2024年10月10日
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2015年6月3日
製品・サービス / トピックス
パナソニック株式会社は、電子機器の狭小空間での熱対策に適した薄膜の高性能断熱シートの独自製造プロセスを開発。厚さ100μm(マイクロメートル)で業界最薄(※1)の柔軟な断熱シート「NASBIS(R)」(NAno Silica Balloon InSulator)として2015年6月より量産を開始します。
一般に、断熱材はガラスウールやポリエステルなどの繊維系とウレタンフォームなどの発泡系に大別されます。その用途は、建材から車載、家電分野など多岐に渡りますが、いずれも数mmから数cmの厚みが主流でした。しかし、近年電子機器の小型・薄型化、高性能化に伴い、ヒートスポットへの対策や発熱部品からの煽り熱の問題が深刻化しており、薄くて高性能な断熱材への要求が高まっていました。
パナソニックは断熱性能が極めて高いシリカエアロゲルと呼ばれるナノ多孔体を繊維シートの空隙に埋め込み、均質にシート化する独自の製造プロセスを開発。業界最薄(※1)の厚さ100μmで業界トップクラス(※1)の低熱伝導率0.02W/mKを誇る、薄膜高性能断熱シート「NASBIS(R)」の量産化を実現しました。厚さ200μm、500μm、1000μmの「NASBIS(R)」も順次ラインアップ予定です。
「NASBIS(R)」は湿度や温度による劣化が少なく、長期間に渡って高い断熱性能を維持できる特長を有します。また、電子機器の筐体内部の狭小空間において押圧がかかるような使用環境でも、従来の発泡系シートの課題であった断熱性能の低下を大幅に抑制、安定した熱対策を可能とします。この「NASBIS(R)」をスマートフォンやウエアラブル機器に組み込むことで、熱問題の解決が期待できます。
■「NASBIS(R)」(NAno Silica Balloon InSulator)の特長
1. 業界最薄(※1)(100μm)で業界トップクラス(※1)の低熱伝導率(0.02 W/mK)を実現
2. 押圧時の断熱性能の低下が少なく、薄くても面内の断熱性能変化が小さい
3. 薄く柔軟で、狭小空間での使用に最適。また、高熱伝導率のPGS(R)グラファイトシートとの複合化により、各種機器の熱対策に貢献
※1:非真空断熱材として。2015年5月28日現在、パナソニック調べ。
パナソニックのPGS(R)グラファイトシートとの複合化で、熱方向制御を可能とする同社独自の熱対策ソリューションも提供していきます。具体的には、PGS(R)グラファイトシートによる熱拡散と「NASBIS(R)」の優れた断熱性能を融合することで、狭小空間の局所的なヒートスポットの熱を抑制。電子機器の筐体表面の温度低減に貢献します。今後は、「NASBIS(R)」のさらなる薄膜化や耐熱性・難燃性を高める開発を進め、車載や産業分野への展開を図っていきます。
■用途
スマートフォン、ウエアラブル機器、車載機器、産業機器など
<技術に関してのお問い合わせ先>
生産技術本部 企画部 TEL:06-6905-4530
<製品に関してのお問い合わせ先>
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 デバイスソリューション事業部
https://industrial.panasonic.com/jp/contact-us
<関連情報>
▼パナソニックのグラファイトシート
http://industrial.panasonic.com/jp/products/thermal-solutions/graphite-sheet-pgs/pgs
[プレスリリース]業界最薄 厚さ100μmの高性能断熱シートNASBIS(R)を開発、量産化
(2015年5月28日)
http://news.panasonic.com/press/news/data/2015/05/jn150528-1/jn150528-1.html
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