに設置(床上1.2 m)

<ウイルスの設置(非暴露)>

  • ・付着イヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスのシャーレを約400 L試験チャンバー内に設置

●暴露方法

約25 m3の試験室内にイヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルスを付着させた試料を設置し、検証装置を運転する。

●イヌパルボウイルスおよびネコ汎白血球減少症ウイルス感染価の測定

所定時間作用毎にシャーレを回収し、シャーレの洗い出し液を試料原液として、10段階希釈液を作製した。その試料原液または希釈液を細胞に感染させたのち、処理を加え37℃のCO2インキュベータで14日間培養した。顕微鏡下で、細胞変性効果(CPE)を観察し、Reed-Muench法を用いて、洗い出し液1 mLあたりのウイルス感染価(TCID50/mL)(※3)を求めた。

  • ※3:感染性を持つウイルスの量を表す単位。またはウイルスの力価を表す単位。

25 m3試験チャンバーの外観

■次亜塩素酸の除菌効果検証一覧

対象 効果検証内容 検証機関 検証年
大腸菌ファージ 浮遊・付着 (一財)北里環境科学センター 2015
黄色ブドウ球菌 浮遊・付着 (一財)北里環境科学センター 2015
A型インフルエンザウイルス 浮遊・付着 (一財)北里環境科学センター 2015
ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替) 浮遊・付着 (一財)北里環境科学センター 2015
新型インフルエンザウイルス 付着 (一財)北里環境科学センター 2015
MRSA 付着 (一財)北里環境科学センター 2016
肺炎レンサ球菌 付着 (一財)北里環境科学センター 2016
ロタウイルス 付着 (一財)北里環境科学センター 2016
麻疹ウイルス 付着 (一財)北里環境科学センター 2019
アデノウイルス 付着 (一財)北里環境科学センター 2019

以上